![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240724/12/nangsupaap/24/99/p/o0268021515466783377.png?caw=800)
実家のほうに帰省していたので、まが開いてしまいましたが、前回『ばあさんとじいさん』(こちら) で、タイの代表的絵本作家チーワン・ウィサーサ先生は、
「読んだあとお話で遊ぶ」
ことができる絵本づくりをされているということを書きました![ニコニコ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/002.png)
その第2弾としての絵本をご紹介します。
『はばひろ口のばけもの(ピーサート・パーク・クワーン)』
です。
この絵本も国際子ども図書館が所蔵していて、図書館間貸し出しでわが市の中央図書館で取り寄せてもらいました。
そしてこのお話もチーワン先生が紙芝居にしてみずから語っている公式動画があります。
このお話は紙を折る遊びと連動しています。
絵本の後ろに紙を折ってお話をするやり方が型紙の印刷とともに書いてあります。
そのページのコピーはブログにあげることはできないので、自分で折ってみました。
それにそってご紹介しますね。
口がはば広いばけものが、山のほら穴の外に出て来て、下界のともだちと遊ぼうと
大きいふくろを持っておりていきました。
口ぶえを吹きたいと思いましたが、口がはば広いのでつぼめることができません。
ここで長方形の紙を用意して、半分に折り、その折り目に向けて両端を三角に折って広げます。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240724/12/nangsupaap/4c/3b/j/o2253169015466783214.jpg?caw=800)
長方形の半分の台形の部分に、はばひろ口のばけものの顔を描きます。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240724/12/nangsupaap/8f/51/j/o2253120215466783351.jpg?caw=800)
まず出会ったのはおさるの群れ(紙芝居の動画をごらんください)。
ばけものは言いました。
「おさるさんたち、大声出し合い競争で遊ぼうよ。
1番大きな声を出したものが勝ち、
負けたものはつかまえられて袋の中。
楽しいぞ、ハ・ハ」
サルたちは助け合って大声を出します。
あ!サルはどうやって鳴くのかな?
(紙芝居動画でも、子どもたちに問いかけていますね)
でもばけものはもっと大声をひびかせ、サルたちはおどろいて木から落ちてしまいました。
サルをみな袋の中に入れ、ばけものは幸せになって、先へと歩きました。
というふうに、子ゾウ、ウサギ、トラの子たちをふくろに入れていきます。
ウサギなどは、鳴けませんよね。
ふくろはたくさんの動物でいっぱいになって、ばけものはそれをひきずって歩きます。
次はこぐまです。
が、絵を見ると、ぎゅうぎゅう詰めのふくろの中から、トラの子が遊びに使っていた木の剣であながあけられています![ウインク](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/004.png)
そこから、そっと、つかまった動物たちが出ていくのも知らず、次に出会ったのは、子キツネたちです。
折り紙のほうは、ばけものの顔のところを三角に折ります。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240724/12/nangsupaap/03/f4/j/o2098169015466783337.jpg?caw=800)
裏返して見ると・・・
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240724/12/nangsupaap/38/93/j/o1564158815466783238.jpg?caw=800)
ここにキツネの顔を描けます。
(後ろの耳のあな部分のために、ばけものの顔を描くときは、はしっこまでしっかり口のりんかくを描いておけばよかったですね)
裏側の三角の頂点は、山にするために、木の絵とほらあなを描きます。
折り紙を持って語る場合は、この山から始めます。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240724/12/nangsupaap/55/82/j/o1666169015466783276.jpg?caw=800)
子ぎつねたちは、リーダーきつねに折り紙をおそわっていましたが、リーダーは目のはしに、ばけものが近づいてくるのが見えました。
リーダーぎつねは言いました。
「みんな、よく気をつけて、もしぼくが合図を送ったら、助け合ってばけものを始末するんだ」
ばけものがやってきて、
「大声出し競争を」と言い終わらないうちに、子ぎつねのリーダーは合図を送りました。
「いち、に、さん!」
子ぎつねはいっせいに折った紙をふりおろします。
たちまち起こる大きな音、
「ぱん!ぱん!ぱん!ぱん!ぱん!ぱん」![ピリピリ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/678.png)
![ピリピリ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/678.png)
ばけものはびっくりしてふくろを捨てて山に逃げ、ほらあなにかくれて、二度と友だちをからかうことはありませんでした。
このとき、折った紙は山のほうを持ってふりおろすと、中の紙が出て来て、
ぱん!
という大きな音がします。
紙芝居動画では、最後にチーワン先生がじょうずに大きな音を出していますね。
絵本では「A4かA3のコピー用紙でなるべく大きいほうがいい」と書いてあったので、最初A4のコピー用紙で折ったのですが、かたくて紙が出て来ず![てへぺろ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/019.png)
新聞紙で折ったら音が出ました!
そのさまを見ていた夫、
「子どものころよくやったよ」
とのこと。
みなさんもやったことがあるかもしれませんね。
そこにうまくばけものやキツネを描くくふうをしたのがチーワン先生ならではです。
この紙を広げたりたたんだり裏返したり、最後にふりおろしながら語ることもできますね
。
チーワン先生は学生時代から参加していたポータブルライブラリー活動(くわしくはカテゴリーを作っています)で、いかに子どもたちをお話にひきつけるかという経験から、こういう手法を考えついたそうなので、それを絵本と語る人、読む人にも伝えているのです。