安野光雅さんがお亡くなりになりました。
94歳とのことで、まあ、大往生なのでしょう。
若いころ、海外の画家の美術展を観に、せっせと上野へ通い、わかった風なことを述べたりもしていましたが、
正直、ホントに心をとらえた画家というのは少なかったです。
これはもちろん、僕にそれだけの感性がなかったという事に他ならないのですが、
そんな僕が、理屈抜きで夢中になった画家が二人。
一人が、安野光雅さん。
ちなみにもう一人は、北海道の山々を数多く描かれた坂本直行さん・・・。
要するに、自然の風景を描いていて、そこから寒暖や、匂いや、音や、そんな五感に響く何かを感じることのできる絵が好きなのです。
単純なんですね。
・・・
サラリーマンだったころ、水曜日だけが唯一の休日だったことが長く続いていた時期があり(今思えば立派なブラック企業だな)
その水曜日に、せっせと長野や群馬の山へ、日帰りで風景画を描くために通いました。
なんとか、安野光雅さんのような風景画を水彩画で描けるようになりたい!
何かにとりつかれたように、たぶん2年間ほども通い続けました。
なかなか思い通りの絵は描けませんでしたが、それでも、時折、偶然のたまものか、「お、これはいい出来だな」
と、思える絵が、少しずつ描けるようになり、どんどん、風景の写生にはまっていきました。
遠景に山々が連なり、民家が点在して、近景には、田畑が横たわる・・。
そんな風景が心底好きです。
「ああ、住まいとは、風景に溶け込むように造らなければならないんだな」
そんなことも実感したものです。
・・・
今は、日々、設計図を描くことにとりつかれているので、すっかりご無沙汰になっていますが(もう、2年ほども絵筆を握っていない)
久しぶりに画集を取り出して、ちょっと描いてみようかなとモチベーションを上げています。
とはいえ、現実は、まず、図面・・・
トホホ
さいたま市の設計事務所 直井建築設計室 http://naoi-boo.com