「六十七十は鼻たれ小僧、男ざかりは百から、百から」
ということばを残したのは、日本を代表する彫刻家のひとり平櫛田中(でんちゅう)さんです。
明治5年(1972年)に生まれ、昭和54年(1979年)に逝去し、なんと107才まで生きたというご長寿の方!
そしてこの写真は、今は美術館になっているお庭に置いてある楠の丸木です。
これがなんと、100才のときに、今後20年ぶんの彫刻の材料として購入されたそうです!
その説明文です。
平櫛田中さんのことは、れいの「なんでも鑑定団」で知りました
まるで生きているような彫刻をつくる、ということで実物を見てみたいなあと思っていたら、ある日情報誌で見つけたのが、
「平櫛田中彫刻美術館」での「韓国伝統楽器の世界」。
平櫛田中の美術館て、都内小平市にあったの!
しかも、韓国伝統楽器の演奏が聴けるなんて一石二鳥。
ということで、チケット(無料)を応募して当選し、夫とふたりのゴールデンウィークのミュージアム散歩にしました。
もとのご自宅が館内のきれいな小さい美術館になっています。
ご自宅なので、閑静な住宅街の中にありました。
ただ、残念なことに、館内の展示品は全部撮影禁止なのです。
そこで、ここでチケットの写真を。
平櫛田中の作品で有名なのは、この六代目尾上菊五郎がモデルの「鏡獅子」でしょう。
大きな作品は、国立劇場に展示されていて、見たことがあります。
館内にはその試作品、筋肉骨格を見るために制作された菊五郎裸体の彫刻や、最初に創られたの高さ58センチの彩色鏡獅子がありました。
あと、このレトロなポストのところにあった案内図のポスターにある子犬の彫刻。
これは、三人の子どものうち長男長女を立て続けに結核でなくされた田中が、長寿の意味のあるヤブコウジのつるを、子犬がひっぱっているものとして創ったそうです。
これはおきのどくな人生の1部ですね
館内に田中の作品のビデオもリピート放送されていて知りました。
音声ガイドもあったのですが、聴いてまわっていたら、コンサートの時間にまにあうかわからなかったので、借りませんでした。
それから有名なのは、仁王さまが人間を口から吐き出している「転生」という迫力たっぷりのものや、美術学校の卒業制作で高い評価を得た、きまじめそうな明治の小学生を細かに刻んだ「唱歌君が代」などでしょう。
展示作品の写真は小平市の公式サイトのこちらに載っています。
さて、コンサートの時間になって、スタッフに案内されて田中邸の庭に出ます。
あたたかな陽ざしの芝生の庭に、25客の椅子が。
そして、庭から見える室内に、韓国の伝統楽器が置かれています。
(コンサートのもようは撮影禁止でしたが、美術館のホームページにこれからYouTubeで動画がアップされるとのことでした)
ひとつは琴に似た、カヤグムという25弦の楽器。
演奏するのは、梨花女子大韓国音楽科卒業で、日本を拠点に海外でも活動し、日本のテレビ出演や、映画劇伴の演奏もする、金オルさんです。
とても美しいチマチョゴリをお召でした。
それから韓国の打楽器チャンゴや、管楽器プリ。
演奏するのは、やはり韓国で勉強された金秀一さん。
こちらも韓国の男性の白い伝統衣装です。
といっても、おふたりともネイティブの日本語で曲や楽器の紹介をしてくださいました。
間近での演奏は迫力がありました。
そして時には、庭の野鳥たちがはりあうようにさえずりをあげたり、アゲハ蝶がひらひら舞ったり、屋外ならではのおもしろさがありました。
曲は
カヤグム独奏 ペンノレ (舟歌だそう)
ピリ独奏 キンアリラン
このピリという管楽器はしちりきのようなものと説明されましたが、小さい細い姿に似ず、太い大きいアルトの音でびっくりしました。
ドラマ「イサン」より約束
アリラン(赤とんぼのメロディーも入れながら)
アンコール
平昌オリンピックの韓国公式応援ソング Echoes for PyeongChang
でした。
あいにく夫も私も韓国ドラマで観たことあるのは『宮廷女官チャングムの誓い』だけ。
韓流好きな方にはもっとおもしろかったでしょうね。
近くには緑の遊歩道もあり、ちょうど若葉みどりの季節でオゾンいっぱいのミュージアム散歩でした。