いつの間にか折り返していた・・ | naoi-blog

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さいたま市の一級建築士として、仕事の事だったり、事じゃなかったりする事をつらつらと書いていきます。

気づけば7月4日。

 

茅の輪くぐりもしていない・・。

 

さて、そういいつつも、この日曜日。

 

ずっと行こうと思いつつ延ばし延ばしになっていて、最終日にようやく実現しました。

 

柳 宗悦の「民藝」展。

 

世田谷美術館は、記憶している限りでは1986年オープン直後、

 

当時大学3年生で、建築学科の友人と二人

 

見学に行って以来の訪問のような・・・。

 

設計者の内井昭蔵さんは、難解な建築理論を展開する多くの建築家の中にあって、比較的わかりやすい論調で、

 

でも、ちょっとライトの影響を受けすぎているなんて批判もあったりしつつ

 

そんなデザインの志向も含めて、理解力の乏しい学生であったぼくには、好印象だったことなどが

 

急に思い出されて、ちょっと甘酸っぱい若かりし頃の感覚が甦ってきちゃいました。

 

さて、

 

「民藝」です。

 

芸術の無名性

 

用の美

 

住宅という生活の器には、相通じる考え方がその根底にはあるだろうと、

 

15年ほど前に、一時期だけちょっと取りつかれたようにかじったことがあります。

 

住宅設計はアノニマスなもので良い。

 

とも思っていたような記憶がありますが、

 

まあ、その側面があることは認めますが、

 

それではだめだよな、と今では思いますね。(少なくとも自分の仕事では)

 

でも、気候・風土、それに基づいた文化を享受して本来の生活環境は存在し得るという事は

 

根源的な真理で、そこの理解が住宅設計のスタートではないかなという事は、今も思っております。

 

残念ながら、気候も風土も、今ではぐちゃぐちゃで、そのかけらを探すのも一苦労なんですがね。

 

・・・

 

久しぶりに、「民藝」という言葉に接し、久しぶりに世田谷美術館を訪問し、

 

用賀プロムナードでは、

 

そういえば当時ここに座って写真を撮ったな、なんてことも思い出し

 

 

心にも、脳みそにも、穏やかな刺激が入り良い時間となりました。

 

・・・

 

建築家・天野太郎さんの好きだった明恵上人の「あるべきようは」

 

民藝の「用の美」

 

この辺りが今の僕の、設計をする上での芯になっているようです。

 

いつも心のどこかに忍ばせつつ、図面台に向かいたいと改めて強く思った次第です。

 

 

さいたま市の設計事務所 創順居アトリエ 直井建築設計室 http://naoi-boo.com