『生物の変遷と進化』第3回 生命誕生 | 奈良の鹿たち

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『生物の変遷と進化』第3回

<40~35億年前>

(始生代初期)

~生命誕生~

 

 

(古細菌)

 

生命の誕生は、現在でも定まっていません。

大気から生命の材料がつくられることが、ミラーの実験などで実証されたという時期もありました。この実験は、生命発生の最初の過程が、原始大気と海とを舞台にして生じる可能性を確かめようとしたものです。しかしながら、その後の地球物理学の研究進展により、最初の生命が誕生した時の大気はメタンやアンモニアなどの還元性気体ではなく、二酸化炭素や窒素酸化物などの酸化性気体が主成分であったと考えられるようになり、その際、酸素がどの程度含まれていたかが論争になりました。どちらにしても、酸化的な大気における有機物の合成は著しく困難であるため、現在では、多くの生命起源の研究者たちは、ユーリー-ミラーの実験を過去のものと考えています。

このように、彼の得た結果は現在では認められないものであるが、彼が切り開いたのは生命発生の過程を実験的に検証する方向性であり、これはその後の研究に大きな指針となったものでした。(Wikipedia参考)

 

オーストラリアのマーチソン隕石などのように、隕石の中にアミノ酸が含まれていることが分かり、生命は宇宙からやってきたともされています。他の惑星からの隕石に、ウィルスやバクテリアなどの生命が付着していてそれが宇宙空間を生き抜いて、地球にやってきたというものです。

 

1984年 南極で火星隕石(火星からやって来た隕石)が発見され、分析の結果、有機窒素化合物が検出されました。約40億年前に火星は直径2000kmの小惑星と衝突し、その跡が「ボレアリス盆地」と名付けられたクレータとして確認されています。この大衝突で、火星の岩石が宇宙空間に飛び散り、地球に隕石として降って来たのではないかといわれています。このように、微生物や生命の材料は、宇宙を漂って地球にやってくることが実証されました。

 

マグマから噴出したメタンやアンモニアを含んだ400℃近くの深海の熱水噴出孔(チムニー)メタン生成好熱細菌という生命が誕生したという説も有力です。

また、陸上の温泉地帯で、リン酸イオンが多く含んだ蒸気が濃縮されてできた可能性も言われています。

さらに、幾つかのアミノ酸がつながってタンパク質がつくられ、生命が誕生しやすい場所として、海の波打ち際の潮だまりのような場所という説もあります。

 

いずれにせよ、誕生した最初の生物は古細菌に属し、単細胞で核をもたない原核生物で、大きさは0,01mm程度でした。

 

1979年グリーンランドのイスアで約38億年前の地層から生命の痕跡とする炭素12の帯(炭質物)が発見されました。また、オーストラリアのビルバラでも、35億年前のバクテリアの細胞化石が発見されてました。ともに光合成をしていたシアノバクテリアではないかと考えられています。

2017年東京大学の研究グループが、カナダのラブラドル半島・ザグレック岩体で出土した約39億5000万年前の岩石に含まれる炭質物(グラファイト )から生物起源のものを発見しました。

 

 

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次回は 第4回「酸素発生」

 

 

(担当B)

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