タイの注目カップル絵本作家クリッサナーさんとワチラワンさん | タイの子どもの本日記

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タイの絵本や子どもの本、タイの文化などについてぽちぽちと書いていきます。もと日本人会バンコク子ども図書館ボランティア。ご質問などはメッセージにお寄せください。

 

前回タイ良書賞2023年の最優秀賞部門でご紹介した、6-11才部門と子どものための美しい本部門をW受賞した、

 

クリッサナー・ガーンチャナパーさんとワチラワン・タップスアさん。

 

お二人はご夫婦で、調べると何度も良書賞を受賞していて、そのつどきれいな絵だなあと思った作家さんでした!びっくり

 

この作品2023年の受賞作『まるたのいえとおなおしやさんのなかま』

 

は、こちらで中身を少し見ることができます

 

そして、こんな作品があることも実はご紹介していました。

 

2020年3-5才部門最優秀賞の、

 

『ともだちのいえに行くのはたのしいな』

 

 

2021年3-5才部門の奨励賞

 

『それでも毎日愛しあっています』この絵本についてはこちらで紹介しています)

 

これは、コロナ禍のソーシャルディスタンスについて描かれています。

 

全ページこちらから見られます。

 

そして私が持っている本も実はそうだと発見!

 

2018年6-11才部門奨励賞

 

『私たちは王様を愛します』

 

 

 

2016年にご逝去されたラーマ9世前国王陛下の業績を子どもにもわかるように描かれた本です。

 

そして、2016年3-5才部門最優秀賞

 

『どうやったらのぼれるかな』

 

この絵本のお話は木の上の巣から落ちてしまったフクロウの子ども。

巣にもどるにはどうしたらいいのかな?

ともだちのネコがつめをたててのぼればいいといい、ナマケモノっぽい動物(なんの動物か書いていないのでわからない・・・)は木にしがみつけばいいといい、ハリネズミはのぼろうとしましたが、ダメでした。

どうしたらいいのかと思っていたら、おかあさんフクロウがおりてきて、

「鳥は飛ぶのよ」と教えてくれます。

いっしょうけんめい飛ぶ練習をして、とうとう巣にもどれました、というお話です。

この中の動物のともだちの絵が、きれいで表情ゆたかで、ああ、この作家さんだったのかとわかります。

 

どの絵本を見ても画力が高いですね!びっくり

 

そしてこの作家さんはとてもステキな家に住んでいて、家のインテリアも絵本の立体作品があちらこちらにあり、とてもかわいい。おふたりでごはんもつくります。

そんなふたりのおうちとライフスタイルが、なんとタイ公共放送のPBSのオンラインサイトで、見ることができます。

 

Come Homeのこちらです。

 

というシリーズで、25分です。字幕はないんですが、飛ばし飛ばしでもぜひごらんになってください!ラブ

ステキな作品の数々も観ることができます。キラキラキラキラキラキラ

(おおまかな内容はこの下に書いています)

 

タイでは1990年代以降も、絵本作家として専任で生計が成り立つ方はほんのひとにぎりいるかいないかでした。

そして、絵本作家というものもあまり知られていませんでした。

それが、チーワン先生やプリーダー先生たちの活躍で、2000年代にだんだんと「絵本を描いてみたい」という若い方々があらわれました。

ですので、クリッサナーさんとワチラワン先生のようにご夫婦で共作され、生計を成り立たせ、しかもそのライフスタイルが公共放送で特集されるなんて、ほんとうに画期的なことです!ラブ

 

内容としては・・・おふたりともとにかく、小さいときからひまさえあれば絵を描いていたこと。

 

美大に入りましたが、広告会社のインターンなどしても、家に帰って絵を描く方がしあわせだとわかった。

 

そこで会社づとめはせずに、子どものための本を描こうとして、知り合いのアマリン社の編集者ラピーパン・パタナウェートさんに相談した。

 

なんと!このラピーパン先生は私たちバンコク子ども図書館の仲間でアマリン社のポンアノン先生を初めて訪ねたときいらっしゃった当時まだ若いおねえさん編集者だった方です。

チーワン先生の『イーレーンケーンコーン』の読み方やタイ語版『ぐりとぐら』に歌をつけたところもの見せてくれました

いっしょにワークショップもしたんですよー。

 

そのてんまつについてはこちらで書いています。「みんなのおかげでタイ語がんばれた」(クリックくださいね)

 

ラピーパン先生も登場し、水彩で正確なタッチに最初は、年少の幼児絵本をつくってもらったと語ります。

 

クリッサナーさんとワチラワンさんは、経験を重ねるうちに最初はむずかしいと思っていたところも解決できるようになった。

子どもたちに絵本をつくって読んでもらうことは

「小さな小さなしあわせ」

だけれど、木を育てるように、それが積み重なって大きな幸せに成長するのだと語ります。

また、そのしあわせを描くには、たくさんの人や家族といっしょにごはんを食べるシーンを描く。

そこに、あたたかさとしあわせがあるのだと言います。

またラピーパン先生が言うには、子どもたちは、絵本を見た時

「きれいな絵だね」

とは思いません。

登場人物ひとりひとりについて、どんな人たちか何をしているのんか、細かいことをせんさくすると。

クリッサナーさんとワチラワンさんは、町に出て行って、細かい観察を積み重ねていくのだそうです。

 

今回はほんとうにステキな発見でした。

これからもこういう発見ができたらまたご紹介しますねニコニコ