劇団MONA 舞台「神様からの贈り物」2023年春公演の感想ブログ | MONAサポなおきぃの文字あふれブログ

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Twitterでは書ききれないこととか、
ちょこちょこっと不定期で。

こんにちは♡

 

なおきぃです。

 

お久しぶりのブログとなってしまいました。

4月28日-30日に公演があった舞台「神様からの贈り物」(以下、略してカミオク)の感想を綴りたいと思います。

 

 

 

毎度毎度、長くなる傾向がある舞台の感想ブログですが、今回は特に長い‼️

もうね、読んでいただくことにも覚悟が必要です(笑)

そして、これも毎度のことですが、※激しくネタバレを含みます※

どうかご了承くださいませ。

 

それでは、よろしいでしょうか。

 

新生カミオクについて

まず、総評と言いたいところですが、今回のカミオクについてちょっと思うところがありまして、そこをお伝えしたいのです。

今回の10人のキャストでの公演が発表されたあと、どこからともなく、『〝新生〟カミオク』という呼ばれ方が起こっていました。

僕は、これに非常に違和感を感じていて、ツイートなどするときも、一度も使ったことはありませんでした。何が新生なんだろう?って。

 

確かに2020年1月に全国公演が終わって一旦解散となったABCの3チームがあり、その後、Zoom公演を行ったあとにコロナも落ち着いて昨年3月に公演されたことが〝復活〟だったのは理解しています。

ただ、それから1年後、キャストが変わって公演されることが果たして〝新生〟なのか?伝えたい軸の部分・幹の部分は全くブレていないのであれば、また、その矜持が正当に継承されているのであれば、新生って呼ばれる作品ではない気がして。

まぁ単に、世の中にある「新生〇〇」って言葉の印象が一発屋っぽかったり、それが本当に最後になったりすることも多いから、嫌だったってのもあるんですけどね。

 

だからあえて、「え?今回で終わりじゃないよね?もちろん続くんだよね?」っていうプレッシャーも掛ける意味で(笑)、『神様からの贈り物 2023春公演』とあえて呼ばせていただいています。

 

総評

これまで僕は、10人✖3チームで回った全国公演、テディやテルプ・アフロディーテがいた「ごちゃまぜ公演」、Zoomを駆使してナレーションも入った「リモート公演」、そして総勢19人で行われた昨年の「復活公演」と、全13公演を観てきたんですが。

〝今回3日間5公演をこの10人で届けます〟と発表があった時、最初に持ったイメージは、一番カミオクの中心部分がダイレクトに、濃く、クリアに伝わるんじゃないか?という期待を持っていました。

 

10人のキャスト発表があった時点のその期待値を100とすると、初日の公演を見終わった時に既に100以上、倍の200?それ以上あった気がします。

初日を見た感想としてこんなツイートをしていますが、まさにその通りでした。

全くスーツケースの大きさを見誤りました(笑)

 

 

2日目・千穐楽も観させてもらって、沢山の気づきがありました。

セリフがキャストの皆さんの言葉になり、演じるそれぞれの役の人物の言葉になり、その言葉の裏側に潜んでいる本当の意味や意図が、その人物の表情や仕草からも汲み取れるようになっていること。

おかげで、笑えるところは心から笑って、泣けるところは心から泣いて、嬉しいところはその人物と同じように喜べて。全てのシーンで全ての登場人物の気持ちに寄り添って喜ぶことが出来た気がします。

あるときはゴールドライトカンパニーの星野組の横の島に座ってるサラリーマンの気分で、またあるときは天空の授業を受ける生徒の一人になった気分にもなってたんですよ。

凄く幸せな3日間でした。

本当にお疲れ様でした。

また最後の「まとめ」でお礼も伝えさせてください。

 

登場人物と演技、セリフについて

ここからいよいよ全キャストの皆さんの演技に関する感想です。

テクニカルな部分だけじゃなく、感情の部分にも触れられたらと思います。

また、事前にお稽古見学させていただいた際に、好き勝手に「こんなところ工夫したらいいんじゃない?」みたいなことも伝えさせていただいたのですが、その辺についても書きたいと思います。その時にお伝えした内容はこちらです。(もう時効だからいいよね💦)

 

 

なお、最終日にお渡ししたお手紙に、初日と二日目の感想をちょっと付けてお渡ししていますし、公演後に既に配信で感想を伝えたりしちゃってて、手紙や配信コメントで伝えた内容と重複している場合があります。以下、砕けた口語口調で書かせていただくこととも合わせてご容赦くださいませ。

 

二階堂涼介(八上和之) 役 哲誠さん

いや、初主演・初座長。いち観客の僕には計り知れないとんでもない重責とプレッシャーを感じた稽古期間とこの三日間だったと思うけど、本当にやり切ってくれましたね。

本当にお疲れ様でした。

涼介の演技で難しいのは、「落胆」と「焦り」だと思うのですが、目の色が淀んで焦点も合わず血の気が引いた顔で自分を見失っている涼介や、ミッションに焦り、茜に焦り、麗華に焦る仕草や動きは本当にお見事でした。

主役だから、他のキャストの皆さんとの掛け合いや、すり合わせはもちろん、自分自身に向き合って落とし込むこともものすごく膨大な量だったと思うけど、5公演ともその素晴らしい試行錯誤を経て、全ていい効果として表現やメッセージそのものに詰め込んでいてくれていたと思います。

僕が好きなシーンで、哲誠くんの役者として本領発揮されたと思うのは3つ。

 

  • ウエストレイクランドから帰ってきて祝杯上げるシーンで、ふと自分を見つめて自殺者更生プログラム中の自分がこんなに楽しんで恋をしていいのかな…って躊躇や苦悩を表現するところ。
  • 病院で自分の本当の気持ちを茜に告白するときの痛みを覚悟した表情。
  • フリー演技のシーンで、茜との出会いを〝人生の贈り物〟と表現した時の表情。

 

僕を含めた観客を、強烈にぐっと引き込んでいたと思います。

 

 

山元茜 役 原知慧さん

ちーちゃんは既に主演女優をダメ女でもロミジュリでも演じてるし、アーティストとしての表現力もベースにあるから、とにかく〝気持ちを表す力〟に秀でてるなぁって思って観てました。

特に表情や手の使い方が上手い!喜怒哀楽の4種類はもちろん、驚きや憂い、焦り・照れ・緊張・平然も。

口角を少し上げたり、眉間にしわをよせたり、目を見開いたり。前に組んだ手をもじもじしたり、指だけが動いたり。細かいところを見てただけじゃないのですが、全体を見ていても、「あ、この子は今こんな感情なんだ」ってことがセリフ以上に汲み取れる絶妙の名演技だったと思います。意識的にやっているところも無意識にそうしているところも両方あると思うのですが、その全てが凄かった。

そして、もう一つは別の演技脳の良さ。

早着替え直後のウェストレイクランドでの待ち合わせに駆け付けた時、一つの公演で涼介がセリフを甘噛みしたんですよね。それを受け流すでもなく、言い直させるでもなく、「何焦ってるんですか?ほんとにもう!」っていうぐらいの軽めのツッコミレベルの拾い方をしたり、あるときは間違って麗華との仲直りのシーンで自分のバッグを持ったまま明転してしまい、演技しながら先の握手のことを思い出してさりげなくバッグを置いたり。凄いなーって思ってました。

僕が好きな茜ちゃんのシーンで、ちーちゃんの演技が光るシーンもいっぱいあるのですが。

 

  • 菜月との電話のシーン。二階堂という名前が出てあからさまに動揺する表情。
  • 一ノ瀬との絡み。告白された時の困った顔と仕草や寿司屋に連れていかれるときの「二階堂さん…」も。
  • 涼介を待つオフィスで、星野先輩の前で落ち込んで元気がない茜の姿の表現。

 

その他にもいっぱいあるのですが、やっぱり、本気の本気の本気で・・・のとこは〝言われたい…〟と思ってしまいました。

 

 

SHINGO 役 やまもとゆういちさん

一言で感想をお伝えするとすればこれに尽きます。

「劇団MONAとして迎える初めての客演がゆういちさんで本当に良かった。」

格段に安心して見ていられたのは、これまでの舞台経験で培われた間(ま)の取り方が武器になってるからでしょうか。

涼介と神様としか絡みはないのですが、(星野先輩と麗華ともちょっと絡むけどそれももちろん、)立ち位置の間の取り方、掛け合うセリフの間の取り方、SHINGOの一人語りの言葉と言葉の間の取り方。その全てが凄かった。

もう一つ特筆すべきは、言葉の発し方の種類の豊富さ。

腹の底から大声で発する言葉、言い聞かせるように優しく話しかける言葉、吐く息に乗せて絞り出すように話す言葉。これら〝演技の語り〟に加えて、ひときわ、普段の会話がなんともナチュラルで、だからこその感情の強弱が明確に伝わったように思えます。

表情や仕草も、5公演で違いを作る言い回しもすっごく楽しかったし感激しました。

舞台上に落ちた羽を演技中にさりげなく拾ったりするところも見どころでした。

SHINGOの好きなシーンも3つ挙げますね。

 

  • 度肝を抜かれたバック転での登場シーン。2公演目からは「くるぞくるぞ!」って思ってました。
  • アドリブもあった2度目のタイムリセット。効果音やピンスポのことを言ってもらえて裏方さんも大喜びだったんじゃないかな?(笑)
  • 下手で神様とのやり取り。あそこでSHINGOが本当に必要なミッションの意味に気づくから、その表情の変化を凝視していました。

 

本当にありがとうございました。何のお礼もできませんが、もし次SHINGOやるときがあれば、客席から涼介を引き留めておくので、どうぞシャワー覗きに行ってください。(笑)

 

 

神様アダン 役 川森萌可さん

まず、2週間前までほとんど喉がつかえなくて声が出なかった萌可ちゃんが、この3日にきちんと間に合わせたのは流石です。現状から考えず未来から考えた証拠ですね。ミッション達成おめでとう!

過去のカミオクと比較するわけではないのですが、個人的には一番好きなアダンでした。

セリフが走りすぎることなく、一言一言を丁寧に、涼介(八上)にも観客にも教えてくれた冒頭のシーンや、ミッションを達成するために必要なこと・残りのミッションを達成するために必要なことを聞かれた時に伝えるメッセージもそうですが、とにかく大事なメッセージがめっちゃ沁み込みました。1公演だけでも相当沁み込んだので、全公演観させてもらって何重にも自分の中に落とし込めた気がします。

神様登場のシーンで好きなシーンはこの3つです。

  • 現状から考えず、未来から考える。調子に乗らない、謙虚にねって言うセリフ。この時の丁寧で優しい口調が、その後のSHINGOの言葉とも相まって、ズドンと胸に刺さりました。
  • 「彼は君のミッション達成するための道具じゃない」っていうセリフ。印象的なこの言葉ですが、僕はその直前の「念押しで言っとくけど」って時に、〝いたずら好きのアダン〟の表情がぱっと消えて、〝真剣にSHINGOに意志を込める神様〟の顔になる瞬間が堪らなくなってました。
  • ソアンとのワチャワチャシーン。後ろのゆきっちゃんのとこでも書きますが、ここのマブダチ感が本当に極まってました。休憩の時・ご飯の時・お昼寝の時、いつも一緒にいるんだろうなーっていうことが容易に想像できる素敵な関係がしっかり見えてました。

 

 

 

伊集院麗華 役 吉田莉多アシュレイさん

アシュレイの麗華はズルいくらい魅力的で可愛くて綺麗で、本当に素敵な好演でした。

前半の麗華の〝自分中心〟〝我儘〟といった部分。

セリフの中からだけじゃなく、目線の使い方、まばたきの使い方、あごの使い方、歩き方、手の使い方からも沢山滲みでていて、本当にずっと麗華のことを考えて試行錯誤して準備して本番を迎えたんだなぁってことが伝わりました。

〝麗華推し〟の僕が5公演ともガン泣きした茜との和解のシーン。

本来なら、「私を振った」涼介から「謝ってくれ」って言われて素直に謝るはずがない麗華の心の中の固く冷たい殻が、茜の態度や言葉によって、少しずつ剥ぎ取られて溶けていく麗華の心理描写は本当に見事で、本当に胸を打ちました。

あれは「形だけ謝った」わけではもちろんないし、かといって「一瞬で改心した」というほどくっきりした変化でもない。本当にじわじわっとグラデーションで。

ファイルをわざと消した事実を告白するときの、未だ強い言葉で言い寄ろうとする表情や、その言葉とは裏腹に、自分の腕を強く握る手には強く恥じている心情が現れていて、その苦しみも確かに伝わりました。

その他にもこんなとこもアシュ麗華の好きなポイントでした。

 

  • 星野先輩と茜のやりとりを見て、「あの子ばっかり…」って目線を落としてふてくされる表情。
  • 後半の涼介が出て行った直後の茜とのやり取りでの茜との距離感。
  • あとはやっぱり、今回の舞台で生まれた名言「ニカイドウキュン♡」

 

 

 

一ノ瀬翔 役 江口史恭さん

史恭君の一ノ瀬を魅せてもらったのは何公演目になるんでしょうか?

今回の10人の中で唯一の〝10人のカミオク経験者〟であり、〝同じ役を演じ続けている人〟。

その経験が〝適度に〟活かされていた今回のカミオクだったと思います。

もし、過去のカミオクをなぞりたいだけであれば、よもや史恭君がプレイングマネージャーとしてガンガン演出を付けて稽古をすることもできたと思います。

配信で史恭君自身も話してくれてたけど、他の9人と一緒に創りあげる今回のカミオクに、過去のカミオクの経験というバイアスは掛けずに、あくまでもフレッシュに、クリエイティブさを最優先とした立ち位置を全うしてくれたように感じました。

一ノ瀬自身も野心や嫌な部分を控えめにして、むしろ茜ちゃんに対する恋心の部分などは人間臭さもあって、いい男感が引き立ったように思います。

史恭君、そりゃずるいわ。っていう表情を何度も観ることが出来ました。

こんなシーンもGJでしたね。

 

  • 5公演中1公演だけ、訪ねてきた茜のかばんに資料が入ってないときがあって、とっさにエアでやり取りしたところ。まさに「とっさのトラブルにも対応してた!」
  • 茜ちゃんへの告白のシーンで肩に手をのせるとこ。タイミング次第では強引さも出てしまいそうだけど、決して力はいれず、振り払われてもおっかけないとことか、いいねぇ〜って思ってました。

 

 

 

大原菜月 役 有里沙さん

たぶん、2021年1月に公開されたWebドラマ「Hey!Taxi」の第7話に出演された有里沙ちゃん(謎の女レイナ役)の演技しか知らないファンの方も多いんじゃないかな?

実はさらに1年前の2020年2月8日‐9日のラストメロディの舞台にもゲスト出演されているのです。この時の舞台の感想ブログは、その後にDVD発売があるということで書けていないのですが、改めて声を大にして言いたい。

「あのゲスト出演の占い師役を観たときから、この女優さんはもっと舞台に出るべきって強く願って、有里沙ちゃんご本人にもスタッフさんにも言ってたし、ね~っ!言ってた通り期待以上の好演を魅せてくれたでしょ!」って。

本当に嬉しかった。絶対観たかった女優さんだから、大原菜月という、ヒロインに寄り添う大切な役を演ってくれて本当にありがとうでした。

有里沙ちゃんの演技の凄さは、その人物がそういう性格でそういうシチュエーションなら必ずこんな顔する、こんな仕草をする、こんな言葉を口にする(もちろんセリフなんだけど)が、極めてナチュラルなところです。演技の勘の良さが際立った人だと思います。

その証拠に、4/2のお稽古見学の時、既にもうオーラは茜ちゃんの大親友モードになっていて、それを感じて、僕自身嬉しくて泣きそうになって見学してました。

有里沙ちゃんの菜月の好演はこんなところにも。

 

  • 二階堂と麗華が外を歩いている姿を目にして発狂して茜に報告しに来るあの焦り具合。
  • 相談を聞いてあげたお礼に「コーヒーおごって~」と茜におねだりするアドリブ。
  • 茜からの電話を受けたとき、茜を茶化しつつ一転して「でも、茜。私はそれに対して口出しできない」と伝えるときの表情の変化。その相談が終わって、暗転が始まっても口を動かして話し続けているさまを表した演技も凄かったよ。

 

 

 

星野陽子 役 大西亜依さん

あいぽんの舞台出演。ラスメロの初演技の時から注目していて、ロミジュリのチーキャピュに選ばれた時も嬉しかったけど、やっぱりしっかり感情表現ができるセリフの量や登場シーンがあるカミオクへのご出演は別格に嬉しかったです。

しかも星野陽子先輩でしょ?

キャスト発表の時から、一体どんな星パイになるんだろうって、ずっとワクワクが止まらなかったんですよね。

お稽古見学の時も、既にかなり星パイになってたし、あとは磨き上げてくれることを期待するばかりで本番当日を迎えました。

もうね、大ファンになりました。手紙に添えた感想には「星野陽子さんとお付き合いしたいです」とまで書きました。

亜依ちゃんのスタイルの良さ、綺麗なウォーキング、椅子に座った時の姿の綺麗さなど、醸し出される星野陽子の雰囲気に活かされた容姿の部分と、手の仕草・目線の配り方やスピード・セリフを発するときの声の強弱の付け方、掛け合いの間の取り方も、いかにも星野先輩そのものだったと思います。

これは勝手な想像ですが、ゆういちさんの演技の技術的な面をインスパイアして取込んだ部分もあったんじゃないかな?

本当に素敵な先輩が確かにそこにいました。

前述のお稽古見学の感想noteに書いたこと、全部期待以上に実践してくれていて本当に嬉しかったです。

あいちゃんの星パイの好きなシーン・セリフはこんな感じです。

 

  • アフターイベントでも言ったし、お手紙でも書いたけど、結構前半のシーンにある視察行きを断られた茜ちゃんに投げかける「なんかあった?」っていう一言。カバンに目線を落として帰り支度をしながら茜に投げかけるあのさりげない一言が、先輩としての優しさを表現していて、グッときました。
  • あと、演技とは直接ちがうけど、各公演で衣装を変えて目でも楽しませてくれたこと。複数の公演を観る観客の気持ちにも気を配ってくれて嬉しかったです。
  • これもマニアックだけど、星パイが会社で椅子に座ってお仕事をするときや、座ったまま話しかけるとき、靴一個分左足を前にずらしている座り姿が綺麗すぎました✨

 

 

 

ソフィア先生 役 山下友羽里さん

うりちゃんは念願の初舞台。

僕も個人的にずっと舞台作品へのご出演を願っていました。

10人のキャスト発表の時から嬉しかったし、ソフィア先生ってことはカーテンコールで先頭で出てくる役だってことにもすぐ気づいて、千穐楽でスタンディングオベーションで迎えたときのうりちゃんの表情を想像しただけで目頭が熱くなるほど、このご出演もこの公演の幕が上がる日も全部楽しみだったのでした。

リアルで保育園の先生をしているうりちゃんだからこそ、演じられるソフィア先生という役に込められる想いや、教え子に対する愛情や慈愛の気持ちには本当に現実感があって。セリフだけじゃなくその振舞いや表情に全て現れていた気がします。

その証拠に、アダンとソアンだけじゃなく、観客の全てが天空の生徒になった気分だったと思います。

だから、もはやテクニックの域を超えていたのですが、二人の顔を覗き込んで語る部分、目線をあえて外して語り、ぱっと振り返って二人に印象付ける部分、観客を見渡しながら語る部分など、ソフィア先生の目線が作るそのシーンというものは唯一無二だったように思います。

うりちゃんのソフィア先生の好きなセリフはここ。

 

  • 今回追加された「報われることを努力する」という言葉、胸に突き刺さりました。
  • アダンとソアンに何度も投げかける「考えてみて」という促しの部分も好きなところ。ティーチングじゃなくてコーチングの大事さも実感する部分です。
  • 千穐楽の最後のソフィア先生のセリフのシーン、うりちゃんの目から涙が零れる本当に寸前だったと思う。その表情も目に焼き付いて離れません。

 

 

 

 

ソアン 役 堀井雪乃さん

最終日にお渡ししたお手紙に、初日と二日目の感想を添えたのですが、あえてあの言葉を贈りました。「女優・堀井雪乃は間違いなくカメレオン女優」ってこと。

この本番の公演を迎えるまで、ソアン像を創りあげることは本当に大変で大きな壁もいっぱいあったと思うけど、幕が上がったら、あのだれしもが納得のソアンでしょ?弾け方も可愛さも、やんちゃな部分も全部、女優・堀井雪乃の新しい引き出しに収められた色だったように思います。

アドリブも多いし、1公演目より2公演目、初日より2日目、2日目より千穐楽へって、もっともっとって貪欲な工夫も沢山あって、その憑依されたソアンの色がどんどんゆきっちゃんを侵食していると思うほどの入り込み度だったようにも思います。

僕が好きなソアンはこんなとこ。

 

  • ちーちゃんもアフタートークで言ってたけど、「なんでぇぇぇぇ」のところはほんとに好き。
  • そばかすメイクやイヤーアクセ・髪飾りの変化、舞台前に飛び出してきたり、いきなり前作のアダンの杖を持って現れたりっていう破天荒ぶりのアレンジもお見事でした。
  • 最後の最後にアダンに「ソアンちゃんと一緒ならどこでもいいよ」って言われた時の、MAXくしゃくしゃの笑顔と、「僕も!」って照れながら叫ぶあの時の表情はたまんない。その二人を観ているうりちゃんのソフィア先生の表情も含めて大好きな一コマです。

 

 

 

ね、凄く長くなったでしょ?(笑)

それにしてもまだまだ伝えたい沢山の名場面・名セリフ・名演技があります。

今回の10人に共通して言えることは、演技脳のレベルがかなり高いってことかなぁ。

観客の胸に届いて初めて完成するのが舞台だから、決してやりっぱなし投げっぱなしにならないように細かいところまで妥協せずにつきつめてきたことがしっかり伝わる名シーンばかりでした。

 

前説について

あ、前説についても。

各公演、3人〜5人のキャストの皆さんが、もちろん公演前に、舞台衣装じゃない装いで、しかもコーデを揃えたりして、工夫して幕前の会場の雰囲気を温めてくれました。

楽しかったとは言ってくれてたけど、準備もまぁまぁかかるだろうし、段取りもあるから大変だったよね?

本当にお疲れ様でした‼️

めっちゃ楽しかったよ〜ニヤリ

 

千穐楽前の前説風景

 

 

監督・脚本・演出について

次に監督さんやケバブ大吾さんの演出、脚本について。

新たに改訂が入った天空シーンの脚本。本当にステキでした。

細かな言い回しや投げかけが加わって、アダンとソアンと一緒に授業を受ける気分になりました。

もうひとつ、セリフを前のカミオクと比べては無いんですが、最後の二階堂と麗華の掛け合いのシーン、「あそこメール嫌うんだ」の次のセリフも、「若い子」から「新人」に起きかわってたんじゃないかな?

多様性も意識して、細かく校閲が入っていた気がしました。

監督さんのギフト(ご指摘)は、お稽古Zoomの時に初めて聞くことが出来たのですが、細やかな気配りと、求めるキャラクター像の内面を、キャストの皆さんとシンクロさせるためのご指摘に溢れていて、とにかく一言一言に痺れました。是非一度、直接対談させて欲しいくらいです。

そのお稽古見学のZoomの時、コメントする機会を頂いて、偉そうにこんなことを伝えました。

「監督さんからギフトを頂くお稽古という事でしたが、頂いたのはギフトそのものではなくて、そのギフトを探す宝の地図だったり、ギフトの箱を開けるための鍵なんじゃないかな❓これから本番までのお稽古で、10人でそのギフトを見つけて、たくさん手に入れてください。舞台の上から沢山届けてくれることを楽しみに待っています。」

 

舞台本番を観て、確かにたくさんのギフトを手に入れられたことも認識できましたし、そのギフトを全公演で、ぼくら観客にも抱えきれないほど届けていただいた気分です✨

 

 

照明・音響について

今回も、どうしても触れたかった照明効果と音響のお仕事。

客席後方上の隙間から覗き込むような角度で、完璧にノーミスだったんじゃないかな。

まず照明は、ラコルトの和泉さんの拘りも感じました。

決して大きくない今回の会場で、これだけの設備を使うの?ってくらいの照明の数。

特に感情を揺さぶられたのは、幕間あけ一発目の一ノ瀬のシーンと、涼介が墓前で懺悔するシーン。

あの下手上部からの斜めのライティング、一ノ瀬の時は鋭いエッジか効いた効果を、墓前のシーンでは、なんとも言えない心情の弱さを引き出されてましたよね。

音響・PAの有元さんのお仕事も見事でした。

タイムリセットのシャキーン、くるんと回るシーンの音とか、キャストがキュー出ししてるん?ってくらい、バッチバチにハマってました。

君は君をやめないでや最後の神様からの贈り物のスイッチを入れるときはやっぱり気合が入ったりするのかなーとか色々気になるところもあります。

個人的には、麗華と涼介が腕組んで歩いてたと菜月が茜に伝えた瞬間に流れる音がいつもショックを煽ってくれて、「もー。辛いー。。。」ってなってました。

お二方には、公演の後、会場を後にする時に振り向いて少しだけ拍手させて頂きました👏👏👏👏

エンドロールがない舞台だからこそ、できるだけ多くの方にこの裏方の皆さんの〝成功させて当たり前の高難度のプロの仕事〟を賞賛していただきたいと思っています。

 

 

キャラクターイラストデザインについて

今回も、カミオクといえばMIHOさんのイラストですよね。キャストの10人をモチーフとして描き下ろされたイラストは本当に素敵でした。

30日まで延長されたのに、千穐楽から帰ってきて爆睡して注文しそびれたことが悔やまれます💦

フライヤーは綺麗なままラミネートにしてタカラモノにさせてもらいます‼

 

 

アテンド・会場について

今回もスタッフの皆さんにはお世話になりました。スムーズな客いれ客だしはもちろん、細かな質問にも対応してもらって本当に快適に過ごさせていただきました。

すっかり顔なじみに思っていただいていて嬉しい限りなのですが、幕間や公演が終わってから、目が合って、「どうでした?すごかったでしょ?」って言わんばかりのニヤリと笑うのずるいです(笑)特にIPPEIさん!確かに参りましたけど〜‼️‼️

 

 

まとめ

すっかり長くなってしまいました。

ここまでお付き合いいただきありがとうございます。

僕だけじゃなく、沢山のファンの方から、キャストの皆さんの配信で「追加公演して」「全国公演して」というコメントが寄せられています。

また、今回のカミオクを観たMONAモデルさんで、まだカミオクの舞台には参加していない方の配信では、「私もカミオクに出てみたい」という声も上がっています。

それくらいやっぱり魅力的な舞台なんですよね。神様からの贈り物って。

 

余談ですが、個人的には、ちょうど新入社員研修を実施する立場の時期で、早速5/1の研修の場「ヒューマンスキル・社会人として求められる成長とは?」というテーマのプレゼンやワークショップの中で、カミオクの舞台でいただいたギフトを早速増幅して使わせていただきました。

そのセミナーが終わった後のアンケートで、まるで自分が劇団MONAの皆さんに書いたアンケートのような感想を書いてくれる新入社員の子もいて。

正しく受け取って正しく伝えることが出来たんだなぁという喜びも感じることが出来ました。

 

もうひとつ。

キャスト発表の直後には非公式のポスターを作らせてもらったり、萌可ちゃんのアダンちゃんをイメージしたイヤリングや、ソフィア先生の髪飾りをイメージしたネックレスを作ってプレゼントして、本当に舞台に採用して頂けたり。夢のような公演にもなりました✨

 

本当に、

舞台『神様からの贈り物』を届けるために関わっていただいた全ての皆さん。

感謝、以上!です。本当に幸せでした。

 

再び逢える日を楽しみにしています。

 

おしまい♡