認知症になっても贈与をする方法 | 奈良の相続、弁護士、税理士、行政書士、会計士、保険コンサルタント、遺言、相続税・贈与税、のことは【相続のことnara】におまかせ。

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相続のときの専門的な相談、弁護士への相談、遺言のこと、相続税、贈与税のこと、税金対策や生命保険の使い方について疑問や質問、それぞれの専門家が相談に乗ります。

 過去の記事「贈与が成り立つために①」でも書きましたが、生前贈与が成り立つためには、あげる側(贈与者)ともらう側(受贈者)が、ともにその贈与を認識している(意思能力がある)ことが必要です。
 しかし、一般に重い認知症の方などはこの意思能力がないと判断されるため、生前贈与が有効であると示すことが困難になります。
 
 このような場合に備えて、生命保険を活用することで生前贈与を成立させる方法があります。
 以下、具体例で説明します。
 
 例えば、親から子へ毎年100万円ずつ贈与する場合を考えます。仮に10年続ければ1,000万円を贈与することになりますが、親の年齢的に5年後や10年後に意思能力が不十分になるおそれがある場合、たとえ存命であっても以後の贈与が困難になる可能性があります。
 そこで予め、親を契約者(=保険料負担者)・被保険者、子を保険金受取人とする1,000万円の一時払い終身保険に加入します。そして加入後に契約者を子へ変更(※1)した上で、子は毎年この保険を100万円ずつ部分解約していきます。10年に渡って解約すれば、毎年100万円ずつ親から子へ贈与した扱いになります(※2)。
 万が一、この間に親が死亡した場合でも、死亡保険金の非課税の対象(相続人1人あたり500万円)となり、この範囲で相続税はかかりません
 今から加入する場合はもちろん、すでに加入している一時払い終身保険でも可能です。

 ある程度の時間をかけてコツコツ贈与を繰り返していく場合、将来の贈与を予め担保する方法として効果的な方法です。

(※1)一時払い終身保険の解約返戻金は契約者が受け取るため、契約者を子へ変更します。
(※2)保険料負担者(親)と解約受取人(子)が異なる場合は、贈与の取り扱いになるため。


池田歩公認会計士事務所(所属:㈱奈良税経センター) 

池田歩(公認会計士・税理士)