私は患者さんに聞かれたら時間が許す限り調べて答えるようにしています。その調べたことも、その場限りではもったいないなぁと思ったので、ここにまとめていこうと思います。

 

さて、今回は私もお世話になっている納豆です。

 

 

【栄養素】

①タンパク質

タンパク質は筋肉、皮ふ、内臓、血液、髪の毛などの材料となってくれる栄養素です。

そして大豆のタンパク質の一部は発酵によってアミノ酸にまで分解されているので、消化性が向上しています。

 

②ビタミンK

出血した時に血液を固めて止血をしてくれる栄養素です。なので不足すると鼻血やケガの出血が止まりにくくなります。反対に脳梗塞などを起こした人などで血液サラサラの薬(ワーファリンなど)を飲んでいる人は薬の効果を弱めてしまうので制限がある人もいます。また、骨の材料となるカルシウムをしっかり取り込む手助けをしてくれます。

 

③カルシウム

骨や歯の材料となり人体のなかで一番多いミネラルで、体重の1.5~2%を占めると言われています。99%は骨や歯に存在していて、1%は血中、神経、筋肉に存在しています。特に血液にはほぼ一定量のカルシウムが存在していて、血中のカルシウムが不足すると骨から溶け出して補ってくれています。血中でのカルシウムは心臓をはじめとする筋肉が正常に収縮するのを保つ重要な働きをしています。

 

④ビタミンB2

糖質・タンパク質・脂質の代謝を促してエネルギーにかえる働きがあります。なかでも脂質の代謝に不可欠で、脂肪を燃焼させてくれる働きがあります。不足するとホルモンバランスが乱れて新陳代謝の乱れに繋がるので、冷え性や便秘、浮腫みを招くと痩せにくい体質になります。ダイエット効果だけでなく、脂質異常症などを引き起こす血液ドロドロをサラサラにしてくれます

 

⑤ナットウキナーゼ

血栓を溶かして血液をサラサラにする働きがあります。血液がサラサラになるということは動脈硬化をはじめ、脳梗塞、心筋梗塞の予防になります。先ほど紹介したビタミンKは止血する働きがあるので、相反する効果がひとつの食材に含まれている時はどっちの方が効くの?と私も感じますが、ワーファリンを飲んでいる方は実際に薬の効果を下げた事例が出ているとのことなのでビタミンKの方が効果が強いのかなぁ?という個人的な印象です。ちなみにナットウキナーゼは納豆を食べた8~12時間後まで血栓を溶かす働きがあるそうです。1日50gの納豆を摂取すると効果的だそうです。(納豆はだいたい1パック40g)

 

【オススメの食べ方】

Q.朝と夜どっちに食べた方がいいの?

A.今の段階では、夜に脳梗塞や心筋梗塞の原因となる血栓ができやすいという観点からは、夜がおススメという見解が多いのが現状です。こういう見解は研究が進んでくると変わってくることがあるので、私は気にせず食べたいタイミング(朝、昼が多い)に食べています。

 

Q.1日どれくらい食べたらいいの?

A.1日1パックが目安。大豆にはイソフラボンという女性ホルモンに似た栄養素があるため食べ過ぎは婦人科系疾患をもたらす可能性があります。また、タンパク質も摂り過ぎたら腎機能の低下につながるので、どんなに栄養価が高いといってもほどほどに食べましょう。

 

参考資料

食品成分表、大修館書店、2004年

世界一やさしい!栄養素図鑑、牧野直子、新星出版社、2017年