『生物の変遷と進化』第2回 海の誕生、地磁気の発生 | 奈良の鹿たち

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『生物の変遷と進化』第2回

<44~43億年前>

(始生代初期)

~海の誕生、地磁気の発生~

 

(原始海洋)

海の誕生

地球は太陽系の中でが蒸発せず凍らない地帯に存在し、それをハビタブルゾーンといいます。また、星の温度が高いと水は水蒸気化しガス惑星(木星・土星)になり、低いと水は固体の氷になり星は水分の多い氷惑星(天王星・海王星)になります。この境目をスノーラインといい、太陽系における水のスノーラインは火星と木星の軌道の中間付近のところにあります。これによると地球はスノーラインの内側にあり、水を含まない岩石惑星(水星・金星・地球・火星)であることになります。地球はスノーラインの内側の微惑星の衝突でできたと考えられているので,地球に水は存在しないはずです。では地球の水はどこから来たのでしょうか?

地球の水の存在については、諸説あります。小惑星帯からやって来た大量の氷を持った微惑星や隕石が、水をもたらしたという説が有力です。

原始地球が周囲の微惑星を吸収しつくして,ほぼ現在の大きさ(6.0×1024 kg)になったあと,スノーラインの外側の水を多く含んだ小惑星帯から、隕石が雨のように降ってきた言われているものです。隕石のなかでも炭素系コンドライトという隕石は水を6%も含むものがあります。この水が海をつくったという説です。この説はレイトベニア仮説と呼ばれています。

それらの水分が地球の灼熱と作用し、分厚い雲となり地球が徐々に冷えていき、そのため年間降水量が10mを超えるすさまじい大雨が1000年近くも降り続きました。それが地球上の窪みに溜まることによって原始海洋)ができました。地球全面が陸地のない海となりました。

はじめは塩酸などを含んだ酸性でしたが、次第に地表の鉄分、カルシウム、ナトリウムを溶かし、現在のような中性のになっていきました。

グリーンランドのイスアで、38億年前の海底で噴出しで固まった溶岩(枕状溶岩)が見つかりました。少なくとも38億年前には広大な海があったことを物語っています。

 

地磁気の発生

“地球は大きな磁石”と考えられています。北極をS極、南極をN極として地球を取り巻くように大量の磁力線が流れています。

この磁力線(地磁気)が流れている地球磁場によって、地球のまわりの宇宙空間には目に見えない磁気バリアができています。太陽風プラズマや宇宙線などの電気を帯びた粒子は、地磁気の影響を感じると動きが大きく変化するため、磁気バリアの中に入りにくくなっているのです。

この地球の磁気バリアは、どんなに激しい太陽風(100万℃)が吹き付けても、絶対に直接地球に到達することができないほど強力なものです。太陽風は地上から3万kmから10万kmくらいの位置で食い止められていて、その反対側の磁気圏は太陽風に吹き流されたような形をしていることがわかっています。

地球の誕生から早い時期に存在した磁場が、地球表層への強い紫外線照射を防いでくれました。また太陽風を遮断して地球の大気の散逸や海の水分の蒸発を防いでくれたのです。

もし地球の磁気バリアがなかったなら、生命の誕生・進化が起きなかったか、または大きく遅れていたかもしれません。人類の誕生もなかった可能性もあるのです。

さらに、磁気バリアを通り抜けた一部の宇宙線は、オゾン層はじめ地球の大気がエネルギーを弱めてくれています。このように、人類の住んでいる地上の環境は、磁気バリア大気のバリアという二重のバリアによって、太陽風や宇宙線から守られているのです。

このバリアのおかげで生命存在に必要な大気や海、さらに生命そのものも守られてきたといえます。

火星はちょうどこの頃、地磁気を失い、大気と水が宇宙に放出され死の星となりました。

地磁気の発生時期は、今でも完全には解明されていません。

グリーンランドの太古の岩石に含まれる磁性鉱物から、少なくとも初期生命が現れた37億年前までには、地磁気が存在していたことが解析によって見いだされました。

オーストラリア大陸西部のジャックヒルズの砂岩に含まれるジルコンの分析で、地磁気は42億年前(地球誕生の3億年後)に発生していたことが、確認されています。

東京工業大学の研究グループは、45億年前の地球誕生直後から地球には磁場があった可能性が高い、とする研究成果を発表しました。

 

地球は地殻マントルという3つの部分からつくられています。核は鉄やニッケルから作られていて、外側は外核といって流体、内側は内核といって固体です。そして地磁気を作っているのはこの外核の部分だと考えられています。

 

 

 

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次回は 第3回 「生命誕生」

 

 

(担当B)

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