楳図かずお氏は本人のキャラがぶっ飛んでいるので誤解されている面もありますが
マンガ界においては間違いなくレジェンドの一人に数えられるでしょう。少し前に
洗礼や漂流教室も読んだのですが、今回読むことにしたのは「14 歳」です。
「楳図パーフェクション！」という全集的なものの１つなので、普通のコミックス
ではなく超分厚い４巻セットにまとめられています。最近第２刷が出たらしい。
この前は４巻セットの１巻目、２巻目、３巻目を読みました。続けて読んだ最終の
４巻目もはぶっ飛んだ内容になっています。チラノザウルス号で宇宙に飛び出した
３歳児たちとチキン・ジョージ博士の亡霊、ローズ氏の分身である「のばら」らの
やり取りがかなりのページを割いて書かれます。ただこの辺も意味が解らないので
全然面白くないのが難点。後半になって人類滅亡後の地球で知性を持ったゴキブリ
たちが「人間を神と思って再臨を待ち焦がれる」というシーンはなかなか考えさせ
られて面白いのですが。
最後にアメリカが宇宙の果てに到達した後の話は、何となくジョジョ６部のような
印象を受けました。どちらもノアの箱舟をモチーフにしているので偶然かも知れま
せんが、荒木先生が 14 歳の影響を受けた可能性もあるかもしれません。
なおこのスペシャル版は発行時に 18 ページ書きおろしが追加されているそうです。
加えて楳図先生との長い対談も載っているので必読。ストーリー上で納得できない
箇所についても楳図先生の意図がわかるとモヤモヤは多少減るかもしれません。
