996年(長徳2年)、
紫式部は父
藤原為時に同行して越前へと下ります。
為時が越前国司となったのは正月でしたが、旅立ったのは夏の事のようです。
紫式部は
塩津浜へ向かう途中で
「かき曇り 夕だつ浪の あらければ うきたる舟ぞ しづ心なき」
と詠んでいます。
夕立にあったようです。
都を発った紫式部は
逢坂の関を越えて大津の
打出浜から船出。
湖西を通って
三尾崎付近に停泊した後、
塩津浜に上陸。
その後、
塩津山(深坂峠)を越えて敦賀に入り、敦賀から
越前国府のある
武生へ向かったのだといわれています。