直角はいろんなものの基準になっています。
部屋の出入り口も直角でないと建具はきっちりと
締まりません。
上棟前の土台伏せも同じく基礎と土台を直角にし
なければ部屋が変形してしまいます。
今では測量機器(トランシット)を使って基礎に
直角の墨を出してくれる基礎屋さんもいますが、
昔は土台伏せの時、大工さんが直角三角形の原理
で直角の墨を出していました。
「ピタゴラスの定理」習った覚えがあると思います。
3辺の長さが3・4・5の三角形を造ると3と4の辺の
間に直角ができます。
その直角の墨を基準に基礎に墨出しをしていました。
これは人の指でも大体表すことができます。
人差し指と親指をいっぱいに開くと
親指が3寸(9センチ)、人差し指が4寸(12センチ)、
残りの1辺が5寸(15センチ)になります。
即席で板を使って3尺、4尺、5尺の直角三角形の道具
を作って柱や部屋の隅の直角を確認していた時代もあ
ったそうです。
(この道具を「さしご」というんだそうです)
手のひらの三角形は人が使う道具に影響を与えています。
湯呑や瓶などは親指と人差し指を開いたとき(15センチ)
の半分の7.5㎝が持ちやすさの基準になっています。
お椀は両手の親指と中指で造った輪の大きさの12センチ
くらいが基準になっています。
本来両手で持つもので、片手で持つときはお椀の縁と底で
7.5㎝が標準となっているとのことです。