佐伯市三の丸神楽大会(浅草・犬山神楽、板井迫神明社神楽) | いっちきち!やっちきち!豊後大野

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大分県のなないろベース(豊後大野市青年団)のブログです。活動のこと、豊後大野市のことを紹介します!

“県南に 神が舞い降り 絢爛に”
2013.2.3(Sun)、@佐伯市

おはようございます、事務局タカッチです晴れ
3連続記事、結びの一番です!

今回は、「第三回佐伯三の丸神楽大会」の模様をお伝えします。
「えっ、豊後大野ではなく、佐伯の話題??」と思われるかもしれません。
今回の神楽大会、実は豊後大野市から2つの神楽座が招待されております!
しかも、わが団員(みかん)も登場!
また、佐伯市内の神楽座の中には、豊後大野市発祥の大野系神楽を継承されている団体もございます。
その意味で、今回は出場された2つの豊後大野市の神楽座の紹介や、大野系神楽についての説明を行いますね♪

※神楽大会の全体的な紹介については、私タカッチの個人ブログをご参照願います☆
http://ameblo.jp/takatch/entry-11467646189.html


<今回出場の豊後大野市2団体>
☆浅草・犬山神楽保存会(大野町、上津流)
大野町の浅草、犬山の両神楽座がともに後継者不足などで衰退の一途を辿っておりました。
その中、神楽座の維持が困難になったことを憂いた両神楽座の関係者や有志。
平成9年、神楽クラブを結成。平成14年に名称を「浅草・犬山神楽保存会」とし、今日に至ります。
一般には大野系岩戸神楽の浅草流と同類とされておりますが、同保存会では正式には上津(あげつ)流として伝承、保存されています。

☆板井迫神明社神楽座(朝地町、深山流)
朝地町の板井迫地区に伝わる神楽。朝地町深山神社を中心に発展した深山流神楽を継承。
朝地町には一時4つの神楽座がございました。しかし、過疎高齢化により各座の独立した活動が休止に追い込まれました。
しかし、平成11年。およそ30年ぶりに地区の有志により再興が試みられました。
現在では、子ども神楽の育成も行うほど、活発は活動を続けられています。
(以上2団体の説明、神楽大会当日配布のパンフレットを参考)


それでは、この2団体の奉納を紹介します!
今回あわせて3つの演目が奉納されました。
いずれも大野系神楽を代表する演目です。
大野系神楽についてみなさまに知っていただければと思い、やや詳しく説明・紹介いたしますね♪


☆浅草・犬山神楽
○「五穀舞(ごこくまい)」
「お菓子が撒かれる舞!」という印象の演目です!
よく奉納される演目の一つです。

<登場する主な神様>
・スサノオノミコト…海の神様。ただし、若いころはわがまま、暴れん坊。
・ウケモチノカミ(保食神)…五穀豊穣の神様

<ストーリー>
保食神に招かれたスサノオノミコト(一説にはその弟:月読命とも)。
おいしい料理のおもてなしをうけ、ご満悦のスサノオ。
しかし、彼は見てしまった!
保食神が、自分の体中のあらゆる穴から料理(五穀)を出しておりました!!
(↑まるで鶴の恩返しのごとし?(笑))

スサノオ「許せぬ!…体中の穴から料理を出すとは、汚らわしい!!」
怒ったスサノオ。ついに、保食神を斬り殺してしまいます。

▽保食神(左)とスサノオ(右)。
 スサノオ「悪しきかな~悪しきかな…」と祝詞を唱えた後、保食神を斬る場面です。
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さて、斬られた保食神。
その遺体から、五穀(米・麦・粟・稗・豆)の種が沸いてくるではありませんか!
その種を田畑に撒きましょう!
(↑まるで花咲か爺さんのごとし? (笑))

▽田畑に五穀の種を撒く場面。
 現在では、五穀の種の代わりにお菓子を撒く神楽座が主流です。
 浅草・犬山神楽さんでは、紙ふぶきも撒かれておりました♪
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☆板井迫神楽
○「柴曳(しばひき)」
大野系神楽で、一番有名で盛り上がる演目でしょう!

<登場神>
・アマコヤネノミコト(天児屋根命)  ・フトダマノミコト ※ヤマツチノカミの場合もあり

<ストーリー>
スサノオノミコトの悪行ぶりを憂い、天の岩戸に籠られた姉:アマテラスノオオミカミ。
再び岩戸の外へお迎えするため、2神が天の香具山で神事用の天の真榊を根こそぎに引き抜きます。

▽荒神(こうじん)VS観客の交流があり、大人気の演目!
 この力比べが実は神話の場面なのですね!
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▽今回は贅沢な3人立てでした!子どもも待っております!
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☆浅草・犬山神楽
○「岩戸開(いわとびらき)」

有名な神話の一場面を表す勇壮な演目です!
有名な演目ですが、各神楽座で展開・登場神に変化があるのがまたおもしろい!

<主な登場神>
・アマテラスノオオミカミ…太陽の神。先述の理由で天岩戸に籠られる。
・アマノウズメノミコト…高天原(たかまがはら=神々の世界)きってのセクシー系!?
・アマノタジカラオノミコト…高天原一の力持ち!
・オモイカネノミコト…高天原一の知恵者
・八百万の神々…いたるところに存在する、私たちにもっとも身近な多数の神々

<ストーリー>
太陽の神:アマテラスが岩戸に籠られたもので、世の中は真っ暗、闇に包まれます。
「これじゃまずい!どげんかせんといけん!」
天安河原(あまのやすかわら)に神々が集まり、策を講じます。

オモイカネ「ひらめいた! 岩戸の前で賑やかに宴を開こう!」

▽岩戸の前で、アマノウズメがSexyな踊りを披露♪
 八百万「うおおおおお!」
 岩戸の前では賑やかな宴が開かれております!
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アマテラス「何事じゃ?私が岩戸に籠り、世は暗いはずのなの…。」
あやしがりて戸から外を見るに…

その時、力持ちタジカラオが一気に岩戸に手をかけます!

▽さあ、岩戸を開けよう!!
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そして…時は来たり。

▽無事に岩戸が開きました!
 こうして、アマテラスは外へおいでになりました。
 世は再び明るさをとりもどしました☆
 めでたしめでたし。
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…と、以上が豊後大野市2団体の奉納の模様でした☆
大野系岩戸神楽は、日本神話に基づいた演劇性神楽です。
(岩戸系神楽=日本神話に基づく神楽)
よって、各演目にはストーリーがございます。
あらかじめストーリーを知った上で神楽を鑑賞なさると面白いです!


さて、佐伯市内でも大野系岩戸神楽を伝承されている神楽座もございます!
☆重岡岩戸神楽(佐伯市宇目)…御嶽流。三重町奥畑神楽より伝承。
▽「武者(むしゃ)」…岩戸開きを祝い、八百万の神々が天の鹿児弓を持って舞う。
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▽「貴見城(きけんじょう)」…海幸彦・山幸彦の兄弟神の物語。刀舞が特徴。
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☆宇目神楽保存会…御嶽流。緒方神楽より伝承。
▽「神逐(かみやらい)」…悪さばかりするスサノオを八百万の神々が追放。
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宇目町の神楽は大野系を継承されていますね!
以下は伝聞。確証はないので、聞き流し程度でかまいません(笑)
宇目町はかつて、岡藩・大野郡だったという話を聞いたことがございます。
それゆえ、大野系神楽が伝わっているのではと推測。
※誤っておりましたらごめんなさい(><)謝り

神楽・文化・芸能というものはよいもですね!
「神楽があるから、大分に戻ってきた」!
…大げさのようですが、これが案外本当の私の本音です(笑)

「郷土芸能=地域の特徴・想い出」となるでしょう。
「豊後大野といえば神楽!(獅子・白熊・棒術など)」
→「神楽を見たいなら、豊後大野だ!」「神楽を見ると、ふるさと豊後大野を思い出すなあ」
 ⇒豊後大野への愛着、豊後大野の宝…という考えにもつながるでしょう。

また、お祭りでは多くの人が集まります。
親睦も深められるでしょうし、お祭りでその地域に活気が出るでしょう!

さらに、文化継承は社会教育にもつながります!
・文化を知る=地域学習
・地域の方から芸能を習う=「縦のつながり」(世代間のつながり)
・同世代と一緒に継承する=「横のつながり」
・文化を見てもらう=「斜めのつながり」(地域の方などとのつながり)、自己肯定感(自分(ふるさと)が必要とされている/認められていると感じられる心)

神楽を通じ、いろんな面が見えてきましたね!
奥が深いですね!
豊後大野市をはじめ、大分県内では各地で神楽が奉納されます。
ぜひみなさま堪能されてくださいね♪


以上、佐伯三の丸神楽大会の模様より、豊後大野市の神楽を紹介いたしました♪
3連続記事もこれにて結び。

最後まで読んでくださりありがとうございました☆


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