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タイの子どもの本日記

タイの絵本や子どもの本、タイの文化などについてぽちぽちと書いていきます。もと日本人会バンコク子ども図書館ボランティア。ご質問などはメッセージにお寄せください。

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3月22日にタイの人気俳優SingtoとKrist、TayとNew、OffとGunの3カップル合同のコンサートが開催されました!

 

それぞれのファンダム名Peraya、Polca、Babiiから、この3カップルは合わせてもともとPEBACAと呼ばれていますので、

 

PEBACA  WHAT A CONCERT星星星

 

という名まえです。

 

ところがこの名まえにはもう一つコンセプトが隠れていました。

「WHAT A CONCERT (なんというコンサートでしょう)」から「H」ととって「WAT CONCERT」ワットというのはタイ語で「お寺」という意味です。つまり「お寺のコンサート」。

 

仏教国タイでは、もともとお寺というのは村落やコミュニティーの中心。

今も仏日にはお布施や礼拝されていて寺ではお祭りも開かれる、タイの人にとっては親しみある場所です。

そのお寺のお祭りがコンセプトってどんなお祭りでしょう?キョロキョロ

 

という予想を大きくうわまわるステキなコンサートでした!私はオンラインでリアタイしました。

 

が、お寺のコンサートというコンセプトから、タイの伝統文化が多くを占めて、タイ好きの私はここまで見たことなくてすごくうれしかったのですが、なじみがないと解説が必要な部分があり、X(旧ツイッター)でもポストしたり、また私もわからないところをXで教えてもらったりして、流れていかないようにとそれをまとめました!(アーカイブを観てまた訂正するかもしれません)

 

まず、こちらの予告スポットから。

 

 

 

みんながコンセプトを考えていますが、観覧車、メリーゴーランド、お化け屋敷などが出てきます。

(動画の最後でGunちゃんがホワイトボードのWHATからHを消してWATにしています)

 

これがどうも、タイのお寺のお祭りの定番みたいなんです。

 

そこでいい絵本がありました。タイで2009年に出た絵本『森のおまつり タールントゥントゥン』という絵本です。

(持っているし、読みました)
 

 

この表紙に観覧車もメリーゴーランドもありますよね。

で、中身をあげることができないのでどうしたものかと思っていたらさすが現代!動画がありました。

 

ここに、観覧車や屋台、矢をとばして当てるもの、メリーゴーランド、そして伝統音楽楽団、野外の影絵芝居や映画上映が描かれています。

そして、PEBECAコンサートにもそれがもりこまれていて、びっくりするような舞台セットになっていました。

舞台上の観覧車やメリーゴーランドに、実際に6人が乗って動くんです!!

 

オープニング、まずは楽しげな音楽から。これはルークトゥンといって、タイの「大衆歌謡」です。

タイの伝統楽器、ピン(弦楽器)、ケーン(管楽器)、たいこ、シンバルなどでご陽気にかなでられ、時には結婚式やパレードなどの行列についていきながら演奏します。

動画を見つけてくださいました。

 

 

そして、途中でPEBECAメンバーもこの楽器を演奏するシーンが!

 

Tayさんがラナート(木琴)、Newさんがケーン、Gunちゃんがコーン・ウォン・レック(ゴング)、Off兄さんがピン、Kristくんがクローン・ヤーオ(太鼓)、Singtoさんがチャーブ(シンバル)。

でも、シンバルは全体のリズムをととのえる重要な役ですよ!

 

ここで重すぎるのかフリーズしてしまったので、後編に続きます!汗うさぎ

後編はこちら

 

 


 

 

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今タイのボーイズグループでも若者の間で断トツの人気グループがBUSだそうです。

 

そこで、BUSのことを履修しようと、BUSメンバーが選ばれるまでの道のりを描いたサバイバル番組

『789 Survival』

を見始めています。

幸い、最近「日本語字幕がついた」ということで、スムーズに見られますニコニコ

 

しかし、サバイバル番組、今までProject Alpha、LazIconと観て来ましたが、一般に長いんです!汗うさぎ

789Survivalも1話が2時間近くあるし、ほかのタイドラマを観る日もあるので、ゆっくりと観進めているところです。

 

ところが・・・EP8まで来た時、びっくりすることがありました!

 

この回前後では、候補生たちが、二人一組ずつプロデューサーに選ばれて、それぞれの得意分野で1対1でバトルという趣向です。

 

その中で、JungとAlanという候補生が対決するのは「ラップ」です。

しかも、そのラップは自分で創作しなければなりません。

 

指導にあたるのは、タイのラップ界の第一人者らしきAUTTAさんという方。

実は私、タイポップ界にはくわしくなくて、ましてやラップ界については全く知らないのです。

でも、二人の候補生の驚きようから、すごい方だとわかりました!

YouTubeで検索して見つけた、ラップいっぱいのMVです。
 

 

 

ラップについては、タイだけでなく、一般的にもまったくわからない私。

でも、タイって、近代まで文学は口承、しかも韻文なんです。

韻文というのは、この単語とこの単語は韻をふませる、とかそういうものが決まっている文です。

韻をふむ、ってラップでもやっていることですよね?キョロキョロ

タイで今まで長く親しまれたタイ韻文文学は、タイのラップに影響を与えているのかな?

と疑問をかかえてはいました。

 

そして、バトルはまず二人が指導を受け練習するところから始まります。

その中で、AUTTAさんがおもしろいことをおっしゃっています。

 

「グルーヴは本当に敏感なものです」
「タイ語にはグルーヴがない」
「タイ語には強調するシラブルが存在しない」
「すべてのシラブルが均等に発音される」
「英語にはシラブルがある」
「シャラッタッタ、シャラッタ、ナ」

 

このJungとAlanのラップ対決までは、1時間28分あたりから始まります。

 

 

 

そして、さらに、Jungはそのあとこう言うのです。

 

「僕はスーントーン・プー(タイの詩人)の『ニラート・プーカオトーン』を読みました」
「文学のウェブサイトを見て中国の音楽のタイ語訳を聴きました」
「そこには美しい言葉がありました」
「僕はラップにタイ語の美しい言葉を使いたい」

 

・・・なんですって!びっくりびっくりびっくりびっくりびっくり

 

スントーン・プーはタイの詩聖と呼ばれた人で、1786年 - 1855年の人、ラーマ2世と3世に仕えました。

代表作は『クン・チャーン・クン・ペーン』と『プラアパイマニー』で、韻文といっても、わかりやすい形で描いたので、文字の読める男の子(女の子は字を教えてもらえません)が、家族のために読み上げていた、と『タイ児童文学史』にも書いてあります。

 

でもでも、『ニラート・プーカオトーン』。

その名まえを私は聞いたことがありました!星星星

 

それは・・・タイドラマの名作『愛の香り』について、原作とも読み比べながら、とてもていねいに解説してくださっているnopopoさんという方のnoteです。

 

 

このドラマの中で、主人公ジョムは過去のタイにタイムスリップして、そこでお屋敷のクン・ヤイに仕えることになります。

しかし、ジョムに好意をもつようになったクン・ヤイは酔っ払って、詩を引用するのです。

 

クンヤイ「酔ったのは酒のせいじゃない 愛のせいだ
     どうして気持ちを 抑えられよう
     酒の酔いなら次の朝に消えるのに
     心の酔いは毎晩よみがえる」
ジョム「スントン・プーの詩で10人は射止められそうですね」
クンヤイ「愛する人なら私には一人だけで十分だ」

 

この詩を、nopopoさんが『ニラート・プーカオトーン』とつきとめてくださっていたのです!ラブラブラブラブ

 

そのnoteはこちらです。nopopoさんにお許しをいただいて、リンクさせていただきます。

こちらをクリックください。

 

 

過去のクン・ヤイも現代の青年のジョムも、この詩をあたりまえのようにスントーン・プーの詩だと知っていたのですね。

 

そしてさらに、現代の少年Jungくんも!

 

『ニラート・プーカオトーン』について、nopopoさんがタイ語つづりを書いてくださっているので、YouTubeで検索してみました。

 

すると、いくつかありましたが、中で興味深いものを二つご紹介します。

 

まず「中1 国語」の動画です。

 

 

 

ニラートという韻文の形や、この詩や作者について、説明があります。

中1で習うなら、けっこうタイの若者にとっても常識的なんですね。

この動画の8分16秒で、上の恋の部分ではないですが、詩を朗読している部分があります。

これが私が何度か言ってきた「タイの韻文の朗読は歌のようになっている」

というのがわかる部分ですニコニコ

 

もう一つはユーチューバーの方のようで、

「ニラート・プーカオトーンのプーカオトーンに行ってみた!」

みたいな動画です。こちらは、日本語自動翻訳字幕が出ます。

 

 

 

この動画の6分53秒のところから、

 

「この本には、多くの人が覚えている次の章があります」

と言って、引用されるのが、上の恋の部分だったんです!星星星

 

なるほど!

これでタイの人にとっては、有名なものとわかりました。

「はるはあけぼの」・・・とかそういう感じで知られている古典文学かもしれませんね。

 

さらに、789Survivalでは、バトルのあとのコメントで審査員にこう言われます。

 

Jungのラップが好きだと、美しいことばがある、

「タイ文学の用語」「例えば、シータ、ラーヴァナ(ヤック)」

 

というのです。

 

シータというのはタイの古典『ラーマキエン』に出てくるヒロインです。

 

 

内容などはこのブログのこちらに書いています。

 

また、ヤックというのはタイの鬼です。

ヤックについては、このブログのこちらに書いています。

 

 

789Survivalから思いがけず少しわかったことは、タイ語のラップは英語の場合と発音が違うので考慮が必要なこと。

多様なことばを使わないといけないラップでは、古典文学から学ぶこともある、しかも、国語で親しんでいた、ということでした。

 

スントーン・プーですが、その代表作『プラ・アパイマニー』については、タイドラマ『Until We Meet Again』にも出てきます。

このブログのこちらでご紹介しています。

 

タイの古典作家がどのように親しまれているのか、タイドラマやサバイバル番組からもうかがえておもしろいですねニコニコ

 

 

テレビ神奈川で放送されているタイドラマ、『ホルモン Hormones the series』を観ています。

2013年制作ですが、当時タイで社会現象をまきおこしたという高校生の青春群像劇です。

 

毎回、タイの学校生活や若者たちの悩みがわかって、とてもおもしろいですニコニコ

その中で、傷ついた女子高生をモト彼の男子高生が、気持ちを晴らせるように、と、お寺に連れていってあげるところがありました。

 

何かで、タイでは若者は観光地というわけでもない、地元のお寺でデートするって聞いたことがあったのですが(テレビのインタビューかもしれません)、こういう感じかな?ニコニコ

と思いました。

お寺のシーンは、タイドラマでもよく出てきますね。

 

そんな中、おもしろい本を読みました。

 

『国民の形成 タイ東北小学校における国民文化形成のエスノグラフィー』

 

という本です。

 

 

固い題名で、いわゆる学術書という分類にはいると思いますが、とても読みやかったです。

 

タイの東北地方に住んで、そこの小学生や家族たちのようすを観察したものです。

 

その中で、仏教行事を小学校や幼稚園のカリキュラムでどのように教えて、仏教を信仰するようにしているか、というところが具体的でおもしろかったのです。

なかなか、タイドラマでは小学校生活まで知ることできませんものね。

 

たとえば、幼稚園の「カオパンサー(雨期入り)」の指導内容が、1日目から5日目まで具体的に書かれています。

 

1日目は、カオパンサーのだいじなことを親に聞いて書いてくる宿題

あと、紙芝居をつかって、僧侶が雨期のあいだ安居(あんご)するようすを教えたり、ロウソクをかざることを教えたり、僧侶の前の平伏のしかたを教えたり。

最後にカオパンサーの歌にある動作を教える、などだそうですおねがい

 

また、お寺と縁の深いタイの「母の日」行事も、1日の手順の時間わりが書いてあります。

筆者の方は実際に参加し、見たようすも描かれています。

 

そもそもタイの村はお寺がまず中心にあって、小学校などは近代にできたので、仏教の信仰は、教育省など上から教えられたものではないそうです。

小さいときから、女性たちがお寺に早朝ごはんを届けに行くときについていって、そのやり方を見ているので、

特に女子は高校生ともなると、お寺でのお布施などのやりかたはお手のものになっているそうです。

 

また、男の子は学校が無かった時代、お寺で文字を学びますが、女の子は学べませんでした。

でも、みなお寺で仏教の物語やジャータカなどの説話を聞いて、物語を知っていったそうです。

 

こんなふうに、お寺でデート、というのもタイでは身近なのだなあと改めて思いましたが・・・

 

実は日本でも、神社などでそういうのありますよね・・・

 

それは・・・

 

初もうでデートです!

「初もうでいっしょに行かない?」

とドキドキでおさそいするシーンよくありますよね?照れ

 

ご紹介した本の詳細はこちらからどうぞ。

 

 

 

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先日出た『タイドラマガイドD』Vol.8のNuNewくんのインタビュー記事を読んでいたら、こんな記述がありました。

 

学生時代、

「学外で詩を読む大会と、タイの伝統の舟歌を歌う大会に出てことがあります」と。

 

これは貴重な情報ではありませんか?びっくり星星

 

NeNewくんといえば、歌がとてもじょうずで、先日も日本でライブを開催したばかり。

私もオンラインで観ましたし、CS日テレも録画しました(また3月に再放送あるみたいです)。

 

そして、タイの詩、というと、つまり韻文、ということで、たいてい歌うように朗されるのです。

タイにいたとき、そのタイの韻文の研究で著名なタイ人の教授が日本人のためのセミナーを開催されてことがあって、そこで、タイの韻文の朗読ってなんて美しい歌なんだろう!ラブ

と感銘を受けました。

 

そして舟歌とは・・・王室御座船パレードで歌われるようなものでしょうか?

 

こんなふうに。

 

 

インタビューでは1節歌ってくれたそうですが、聴きたかったなあ!

さすがに歌がじょうずなNuNewくんだけある、と思いましたニコニコ

 

NuNewくんの、日本でのデビュー曲で、すべて日本語で歌う『渋谷のBARで初めてのデイト』のファーストテイクを置いておきますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こたつにみかん、といえば、日本の冬ならではの季節ですねオレンジ

暑いタイではこたつ文化はありませんから・・・

日本のみかんは、タイの皮がかたくしまったみかん「ソム」とちがって、皮もやわらかく、実もやわらかくジューシーですね。

だいたい、和歌山とか、静岡のみかんが有名だと思います。

 

今日はちょっと、タイからはなれて、日本の童謡のお話ですが・・・

 

このみかんについての童謡『鞠と殿様(まりととのさま)』って、今の子どもたちにも知られているのか、ちょっと気になりました。

 

というのも、私は子どものころから、この歌が大好き!ニコニコ

実は、とても長い歌です。

その歌詞全部を子どものころ童謡の本で読んでから、ますます好きになりました。

 

歌の内容は、子どもがまりをついていたら、そのまりが、手をはなれて、とんでいって、参勤交代の大名行列の中に入ってしまいます。

そのおかごに乗っていたのは、紀州のお殿様。

そのままおとのさまにまりは抱かれて、紀州、つまり和歌山まで行って、そこでみかんになったという結末ですびっくり

 

これはまた、まりの大冒険ですね!おねがい

しかもみかんになっちゃうなんて、トラがバターになったのと同じ、子どもだった私にとってはゆかいなファンタジーでした。

 

全歌詞がのっている動画をお借りしました。

映像もとてもよいです。

 

 

さて、タイのみかん、ソムですが・・・

 

SOTUSというドラマで、こわい先輩が、主人公の新入生にふっとみかんを二つくれるシーンがあるんです。

(EP2)。

主人公はそこでこわもての先輩の中にかくれたやさしさにふっとほほえむ・・・

SOTUSはEP1で、当時のタイの大学の慣習だった、ラップノーン、またの名をSOTUS制度という、きびしい新入生受け入れのしごきがつらくて、挫折しかかる視聴者が多々見られるんですが、このEP2のみかんのシーンで、心ゆるめられるという有名なシーンですラブオレンジオレンジ

 

みかん、ソムส้มは、オレンジ色という意味もあります。

このネコちゃんの名まえは、ソムというそうですよ。