相続税の生前対策として、一度に多額の財産を親族などに渡すことができれば効果的ですが、贈与税も多額になるという問題があります。
そこで、大型贈与を可能にする贈与税の特例をいくつか紹介していきます。
①贈与税の配偶者控除(2,000万円の特別控除)
婚姻期間が20年以上の夫婦であれば、住宅または住宅を取得するための資金を贈与しても2,000万円までは贈与税が非課税となります(通常の暦年課税分110万円と併用可能ですので、実質的に2,110万円まで非課税となります)。
また、この特例の適用によって贈与した財産は、相続開始前3年以内であっても相続財産に加算されないため、緊急の相続税対策として活用できます。例えば、この贈与を受けた年に贈与者である配偶者が死亡した場合でも特例の適用が認められるので、この財産は相続税の課税対象から除かれます(贈与税の申告が必要)。
同じ配偶者からは1回しか適用できないことや、居住要件や贈与税の申告をすることなど、細かな要件はありますが、相続以外の目的でも比較的活用されることの多い特例です。
池田歩公認会計士事務所(所属:㈱奈良税経センター)
池田歩(公認会計士・税理士)
贈与の問題に関連して、
不動産では、その名義や持分の変更にも贈与税の問題が生じます。
相続税の生前対策でも、頻繁に問題になるところです。
たとえば、これは実際にご相談頂いた内容です(一部変更しています)。
親が所有する不動産の一部を、子の名義に変更したいが、そのままでは1,000万円近い贈与税がかかるとわかった。
登記を依頼した司法書士からは「相続時精算課税を適用して贈与税の申告をすれば、税額はほとんど発生しない」と教えてもらい、無事に名義変更の手続きを済ませたが、その後うっかり贈与税の申告を失念してしまっていた。
そうこうしているうちに税務署からお尋ね書面が届いているが、どうすればよいか?」
といった内容でした。
確かに相続時精算課税は、申告期限(贈与翌年の3/15)までにその旨の申告書を提出することが要件ですから、期限後となってしまっては、その贈与に対して適用の余地はありません。
特に不動産の異動は登記と密接に関係するために、税務署もすぐに把握できるほか、事後の対応が困難になる場合が多いです。
今回はご相談頂いたタイミングが比較的早かったため(遅いですが・・・)、無事に対応策をご提案できましたが、不動産が絡む贈与については、十分な注意と専門家によるサポートが必要です。
池田歩公認会計士事務所(所属:㈱奈良税経センター)
池田歩(公認会計士・税理士)
不動産では、その名義や持分の変更にも贈与税の問題が生じます。
相続税の生前対策でも、頻繁に問題になるところです。
たとえば、これは実際にご相談頂いた内容です(一部変更しています)。
親が所有する不動産の一部を、子の名義に変更したいが、そのままでは1,000万円近い贈与税がかかるとわかった。
登記を依頼した司法書士からは「相続時精算課税を適用して贈与税の申告をすれば、税額はほとんど発生しない」と教えてもらい、無事に名義変更の手続きを済ませたが、その後うっかり贈与税の申告を失念してしまっていた。
そうこうしているうちに税務署からお尋ね書面が届いているが、どうすればよいか?」
といった内容でした。
確かに相続時精算課税は、申告期限(贈与翌年の3/15)までにその旨の申告書を提出することが要件ですから、期限後となってしまっては、その贈与に対して適用の余地はありません。
特に不動産の異動は登記と密接に関係するために、税務署もすぐに把握できるほか、事後の対応が困難になる場合が多いです。
今回はご相談頂いたタイミングが比較的早かったため(遅いですが・・・)、無事に対応策をご提案できましたが、不動産が絡む贈与については、十分な注意と専門家によるサポートが必要です。
池田歩公認会計士事務所(所属:㈱奈良税経センター)
池田歩(公認会計士・税理士)
「贈与が成り立つために」の続きです。
相続税の生前対策として重要な「贈与」が有効に成り立つ(税務署に否認されない)ために、気を付けるべきポイントの2つ目ですが、
②贈与する「もの」を引き渡すこと
贈与ですから、ものの引き渡しを完了(例えば孫名義の預金へ資金を移動)させることは当然なのですが、ここでも税務署の目が光ります。贈与した後の管理状態が重要です。
たとえば一方的な贈与や、お孫さんがまだ未成年あるいは本人が使ってしまうといけないからという理由で、贈与した側が預金通帳や印鑑を管理したまま、ということがよくあります。
しかし贈与が有効であるというためには、貰った側がいつでも自由に使える状態にあることが説明できなければなりません。
これは事実認定の問題になりますが、たとえば
・定期預金の満期に伴う書換書類の筆跡
・届出印は誰のもので、管理していたのは誰か
・貰った側が実際に現金を引き出して使った証跡
など、税務調査では丹念に調べられます。
贈与は資金を移動して終わり、ではありません。
本人は贈与したつもりでも、法的に有効な贈与とは認められず否認されてしまうこともあります。
生前贈与は相続税対策として我々も推奨するものですが、気を付けるべきポイントを押さえておくことが重要です。
池田歩公認会計士事務所(所属:㈱奈良税経センター)
池田歩
相続税の生前対策として重要な「贈与」が有効に成り立つ(税務署に否認されない)ために、気を付けるべきポイントの2つ目ですが、
②贈与する「もの」を引き渡すこと
贈与ですから、ものの引き渡しを完了(例えば孫名義の預金へ資金を移動)させることは当然なのですが、ここでも税務署の目が光ります。贈与した後の管理状態が重要です。
たとえば一方的な贈与や、お孫さんがまだ未成年あるいは本人が使ってしまうといけないからという理由で、贈与した側が預金通帳や印鑑を管理したまま、ということがよくあります。
しかし贈与が有効であるというためには、貰った側がいつでも自由に使える状態にあることが説明できなければなりません。
これは事実認定の問題になりますが、たとえば
・定期預金の満期に伴う書換書類の筆跡
・届出印は誰のもので、管理していたのは誰か
・貰った側が実際に現金を引き出して使った証跡
など、税務調査では丹念に調べられます。
贈与は資金を移動して終わり、ではありません。
本人は贈与したつもりでも、法的に有効な贈与とは認められず否認されてしまうこともあります。
生前贈与は相続税対策として我々も推奨するものですが、気を付けるべきポイントを押さえておくことが重要です。
池田歩公認会計士事務所(所属:㈱奈良税経センター)
池田歩
久々の更新^^
今回は実際にあった事例をちょこっとだけ公開♪
90歳になる方の相続財産が結構あり、その対策に何をすればいいか、のご相談。
対策のひとつとして保険を使いました。
中身は個別でご連絡いただければお伝えしますが、財産のうちの2500万円の現金を10分の1に圧縮するプランでご提案。
こんなこともできるんですね^^
詳しくはこちらへ・・・
nara.souzoku@gmail.com
今回は実際にあった事例をちょこっとだけ公開♪
90歳になる方の相続財産が結構あり、その対策に何をすればいいか、のご相談。
対策のひとつとして保険を使いました。
中身は個別でご連絡いただければお伝えしますが、財産のうちの2500万円の現金を10分の1に圧縮するプランでご提案。
こんなこともできるんですね^^
詳しくはこちらへ・・・
nara.souzoku@gmail.com
前回の続きです。
相続税の生前対策として重要な「贈与」が有効に成り立つ(税務署に否認されない)ために、どのようなことに気を付るべきでしょうか。
まず1つめです。
①お互いの合意があること
…拍子抜けといいますか、抽象的でわかりにくいかもしれませんが、これが最も基本的なことです。
要は、あげる側「タダであげますよ」→貰う側「はい、貰います」と、
両者がちゃんと合意していることです。
ごく当たり前のことですが、これが生前対策となると、あげる側が一方的に贈与事実を作ったままで、貰う側は何も知らないままというケースがよくあります。
例えば、まだ小さなお孫さんへの贈与をお考えになる方も多いですが、あげる側の意思だけでは贈与は成立しません。
「毎年、贈与税の申告や納税を済ませた」だけ、あるいは「一方的な振込を続けた」だけで、貰い手は何も把握していないままでは、贈与があったとは認めてもらえないのです。
ただし第三者から見れば合意があったかどうかは判断できません。
また、あくまで重要なことは税務署に贈与があったと認めてもらうことです。
そのために「贈与契約書」の作成が極めて重要になります。
未成年者への贈与についても、次回以降で触れます。
次回は2つめのポイントです。
池田歩公認会計士事務所(所属:㈱奈良税経センター)
池田歩
相続税の生前対策として重要な「贈与」が有効に成り立つ(税務署に否認されない)ために、どのようなことに気を付るべきでしょうか。
まず1つめです。
①お互いの合意があること
…拍子抜けといいますか、抽象的でわかりにくいかもしれませんが、これが最も基本的なことです。
要は、あげる側「タダであげますよ」→貰う側「はい、貰います」と、
両者がちゃんと合意していることです。
ごく当たり前のことですが、これが生前対策となると、あげる側が一方的に贈与事実を作ったままで、貰う側は何も知らないままというケースがよくあります。
例えば、まだ小さなお孫さんへの贈与をお考えになる方も多いですが、あげる側の意思だけでは贈与は成立しません。
「毎年、贈与税の申告や納税を済ませた」だけ、あるいは「一方的な振込を続けた」だけで、貰い手は何も把握していないままでは、贈与があったとは認めてもらえないのです。
ただし第三者から見れば合意があったかどうかは判断できません。
また、あくまで重要なことは税務署に贈与があったと認めてもらうことです。
そのために「贈与契約書」の作成が極めて重要になります。
未成年者への贈与についても、次回以降で触れます。
次回は2つめのポイントです。
池田歩公認会計士事務所(所属:㈱奈良税経センター)
池田歩