ピアノ曲の難易度 その3 | 初老精神科医なおざう

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教員をやめ、中年で再受験して、今や初老精神科医。仕事はぼちぼち。ピアノのおけいこ、読書、お酒、その他の日常を記して行きたいと思います。

バッハの鍵盤楽器曲の難易度、今回はフランス組曲、パルティータ、イギリス組曲、平均律について紹介する。イギリス組曲に今後挑戦できるかは疑問だが、部分的には弾いてみるかも知れない。

 

難易度評価は以下の通り

 

①新訂 ピアノの学習 長岡敏夫 音楽之友社 1972年

(初級1‐上級5まで15段階)

②あるピアニストの一生

(1-28まで)

③ピアノレッスンのヒント

★1つ‐★6つまで、0.1単位で評価

④ヘンレ出版社の難易度表

(1-9まで)

 

◎フランス組曲

①では中1ー中4と、比較的難易度の幅を大きく取っている。

 

各難易度の代表的な曲の中に、一部が挙げられている。

3番:中2

6番:中3

5番:中4

確かに5番のジーグは難しい。

中1の難易度で想定されているのは2番かな? もう少し難しいように思う。

大体、インベンションからシンフォニアの間という難易度評価である。

 

②では、

2番、3番、4番が難易度17

6番が難易度18

1番と5番が難易度19

それほど差をつけていない。シンフォニア並みの難易度評価である。

 

③は記載がない。

 

④では、5番が難易度6(中級上)、それ以外が難易度5(中級中)となっている。

シンフォニア並みかそれ以上の評価になっている。

 

技術的なことに加え、各楽章の性格を把握して芸術的に演奏するとなると、それなりに難しいということであろうか。

技術的には、難しい楽章を除けば、インベンションがある程度進んだレベルから挑戦できると思う。

 

◎パルティータ

①では、上1ー上4となっている。やはり難易度の幅は大きい。

具体的に挙げられている曲では、

1番:上1

2番:上2

 

②では、

1番:21

3番、5番:22

2番:23

6番:24

4番:25となっている。

 

パルティータは上級の曲で、比較的挑戦しやすいのは1番という位置づけである。2番もいつか挑戦したいのだが、なかなか手強そうだ。

 

③は記載なし。

④では、1番、3番、5番が難易度6(中級上)、2番、4番、6番が難易度7(上級下)となっている。前に紹介したように、ヘンレ出版社では、シンフォニアの大部分が難易度5の評価だから、やはりシンフォニアよりは少し難しいということになる。

 

◎イギリス組曲

①では、中4-上3となっている。

2番:上2

3番:上3

あとの曲は個別の難易度の記載がない。中級で挑戦できる曲があるの?

 

②では、

2番:難易度22

1番、4番:難易度23

3番、6番:難易度24

5番:難易度25

中級レベルではなかなか厳しいという評価である。

 

③は記載なし。

 

④では、

4番:難易度6(中級上)

それ以外:難易度7(上級下)となっている。

パルティータと同等以上の難しさとされている。

 

中級レベルでは難しい様だが、後で、2番と4番の楽譜はみてみようかな。

 

◎平均律

 

①では、前奏曲とフーガを併せた評価となっている。中-4から上−4と幅広い。

 

中-4:1巻2、5、6、21番 2巻12、15、24番

中-5:1巻10、11、13、15番 2巻6、7、10、19番

上-1:1巻7、9、17、19番 2巻1、2、11、21番

上-2:1巻1、14、16、18番 2巻3、14、16、18番

上-3:1巻3、8、22、23番 2巻4、5、8、20番

上-4:1巻4、12、20、24番 2巻9、13、17、22、23番

 

シンフォニアレベルから挑戦できる曲もあるが、難しい曲はとても難しいという評価である。

 

②でも前奏曲とフーガを併せた評価である。

 

難易度19:1巻10番、2巻6、15番

難易度20:1巻2、5、6、11、21番 2巻7、12、19、20番

難易度21:1巻9、13、17、22番 2巻1、2、21番

難易度22:1巻1、3、7、14、15、16、18、23番 2巻3、4、9、11、13、24番

難易度23:1巻12番 2巻5、10、16、17、18番

難易度24:1巻4、8、19番 2巻14、22、23番

難易度25:1巻20、24番 2巻8番

 

ほとんどの曲で①と評価は一致しているが、シンフォニアと比較すると①よりもやや難しいと評価している様である。

 

③前奏曲とフーガで分けて評価している。

1巻

1番前奏曲:★2

1番フーガ:★3.4

2番前奏曲:★2.6

2番フーガ:★3.4

6番前奏曲:★2.3

6番フーガ:★3.5

10番前奏曲:★3

10番フーガ:★3

21番前奏曲:★2.2

21番フーガ:★3.5

となっている。

難易度としてはシンフォニアレベルで挑戦できる曲を紹介しているが、1番のフーガだけはどうだろう。2番のフーガよりかなり難しいと思います。

 

④前奏曲とフーガを別々に評価している。

 

前奏曲

難易度2(初級中):1巻1

難易度4(中級下):1巻6、8、9、12、13、14、15、17、22、23  2巻12、

難易度5(中級中):1巻4、10、11、16、18、21、24 

 2巻1、2、3、6、7、9、14、15、16、17、20、22、24

 

難易度6(中級上):1巻2、3、5、7、19、20  2巻4、8、10、11、13、18、19、21、23

難易度7(上級下):2巻5

 

フーガ

難易度4(中級下):1巻10

難易度5(中級中):1巻2、5、6、11、13、14、17、18、21、22、23  2巻1、6、7、9、12、15、21

難易度6(中級上):1巻1、3、4、7、8、9、12、15、16、19  2巻2、3、5、11、18、20、24

難易度7(上級下):1巻20、24  2巻4、8、10、13、14、16、17、19、22、23

 

①、②に比べると、2巻の難易度を高く評価している。前奏曲とフーガを分けているので、これはこれで利用価値があるのかな。平均律は、少しずつ、難易度の低い前奏曲から挑戦していくのも良いと思う。

 

バッハの曲全体としては、

インベンション≦フランス組曲≦シンフォニア、平均律の易しい曲<パルティータ、イギリス組曲、平均律の難しい曲

ということになる。

 

当面はシンフォニアの復習と平均律の前奏曲をやるか。