古墳! | いっちきち!やっちきち!豊後大野

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大分県のなないろベース(豊後大野市青年団)のブログです。活動のこと、豊後大野市のことを紹介します!

こんばんは、事務局長タカッチです。
本日は、エイトピアおおので開催された「奥豊後の前方後円墳とヤマト政権」という講演会に参加しました!
個人的な参加ですが、「歴史」視点から豊後大野について学べる内容でしたので、シェア(共有)のつもりで紹介します。


この豊後大野市、実は市内に前方後円墳が8つもございます!
うち6つが三重町に集中しています。
ご存知のとおり、前方後円墳は地方の権力者のお墓です。
つまり、この豊後大野地域には権力者が多くいたのではという話を以前伺った記憶がございます。
この点について知り、豊後大野市の学び・魅力再発見ができればと思い参加しました。


この講演会は二部構成。
一部では講演会、二部では対談が行われました。

本編前に、主催者(豊後大野市古墳文化を考える会)代表や市長の挨拶が行われました。
お二方とも、「豊後大野市は古墳がたくさんあり、歴史的価値ある場所です。ぜひ、豊後大野の古墳について他地域の方より質問された際、きちんと内容や魅力を伝えられるようにしたいですね!」と語られていました。

それでは本編です!

【一部】講演会
講師:福永伸哉先生(大阪大学大学院文学研究科教授)
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関西で古墳研究を行っていらっしゃるそうです。
今回は、関西目線より豊後大野市の古墳文化について語ってくださいました。

まずは古墳の歴史や地域研究のお話がありました。
各地域で古墳の集合や成立順などを調べると、勢力移動の様子が推測できることを学びました。


次に、三角縁神獣鏡についてです。
三角縁神獣鏡というものは、銅鏡の一種です。
卑弥呼の時代に魏の国から贈られた説、日本国内で作られた説などあります。
ひとまず今回は、全国各地での三角縁神獣鏡出土状況から、地方と中央(ヤマト政権)とのつながりについて考察しました。

三角縁神獣鏡は、4つの時期製(3世紀中葉のA段階~3世紀後葉・末のD段階)です。後年に作られたものほど、模様がシンプルなようです。
東九州地域で多く出土されたものは、3世紀中葉のB段階期以降のものだとか。
お隣竹田市で出土されたといわれる神獣鏡はD段階のものだったそうです。
豊後大野市ではまだ調査中のようですが、おそらくD段階(新しい時期)のものではとの話です。
このD段階では、「畿内~瀬戸内~東九州~中九州」という交通網があったのではと推測されています。

さて、古墳や神獣鏡の様子から、豊後大野市の古墳時代について、福永先生は以下の見解を出しました。
・大野川上中流域に前方後円墳が点在している
 →大野川上中流域というのは、交通の要衝(瀬戸内・日向(東九州)・肥後(中九州))へつながる要衝(先生いわく「物資流通の三叉路」)
 →ヤマト政権が九州地方へ支配を進めるにあたって注目した地域

 →ヤマト政権と豊後大野地域とのパイプがつながれていた(中央と地方権力者の関係が親密だった!?)
 ⇒前方後円墳が多く築かれた


…と、以上が福永先生の後援でした。


【二部】対談
福永先生に加え、大分県埋蔵文化財センターの田中裕介先生、豊後大野市教育委員会生涯学習課文化財班の諸岡郁先生による対談が行われました。
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福永先生が関西からの視点で、田中先生が大分県からの視点で、諸岡先生が豊後大野市からの視点で語られました。

まず、諸岡先生による豊後大野市三重町の前方後円墳についての説明が行われました。
分布や、各古墳の調査状況などを紹介。
ここで初めて知った古墳もございます。
また、埴輪やガラス玉といった出土品があったこと、「トレンチ」(細長い発掘溝で古墳の所在を明らかにすること)という言葉を初めて知りました!



その後、田中先生や福永先生が豊後大野市の前方後円墳の印象等について語られました。

田中先生は…

・内陸地ではあるものの、別府湾沿岸の古墳に似た印象(例:立野古墳の埴輪→別府湾沿岸の埴輪と似ている)=大野川を介し別府湾や瀬戸内と交流があった??
・立野古墳の埴輪はすごい!地方で作られたものとは思えないほど立派!(関西から職人を呼んだのでは!?と思えるほど。)
 一方、その他古墳から出土されたものは、地元の方が作られたような素朴感がある!
・葺石が立派!


福永先生は…
・河川や道を見渡せる高い場所に古墳がある=権力者が権威をアピールしていたのでは。
・古墳時代初期あたりの古い古墳が集中している=古くからヤマト政権とのつながりがあった!?
・現在も日常生活の中で残っている、地域の方々の愛を感じる。

…と語られました。

以上で、すべての日程が終わりました。


最近は「ジオ」視点で豊後大野を考察していました。
その中、今回は「歴史・古墳」という視点で豊後大野を考察。
このように、あらゆる方面から豊後大野を見ることで発見がありますね!
今後もあらゆる観点で豊後大野を見たいと思いますv

なお、豊後大野市内にある前方後円墳は以下の8つです。
[三重町]
・道ノ上古墳  ・立野古墳  ・重政古墳  ・秋葉鬼塚古墳  ・小坂大塚古墳  ・竜ヶ鼻古墳
[大野町]・坊ノ原古墳
[緒方町]・大久保1号墳
…実際に各古墳を訪ねて学ぶのもよいでしょうね!
これを機に古墳文化に親しんだり、市内各地訪問したりにつながれば有意義ですね!

以上、「奥豊後の前方後円墳とヤマト政権」講演会の模様でした。
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<(大分県豊後大野市青年団)>

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