元ベンチャーCFO日記 -7ページ目

回顧録(1) コンサルタントの価値とは?

ブログ再開します。


唐突ですが、何回かに別けて、これまでの仕事人生を振り返っていきたいと思います。




今回のテーマは、「コンサルタントの価値とは?」



よく「コンサルタント」という職業は、


「クライアントが既に知っていることを(尤もらしく)教えて、お金を取っていく仕事」


と揶揄されたりする。



確かに、そういう一面はあるかと思うが、


たとえ「知っていること」を教えたとしても、そこに価値がある場合もあると思う。


(勿論、something new が大切なのは言うまでもないが。)



私自身、「コンサルタント」という肩書の職業と、事業会社の経営ボードの一員としての


立場を経験したことを踏まえて思うのは、当事者というのは案外盲目である、ということである。



一歩引いて俯瞰して見てみれば、当たり前に見えてくることも、


当事者として事に当たっていると、正しく物が見えていなかったり、


見えていたとしても確信が持てなかったりすることがあり、


第三者=コンサルタント の意見を必要に思う局面がある。



ただ、会社というのは、一つとして同じ会社はない。


コンサルタントに通り一遍のことを説かれても、会社にとっては何の価値もない。


コンサルタントは、その会社のことを真剣に考え、頭をフル回転させなければならない。


その上で絞り出された意見にこそ、価値がある。



事業会社側として理想的な状態は、


経営陣が、優秀なコンサルタントと同じような視点を持ち合わせていることであろう。


しかし、これは、現実的には難しい。


経営者というのは、客観的に見て的確な判断を下すにしては、会社を知り過ぎている。


また、自身のビジネスにかける情熱の代償として、盲目的に心酔してしまっている場合が多く、


主体者としての視点とコンサルタント的なクリティカルな視点を両立させて持ち合わせることは、


神業に等しいことと思う。




過去の自分は、果たしてクライアントに感謝される優秀なコンサルタントだっただろうか?


今更ながら、ふと自問してしまう自分が居る。

「半島を出よ」

今日は、読書感想です。



先日、村上龍の「半島を出よ」を読んだ。


小説の内容は、ざっくり言うと、北朝鮮の軍が福岡に侵攻し、それを


社会からドロップアウトした少年(青年)達が壊滅させる、という話。


村上龍の小説らしく、舞台設定のディテールが細かく、描写が過激


(人もたくさん死ぬし、その描写もえぐい)で、文学作品としての


好き嫌いは分かれるところだと思うが、最近の政治や経済を


俯瞰するための読み物としては、非常に参考になる小説だと思う。



小説は、2005年に刊行されたものだが、主要な時代設定は2011年で、


小説の背景となる政治や経済の情勢は、今、現実に起きていることと


近いところもあり非常に面白かった。

タブーを超えろ

前原国交相の言動に注目している。


具体的には、八ツ場ダムの問題、ここ最近浮上した羽田空港のハブ化の話などだ。


これまで「タブー」とされ、避けられてきたテーマに切り込んでいる。


「タブー」を「タブーだから」という理由で採り上げてこなかったこれまでの


政治を比べ、大変勇気のある、素晴らしい姿勢だと思う。


タブー視されていても、時間の経過とともに状況は変わる。


原点に立ち返って見直すことは、会社経営にも繋がることだと思う。



勿論、ダム周辺の住民、成田空港の関係者、近隣住民などの当事者にとっては


様々な思いがあることだと思う。


しかしながら、国政は国家の視点で判断しなければいけない。


他方、地方の利害については、地方の政治家が代弁し、国政と折り合いを


つけていく、これがあるべき民主政治の姿だと思う。


これまでの政治家、つまりは、自民党の政治家を指すことになるが、


国会議員であるにもかかわらず、地方の利害を優先しすぎていたように思う。


かつては、地方の発展がイコール国の発展に繋がり、そこに矛盾は


生じなかったのかみしれないが、経済が成熟期を迎えた現在では、


根本的に考え方を変えなければならないと思う。


現政権には、硬直化した、形骸化した仕組み、ルールをどんどん見直して


いって欲しいと強く思う。