古今東西の「金玉にまつわるさまざまな雑学」をまとめた本です。体系立ててある
わけではないので、生物、言語、歴史上の人物、古代彫刻、作家といった統一感の
ない雑多な方面での雑学が並んでいます。
それぞれの章のテーマをもっと掘り下げ、全体的にもっと統一感のある内容にして
いれば、暇つぶしの読み物のレベルを超えた名著になった気がするのが残念です。
歴史上の人物や作家と金玉の関連の章では当該の人物の残した文章を引用している
のですが、引用だとわかりづらいにも関わらず非常にダラダラと引用しているので
ページ数の水増しにしか思えません。
生物学的な金玉の位置づけは調査してもそうそう新説が出て来ないでしょうが、
・さまざまな言語で金玉を何と呼ぶか、どういうスラングがあるか
・古代彫刻では包茎かつ陰嚢が小さいのが良しとされた理由
・作家が残した日記にみられる金玉の記述
あたりは調査範囲を広げれば大学生の卒論くらいにはなりそうな気がするので気が
向いた人は取り組んでみてもいいかもしれません。
(この本を読んで面白かった点)
・金玉が体外にぶら下がっているのは冷やすためという説が有力だが体の奥にある
哺乳類も多いので決定打ではないらしい。素早く飛び跳ねるようになって奥から
飛び出して下がってきたという説もあるとか。
・世界の多くの言語では金玉はタマゴと呼ぶらしい。
・西郷隆盛の金玉はフィラリア症で巨大だったのは知られているが勝海舟の金玉は
小さいころにイヌに食われたらしい。
・カンヅメにされた作家は気を紛らわせるために結構自分の金玉と戯れるらしい。
・去勢はあまり刃物を使わず手や歯で引きちぎるらしい。血管の切り口が鋭利だと
血が止まりづらいためだとか。