皆さんは「開脚」と聞くとどのようなイメージをしますか?
「開脚180度できたら身体が柔らかい」というイメージがなんとなくあると思います。
実際に柔らかいのですが、「身体が柔らかい人=開脚180度できる人」と連想しないでしょうか?
ひいては、
カラダが柔らかい=カラダに良い
間違えです。
このようなイメージを持たれている方も多くいらっしゃるかと思います。
実はこの考え、間違いではないのですが、柔らかければ柔らかい方が良いというわけでもないのです。
まずはじめにこの開脚、人間の身体の構造上、正常可動域として何度まで開けるかご存知でしょうか?
まず開脚とは左右の股関節が外転している状態のことを言います。
専門用語になってしまいますが、股関節が動くことによって足を広げられるということです。
この股関節を外転させるときの正常可動域は45度なのです。
このことから左右の足が90度開けば正常と言えます。
180度開脚はこの2倍。
正常可動域の2倍も外転しているので、身体になんらかのトラブルがおきるリスクもあるということ。
では、180度開脚ができたら身体にどんな良いことがあるのか?
バレエやフィギュアスケート、新体操などに必要な綺麗なポジッショニングやスタイルが取れる。
以上です。
競技上、過度な柔軟性が求められるアスリートはハードなストレッチを行った結果、柔軟性を高めています。
ただこの柔軟性は過度な柔軟性です。
前述したように私たちの身体の構造上、90度前後しか開きません。
180度開くことは物理的には頑張れば可能なことなのですが、軟骨が傷ついてしまったり靭帯が伸びてしまったりしてしまいます。
幼少期にこのようなストレッチをするとまだ大人の骨格に形成されていないので、骨自体も軟らかく、骨と軟骨の境界も成人とは違い曖昧なため、骨や身体の構造が変化して、関節の可動域が広がるのです。
アスリートと同様に過度なストレッチを行い180度開脚ができるようになっても、かなりのリスクが生じてきますので、決して「カラダに良い」とは断言できません。
また、私たちは日常生活で前方方向に動くことが多いですが、この開脚は横の動きとなります。普段歩く時に歩幅を伸ばしたり、階段を一段飛ばししたりするのであれば、まだ前後の開脚を取り入れた方が日常生活でのメリットは出てくるかと思います。そのためこの180度開脚ができたからといって特に日常生活に優位になることは限りなく少ないです。
老後には細心の注意が必要です。
180度まで開脚ができるようになり、特に問題なく過ごしていても年齢を重ねるごとに筋力は低下していきます。
関節や靭帯は筋肉で包まれています。
過度なストレッチで緩んだ関節を包んでいる筋肉が減ると、今まで支えられていた関節が支えられなくなってしまいます。
股関節の場合、歩行時に痛みが出たり、踏ん張りがきかなくなってしまったり、最悪の場合それが原因で人工関節に、、、なんてことも想定されます。
野球で有名なイチローさん、身体も柔らかいイメージがあると思いますが、あのイチローさは(180°)開脚はできません。正確にいうと、過度な開脚はしていません。
それ以前にあなたは股関節の場所をわかって動いていますか?大腿骨の大転子を股関節だと思っていませんか?
不正解です。
皆さんが思っているより、幅も狭く、上の方にあるのです。それも分からずに動かしていると、身体を痛めてしまいます。歩く場合も同じです。
股関節はカラダの中で最大の関節です。その関節をうまく使えることで、血流の流れも良くなり、代謝も上がっていくのです。
身体にとって本当に必要なことは何かを考えてみてください。
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HAPPY