放課後、校庭で
練習しているテニス部の男子を
学舎の窓から見つめる女子。
そして、ナレーションは
『あの頃は、見つめることが恋だった』
わたしにはこんな片恋の経験はないけれど、
友だちにつき合って、
放課後、高校の校庭で
部活をしている男子を
遠くから、一緒に眺めたことが
何度かありました。
見つめるだけでいい・・・
当時は、そんな片想いをしている女の子は
少なくありませんでした。
昭和・平成と
その時、その時代に
一番支持されるラブストーリーを
描いてきた柴門ふみ。
彼女を「トレンドの女王」とみるか
「日和見主義の巨匠」とみるか?
そこは見る人次第ですよね。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/柴門ふみ
その、時代の趨勢を見極める天才が
平成の終わりから令和にかけて連載した
マンガのテーマが「不倫」でした。
不倫も、柴門ふみの資質も、
いいとか悪いとか、
善悪で測るのは、とても難しい・・・
実は、わたしは柴門ふみのファンではなく、作品の多くは読んでいません。
(ただ「恋する母たち」は
自分の関心事と重なるものがあったので
ドラマもマンガも見ています。)
彼女の作品はしばしばドラマ化されたり、マスコミに取り上げられることが多いため、
読んでいなくても
タイトルだけでなく、大まかなストーリーも伝わってきます。
そんな彼女の作品を時系列に並べると、
時代のダイナミックなうねりさえ感じます。
その彼女の最新作が、こちらなのだとか。
「恋する母たち」と比べると
登場人物・ストーリー、共に、
ずいぶん疲れた感じになり、地味になったものです。
自分の好みのストライクゾーンから外れている漫画家とはいえ、
わたしは柴門ふみの、時代を把握する臭覚の鋭さはピカイチだと認めています。
その彼女が令和に選んだテーマが「人生の再生」だったとは・・・。
やはり、更に、厳しい時代になるのかな?
市井に生きる者として
ただ、穏やかに時が過ぎることを
祈るばかりです。