昔の風習 「初絹」 | naosukeのきままなブログ

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和物好きな、服飾系店番人の日々の気づきや発見、さまざまなことを気ままにつづっています。
くいしんぼうなので、食べ物にも興味深々(p_-)

「初絹」という昔の風習


昔の写真などを見ると新年初納品の
トラックには「初荷」や「祝・初荷」
の幕がありますね

私も見た事ある様な無い様な、年齢
的には間に合っている気もしますが


呉服業界では「初絹」と言って新年

はお得意様に胴裏をお渡ししてい

たそうです


新年の挨拶周りでお渡しする印象で
すが百貨店では年末に発送していた
そうです


しかし、これは御礼の品では無くて
納品、つまり掛売だったそうです。

まさに初荷になる訳ですね


着物中心の生活では胴裏は必需品

ですから注文しない胴裏が送られて

きてもいづれ使うのですから無駄に

ならない訳です(しかも複数のお店

から届きます)


ですから仕立ての時はお客様から

この初絹の胴裏をお持ちになる場合

が多かったのです


赤坂福田屋では祖父の考えでこの

初絹はしていませんでした



この習慣も呉服需要の減少とともに

なくなった様で、ここ数年は聞く事も

ありませんでした


先日、お仕立てでこの初絹をお持ち

頂きました


何年も前の物だそうで、その呉服屋

さんも今はないそうです

懐かしい様な、寂しい様な・・・