イッカピ戯画
パユとピノック他によるバッハ、より2曲。
キース ジャレット他によるモーツァルト、ピアノ協奏曲第21番とフリーメーソンのための葬送音楽。
グールドによる1970年のベートーヴェン、「プロメテウスの創造物」主題の序奏と変奏。
グールドのベートーヴェンは素晴らしい。解体されていく曲が、剥き出しにされた心臓の力で、もう一度みずからの肉体を再構築していく。
とりわけ熱情、テンペスト、そして5つの協奏曲など。
マズア指揮による1973年のベートーヴェン、第3番。
ライプツィヒ弦楽四重奏団によるシューベルト全集よりD.173ト短調。
デームスによる1992年のシューマン作品集、「予言の鳥」と題されたアルバムより「森の情景」と「夕べの歌」
「わたしは/わたしより遥かに遠い沙漠で/すでに わたしを放置した空である。
おのれとは無関係に 光は必ずさす/その暴力に対処するには ただ一つ/空しかない。/だから 飛躍したのだとおまえは言う。/そうかも知れない。」
「地に落ちた空を踏んで とどまるもの/遠い殺戮の春から砂をもたげ/残された草を噛み/囚われの鳥を放ち/骨を編む」
「見知らぬもののために えぐられた空があり」
「釘打たれた夜明け」
「諦めの上に せめて偽りの 花々の挿話をまとひ/燃えのこりの償いを掌に/夜明け。/精子のように虚しく滅んでゆくのである。」
廃虚の周りに結界を張る、何を守ろうとするのか、ただつき刺さる、鉄条網のような言葉。
ペーター フランクルによるシューマン、「天使の主題」による変奏曲。デームスは先のアルバム解説でこのメロディがシューマンで最も美しいと書いていた。
私の胸を打つシューマンの旋律はほかにも多い。「ウィーンの謝肉祭の道化」の「間奏曲」、ピアノ四重奏曲の第3楽章。チェロ協奏曲、「ライン」交響曲、ヴァイオリン ソナタ第1番の各第1楽章。「おとぎの絵本」。「色とりどりの小品」の前奏曲とおどけた行進曲。「暁の歌」の第4曲。歌曲「ミニヨン」。そして「子どものためのアルバム」の「シェヘラザード」など。
Brilliantレーベルのシューマン集成にはより大規模なものもあるが、これはピアノ独奏作品だけを集成した箱。クララ ヴュルツやフランクルを中心に、思いがけないほど素晴らしい演奏が揃っている。
生誕90年を迎えたプラッソンによる、カルメン全曲。
チェホーヴァによるスメタナ、チェコ舞曲第2集より。
リスト、ブラームス、ドヴォルザーク的な「舞曲」を想像していると全く違う世界に驚く。彼らよりはるかに内向するシューマンに近い。
オイストラフとロジェストヴェンスキーによるブルッフ、スコットランド幻想曲。
ダルベルトによるフォーレ、夜想曲第6番と、主題と変奏作品73。ベヒシュタインというピアノの、薄く温かい透明感が沁みる。
ボールト指揮によるバヴァリア舞曲ほかの小品集。
パールマンによるクライスラー。
ホーレンシュタイン指揮による1952年のヤナーチェク「シンフォニエッタ」