高級肉は冗談として、さて何にしよう?と考えた時、ふと思いついたのが
子供の頃、行くのが楽しみだった場所。
当時は「そごう」だったけど「高島屋」になった今でも地下にある
くるくる回るお菓子の量り売り。
「どれにしよう!」あのワクワク感を、鈴さんにも感じて欲しかった!
そう、鈴さんが買ったのは 小さなお菓子たち♪
が・・・・・・・
鈴さんのあまりのスローさに、じっと見ていたちゃあちゃんは気持ち悪くなり・・・・
待ちきれずポンポンお菓子を入れてしまったので
鈴さんが ワクワク感を感じたのかは謎。
誰にも話していないけれど、実はこのお金、鈴さんが頑張って貯めたお金。
のんだくれたちゃあちゃんに優しくしてあげる 100円
パパにチューさせてあげる 100円
学習発表会を頑張る 100円
などなど10個の頑張りで得たお小遣い。
1000円ぎりぎりまで買うのが目標だったけど、結果は600円ほど。
鈴さんが食べられないお菓子を買ったのには理由があった。
今、鈴さんがこうして学校に通うことが出来るのも、生きているのも
たくさんの人たちのおかげ。
いつもお世話になっている皆さんへ 電車に乗ったよ!とお話して
ちょっとだけど、感謝の気持ちを込めてお菓子を渡そうと思ったのだ。
みんなとお買い物する1時間はあっという間に過ぎて 帰りの電車。
車掌さんの近くに行った鈴さん。
出会った方達から渡したので、とてもお世話になった方々全員には渡せなかったし
渡せても 小さなあめやチョコレートの1つ2つだったのに
「鈴ちゃん、よかったね」 「鈴ちゃん、ありがとう」 「鈴ちゃん、元気がでるよ」
「鈴ちゃん、頑張れるよ」 「鈴ちゃん、またお話聞かせてね」 などなど
たくさんの言葉と「ありがとう」、そして笑顔に包まれた鈴さん。
そんな光景を見ていたちゃあちゃんは、とっても幸せで・・・
お礼を言うつもりだったのに逆に・・・
ちゃあちゃんが鈴さんに失わせてしまったものは大きかったけれど
鈴さんは本当にいい人たちに巡り合って、大きなものをいただいているね。