ちょっとショートショート | Coo、いつも一緒ね ~ FUN LIFE, WAHO LIFE ~

Coo、いつも一緒ね ~ FUN LIFE, WAHO LIFE ~

毎朝窓から安曇野の景色を眺めていたCoo。
2021年6月6日 17歳11ヶ月と19日。天使になりました。
そんな雑種犬Cooのワホワホつぶやきと、想い出日記。

毎朝、おひさまに向かっておはよう!気持ちをリセット!    
さあ、今日も楽しくいくよ~

すみません、本日業務の関係で夕方記事は蔵出しですが、、

せっかくなので調子に乗って(笑)ショートショート2回目いっちゃいます~

これは古い時期のものですが、恥はかき捨て。まあいいか、と言うことで

 

<いぬになりたかったキツネ>

 

パーン!

遠くで鉄砲の音が聞こえます。

「みんな、ほら、深く潜って隠れて!」

お母さんキツネが子供たちに声を掛けます。

雪の中、更にその下の松の枯葉の中にひっそりと息をひそめる親子たち。

眼の前に犬がクンクンと匂いを嗅ぎながらやってきます。

一番上のお兄ちゃんキツネは一瞬犬と眼が合いました!

 

 

怖い!捕まる!そう思ったのものの、犬は何故か少し羨ましそうな色を瞳に浮かべて

立ち去りました。

助かった。。。!枯れた松の葉が体にちくちく刺さります。

妹キツネが「痛かった・・」と小声で囁きました。。

 

 

よく我慢したね。お母さんキツネに体を舐められて、安心している妹キツネ。

 

怖い思いをする冬がやっと過ぎて、やがて春になりました。

仲間のキツネたちは沢山狩猟で命を落としてしまった。

咥えていく犬は凄いな。人間と一緒にいるから、とっても強いんだ。

ボクも犬になりたい。。そうだ、犬になればこんな怖い冬はなくなるんだ!

 

 

お兄ちゃんキツネは来る日も来る日も、、、そう、犬の鳴き声の練習をしました。

やがて、「コーン!」は「ワオーン!」という声に。

やった!犬の鳴き声をマスターした!これでボクはきっと大丈夫!

そんなお兄ちゃんキツネをお母さんキツネは心配していましたが。。。。

 

やがて時は過ぎ、また鉄砲の音がこだまする季節になりました。

鉄砲の音と共に人間と犬の足音が近づいてきます。

慌てる兄妹。

松の葉の下に隠れる時、妹キツネが「痛い!」と鳴いてしまいます。

聞きつけた、人間たちが走ってきました。

 

間一髪でお母さんと妹は雪の中に入りましたが、お兄ちゃんキツネは。。

逃げ遅れた!やられる!

その時、お兄ちゃんキツネは「ワオーン!」と鳴きました。

人間が近寄ってきて、「おや、迷い犬か?」

お兄ちゃんキツネは「クンクン。。」と一生懸命犬の鳴きまねをしました。

人間のそばには、去年眼の合ったあの犬が。。

 

犬が人間に何かキュンキュンと訴えます。すると、人間は

「よし、家に連れて帰ろう。狩猟犬は一匹でも多い方がいい」

こうして、お兄ちゃんキツネはお母さんと妹と別れ、犬として生きることを選んで

人間の後をついていったのでした。

 

お兄ちゃんキツネは「フォック」と名付けられます。

尻尾がとても太くて、狐みたいな犬だから、、と。

そして、狩猟犬としての毎日が始まりました。

 

 

先輩犬の名前は「ウルフ」。

「オオカミに似ているからじゃないぜ」ウルフがフォックに言います。

オオカミみたいに獲物をしっかりと狙って確実に仕留めるんだ。。。

そう言い聞かされてウルフって名前になったんだ。

飼い主のそばにいるけれど、俺は本当は嫌なんだ。

仕留めていても、辛いんだ。

キツネたちは、親や兄弟と引き離されて、食べられて、毛皮も売られて、、

「だから、あの時、お前を見逃したんだ。」

俺は生まれてまもなく、母犬から引き離された。母犬の匂いは覚えていないんだ。

すぐに四角い箱に入れられて、ここに来たんだ。

だから、親子で一緒にいたお前が羨ましくてさ。

でも、俺も人間に食べさせてもらっているからな。。言うことは聞かなくちゃ。

 

そう寂しく笑うウルフ。

でもフォックは「こんな暖かい場所で、美味しいご飯もおなかいっぱいで、、こっちの方が幸せさ」と

心の中で思っていたのでした。

人間が撃った動物たちを仕留め、一番真っ先に人間の足元に持っていくフォック。

人間に「よくやったな」と頭を撫でられ、ご満悦の日々でした。

 

やがて春が来て、夏が来て、秋が来て、また狩猟のシーズンがやってきました。

フォックは今は一番の稼ぎ頭。常にウルフよりも先頭に立ち、狙いを定めます。

ウルフよりも小さい体でも、誰より大きいその耳で、いち早く音をキャッチし獲物を仕留めます。

 

その時です。

「いたぞ!狙い撃ちだ!ウルフ、向こうから回れ!フォックは横から行くんだ!」

人間が鉄砲を構えて、震える影を狙います。

その時「コン。。」懐かしい声を聴きました。

あ!妹の声だ!一瞬にしてフォックはわかりました。

眼の前にはお母さんと妹が人間の標的になろうとしていたのです。

 

この時の夏は暑すぎて雨も降らず、森の木の実も草たちも枯れてしまい

お母さんも妹もほとんど食べられなかったのか、やせ細ってふらふらでした。

一瞬、立ち止まるフォック。ふと見ると、ウルフも立ち止まっていました。

人間が叫びます。「ウルフ、早く噛みつけ!早く襲え!」

それでもウルフは動きません。

業を煮やした人間が「もういい!」引き金をウルフに向かって引きました。

ウルフが雪の中に消えます。

「役立たずめ!」

人間の声が響き、そしてまたキツネ親子へ銃口を向けます。

 

「ぱーん!」

「コーン!」

 

どっちの音が、声が先だったのか。。。

お母さんキツネと妹キツネが隠れると同時に宙を舞うフォック。

お母さんと妹を助けるため、あんなに練習した犬の鳴き声でなく、キツネの鳴き声で

二匹を助けたフォックは

「ああ、ウルフの言っていたことは本当だった。ボクは。。。」

宙を舞いながら、フォックは親子で過ごした楽しかったキツネの自分を思い出し

そのまま、倒れているウルフの側まで落ちて行きました。

 

 

人間は何を思ったのか。。。銃は腕から零れ落ち、雪の中へ。

人間は拾おうともせずに、うなだれながら、そこから去っていきました。

落としていった鉄砲の上には雪が深々と降りつもっていきました。

動物たちの命を散々奪った鉄砲は雪の中で錆びて朽ちて行きました。

 

 

 「うう~ん!」フォックはふと目を覚まします。

「お兄ちゃん!」眼の前には妹キツネ、そしてお母さんキツネ。

向こうにウルフも見えます。

「みんな、無事だったのか!」フォックは起き上がろうとしますが

「痛い!」フォックの大事な大きな耳はお母さんキツネと妹キツネを庇った時に

弾が当たり片方失われていました。

 

ウルフが言います。

「俺も大事な足を撃たれて。。雪がどんどん頭に積もってきてさ。

天使が見えたんだその時。でも天使だと思ったのはお前の妹だったのさ」

ウルフもフォックもお母さんキツネと妹キツネに助けられたのでした。

「俺も、もう自分勝手な人間の顔色をうかがうのは嫌なんだ。ここにいてもいいか?」

「ボクこそ。。。勝手に二人を捨てたのに。。。お母さん、一緒にまた暮らしてもいい?」

お母さんキツネはにっこりと、「もちろんですよ」と言いました。

 

やがて長い年月が経ち、彼らの住むこの森は伝説となって、人間の近寄らない森となりました。

優しい動物たちが安心して命を営める場所となったのでした。

 

 

もし、身近にこんもりとした森があったら。。。

そこはきっと、フォックたちが楽しく暮らしているところかもしれません。

だから、そおっとしておきましょうね。彼らの幸せを願って。

 

おしまい。

 

なんかタイトルが<いぬになりたかった>とかありきたりで、

捻りのないショートショートでした。

良いタイトルないですかね。。。

 

星星 ありがとワホよ 星星

 

昼記事でコメント欄開いていますのでこちらは閉じておきますね。

 

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皆さんと皆さんの大切な家族が明日も穏やかに過ごせますように。

 

恒例の遅延コメント返答ですが、

業務多忙の為、申し訳ありませんが本日はお休みです。

昨日の 夕方記事Cooのお出掛け  には今夜返答予定です。

またお時間のあるときに覗いてみてくださいね。

 

本各地の被災地の皆さんが1日も早く心からの笑顔を取り戻せますように。

頑張っているCooの友達が明日も元気に穏やかに過ごせるように。

病で闘う皆さんが笑顔で明日も過ごせるように。

安曇野から今日も明るく願います。