今回はモーツアルトのピアノソナタと一部の変奏曲・幻想曲の難易度について記す。モーツアルトのピアノソナタは、不揃いでも音を並べるだけなら頑張れば何とかやれるので、今まで何曲か挑戦してきた。
難易度評価は以下の通り
①新訂 ピアノの学習 長岡敏夫 音楽之友社 1972年
(初級1‐上級5まで15段階)
②あるピアニストの一生
(1-28まで)
③ピアノレッスンのヒント
★1つ‐★6つまで、0.1単位で評価
④ヘンレ出版社の難易度表
(1-9まで)
①の評価 易しい順に記す
中2‐中3 K485(ロンドニ長調)
中3 K280、K282、K283、K309、K311、K330、K545
中3‐中4 K332、K265(きらきら星変奏曲)
中4 K570、K547a
中5 K279、K281、K333、K475(幻想曲)
上1 K284、K331、K457、K533/494、K573(デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲)
上2 K310 K576
長岡は、モーツアルトについては、中2-中3などと細かく難易度を評価しているのが興味深い。
全体として、中級の中から上級の初めという評価である。長岡は、チェルニーの練習曲については、30番が中1-中2、40番が中3‐中5と評価しているので、モーツアルトのソナタは、チェルニー40番と並行して弾いていくという位置づけなのだろう。K545を除けば、後期のソナタの方が難し目に評価されており、実際、筆者もまだ挑戦していない。K310は挑戦してみたいが、最も難しいという評価であり、まだ無理かな。
②の評価 これも易しい順に記す。
14 K545
15 K330
16 K280、K283、K397(幻想曲)、K485(ロンドニ長調)
17 K279、K282、K309、K332、K570、K265(きらきら星変奏曲)
18 K281、K311、K333
19 K331、K475
20 K457、K576、K573(デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲)
21 K284、K533/494
22 K310
ほぼ、①の評価と一致している。K310はやはり最難関である。ちなみに②の原作者である田所は、チェルニーの練習曲の難易度については、指定の6割くらいのテンポで弾いたとして、30番が11-15、40番が14-22と評価している。チェルニー40番の難易度が、丁度、モーツアルトのソナタの難易度と一致している。
③の評価
一部の曲の一部の楽章についての評価のみ掲載されている。
詳細は省略するが、★2.4‐★3.4までの難易度、つまり中級程度となっている。
例えばK545は、1楽章★3.0、3楽章★2.4
K310、1楽章★3.2
K311、1楽章★3.4
K331、3楽章★3.2となっている。
K310の1楽章がトルコ行進曲と同じ難易度とは思えないが、どうだろう。中級でも挑戦できるということかなあ。
④の評価
易しい順に記す
5(中級中) K280、K282、K283、K309、K545、K485(ロンドニ長調)、K265(きらきら星変奏曲)
6(中級上) K279、K281、K284、K311、K330、K331、K332、K333、K475/457、K570、K397(幻想曲)、K573(デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲)
7(上級下) K310、K533/494、K576
K330をやや難しいと評価しているが、①、②の評価と大体傾向は同じである。
筆者としては、あと20年も30年もピアノが弾けるわけではないので、チェルニー40番ではなく、モーツアルトのソナタを指の練習曲として利用していこうと思っている。
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