父のふるさと
1月5日朝 それまで奇跡的に痛みを感じずに過ごしていましたが、
この日痛みに耐えられなくなり、かかりつけ医の勧めるまま入院しました
1月6日朝 意識冴え渡り、朝9時に痛み止めを坐薬でとったにもかかわらず、10時40分には痛みが出てきたため、
「11時まで我慢して痛み止めの追加をしたい」
と訴える
同日昼 痛みが強くなり、言葉が弱くなる
「はやく」「痛い」を繰り返し、身の置き所がなく「胡座をかきたい」などというので、ベッドの上で上半身を立てて胡座のような姿勢にさせる
痛みで顔を歪める
意識相変わらず冴え渡り、看護師さんが父の右手の人差し指につけた血中酸素濃度を測る計器の数字を自分で確認し、血圧値を耳で聞いて納得する
痛み止めの、強いクスリを「はやく入れてほしい」と繰り返す
同日夕方 点滴で、ようやく強いクスリを追加してもらう
「眠りたい眠りたい」と繰り返し訴えていたが、
このクスリが効いてきたのか、大きな呼吸で眠り始める
同時に、医師から、自宅で休憩中の母をはやく呼び戻すように言われる
同日午後8時10分ごろ 大きく息をして、息が止まった
医師が来て、呼吸が止まったが心臓はまだ動いているという
母がかけつける
同日午後8時20分 医師により死亡確認
お父さん、よくがんばったね
入院した次の日には旅立ってしまったけど、
それまで、「家族といたい」と自宅で一生懸命頑張って、
食欲全然ないのに牛乳頑張って飲んだり、
生卵食べたり、
頭でカロリー計算なんかしながら、
「無理はしない。自然にまかせる」
とだんだん仙人みたいなことを言いだして
周りは答えに困ったよ
家族に余計な迷惑をかけたくないと自分でギリギリまで頑張って、立派な往生だったよ
明日の葬式が終わったら、
この世に８８年間過ごした肉体はなくなってしまうけど、
これからも私はお父さんを胸に頑張ろうと思う
可愛がってくれてありがとう
誰よりも私のことを理解してくれてありがとう
先月、お父さんのふるさとに行けてよかったね
もう目が覚めることはないけれど…
