贈与の問題に関連して、
不動産では、その名義や持分の変更にも贈与税の問題が生じます。
相続税の生前対策でも、頻繁に問題になるところです。
たとえば、これは実際にご相談頂いた内容です(一部変更しています)。
親が所有する不動産の一部を、子の名義に変更したいが、そのままでは1,000万円近い贈与税がかかるとわかった。
登記を依頼した司法書士からは「相続時精算課税を適用して贈与税の申告をすれば、税額はほとんど発生しない」と教えてもらい、無事に名義変更の手続きを済ませたが、その後うっかり贈与税の申告を失念してしまっていた。
そうこうしているうちに税務署からお尋ね書面が届いているが、どうすればよいか?」
といった内容でした。
確かに相続時精算課税は、申告期限(贈与翌年の3/15)までにその旨の申告書を提出することが要件ですから、期限後となってしまっては、その贈与に対して適用の余地はありません。
特に不動産の異動は登記と密接に関係するために、税務署もすぐに把握できるほか、事後の対応が困難になる場合が多いです。
今回はご相談頂いたタイミングが比較的早かったため(遅いですが・・・)、無事に対応策をご提案できましたが、不動産が絡む贈与については、十分な注意と専門家によるサポートが必要です。
池田歩公認会計士事務所(所属:㈱奈良税経センター)
池田歩(公認会計士・税理士)