リッツ・カールトンで育まれたホスピタリティーノート

  高野 登  投稿日:2011年 6月25日(土)12時25分28秒
 
  副題:人の心をとらえて離さない!

「ホスピタリティー」とは、人と人のコミュニケーションから生まれる温かいおもてなしの心である。
「お客様が感じてくださるワクワク感は、そのホテルのスタッフが醸し出すワクワク感を超えることは、決してないのだ」・・・NYプラザホテル支配人ヒューズ氏感動と言う物語を紡ぐお手伝いをする為には、まずは自分がワクワクと働き、いい時間を過ごすことだ。

◆どんなにすごいサービスでも、それだけでは人は感動しない
サービス内容を全員に徹底するには、マニュアルが不可欠。何故なら、マニュアルの役割は社員の「基礎体力をそろえること」だから。基礎体力が備わったとき、はじめて一人立ちするのだ。
 満足の先にあるのは、あくまで「大満足」に過ぎない。単なるサービス用語だけでは、お客様の表情さえ動かないが、「こんにちは、お久しぶりです。お元気でしたか」という一言があれば、「感情」が「動く」。つまり「感動」が起きる。
 感動は、温かな人間性が触れ合った瞬間に生まれるのだ。

◆孫を連れて遊びに行きたくなるような荒川区役所
 「エレファントシンドローム」という言葉がある。小象の時に足に鎖をつけて大きな木につないでおくと、大きくなっても「逃げ出せない」と思い込み、逃げようとしなくなる。
人間が、「自分の能力、守備範囲はここまで」と思い込んでしまうと、どうなるか。狭い視野と柔軟さを欠いた思想の殻に、閉じこもってしまうことになる。

◆仕事には雑用や雑務と呼ばれるものはない。自分の心が「雑」にしているだけ
 「雑用という名の仕事」が来たときに、その仕事に愛着をもつことは難しい。新人の心の中で、「よっしゃー!やるぞ!」という雄叫びが上がることは、先ず無い。

◆誇りを持って働いているサービスの現場とは?
 「清掃の作業」をしているのではない。清潔を保つことで、「患者様を守る仕事」をしている。とは・・ホスピタリティ度が高いことで評判の川越胃腸病院と契約している清掃会社の女性社員の言葉。思いの強さは院長や職員と同レベル、実に見事。・・思いは大切だ・・

◆先ずノコギリの刃を研ぎなさい
 丸太を切っている木こりのノコギリの刃がこぼれている。「刃を研いでから切れば」と言うと、「忙しくて研いでいる暇がない。切り続けないと・・間に合わない」と言った。
 この忙しい状態が、果たして「生産性の高い」忙しさなのか、或いは「ひとり皿回し状態」なのか考えてみる必要がある。

 よく・・「忙しくて中々時間がとれなくて・・」と言う人がいるが、目の前の業務が忙しいから、勉強する時間が取れない。これでは「感性の刃」を研ぐ機会を摘んでしまう。
切れ味鋭い仕事振りを発揮する為に、一旦立ち止まり感性の刃を研ぎ直すという勇気と覚悟が必要だ。今こそ、リーダーに必要な感性なのかもしれない。

・「7つの習慣」は、ドラッカーの著書と共に、リッツ・カールトンの教科書になった。

◆クレームは自分から取りにいくとつらくない
 絶対に忘れてはいけない事は、クレームで一番つらい思いをしたのはお客様なのだということ。積極的に真摯な態度で「ひとつでもいいです。私達が改善できることでお気づきのことがあったら、教えて頂けませんか」と声をお掛けする。この一言でお客様も苦情を言い易くなり、こちらもご提案という形でお聞きする事が出来る。小さなパラダイムシフトが起きる瞬間である。

◆4つの苦情の裏には100人の不満が隠れている
 「苦情は機会であ」は創業以来、リッツ・カールトンが大切にしてきた価値観である。第1に、欠陥を教えてくれる点、第2に、きちんと対応する事で、企業の姿勢がお客様に伝わる点。ポイント・・クレーム内容をどう調査し、どんな対処をしたのかを説明し納得して頂くことだ。対処の仕方次第でクレームの前よりも強い信頼関係が築かれることもある。
第3は、本人の心の成長と仕事のプロとしての進化に繋がることである。

穏やかな海でたくましい船乗りが育つことはない。この荒波を乗り越える醍醐味を共に味わおうではないか。

◆リングに上がる勇気を持とう!本当の幸せを考えてみよう!
 「リングに上がらなければ、勝者にも敗者にもなれない。リングで戦った者はその結果がどうであれ、外からとやかく言う評論家とは一線を画す」 「人の幸せは、達成した時の喜びと、それに向けて努力を重ねるプロセスにある」
フランクリン・ルーズベルト大統領の言葉.

◆ボールが集まるプレーヤーになろう
中田英寿は、どういう選手を目指すかという問いに、「ボールを回したくなるプレーヤー」と答えた。信頼も厚く見せ場も増える。しかし余裕がなければパスも回せない。これは仕事でも同じ。「急ぐ仕事は忙しい人に頼め」という。真剣に仕事と向き合い、努力を重ねる姿勢が、周りに「パスを回したい」という気持ちを起こさせる。このプロセスを通して、仕事の処理能力だけでなく、人間力も同時に鍛えられていくのだ。

◆プロは悩みの捉え方が違う。悩みながらも進化する。
 悩みがあるのは働く場所があり、仲間や上司やお客様があればこそ。しかも悩む時間ほど自分を成長させてくれるものはないのだ。自分の心を鍛え、「しなり」を作る有り難い機会なのだ。

◆少しの間、悩みを引き出しにしまってみよう
 自分の頭に10段のタンスをイメージする。きついお叱りやクレームを受けた時、タンスの引き出しを開けて、一旦その言葉をしまいこんでしまえばいい。
「この問題はあとできちんと反省する。まずは目の前のことを優先させなくてはならない。引きずっている暇はない。あとで引き出しから出してじっくり考えよう」と考えればいい。・・これにより、今現在の思い悩みをに引きづられて・・仕事が手につかない等はなくなる

◆「出来ないと思ってやらない人」と「出来ると思ってやる人」思う強さはどちらも一緒 出来ないと思い込む人も出来ると思い込む人も、その思い込みの強さは、エネルギーの総量は変わらない。ならば・・自分の成長を信じ、「出来ると思う」ことに全エネルギーを注いで挑戦するほうが、いい結果を生む。

◆流れさる日常を、時間を積み上げる日常に変えていく
人間は生まれつき怠け者。油断すると直ぐに安易な方に流されてしまう。何となく作業をこなすような仕事を続けていくと、その日常は、なんとなく流れ去っていく。そこには進歩がない。それは周りが進歩する中では、自分の後退を意味する。 ・・作業をするな、仕事をしろ。真剣に取組めば投資になる。とういことか。我思う・・

・苦言は字の通り苦い。でも良薬のように段々と効いてくる。叱責は針で刺されるように痛 い。でも注射針のように、先からは確かに薬が送り込まれるのだ。・・寧ろ感謝、我思う

◆人は、育てようと思っても育たない。育つ環境で初めて育つもの
 人が育つのは自ら成長しようと思った時だけ。企業が考えるべきことは、「育ちたい」という意思を持った社員が、「育つ為の環境整備」をすることである。

◆First thing.first!「最初にすべき事を最初にする」
 「お客様第一」の会社であれば、まず先に電話やメールで頂いたご要望の件や苦情の件を話あうべき。一番大切なことは何かという価値観が共有されている組織は強い。

◆出来ない理由を探してはいけない
 仕事におけるプロとアマの違いは何か? 「出来ない理由を探さない」のがプロ。「出来ない理由をいくらでも探す」のがアマだ。
どうしたら出来るかだけを考える訳だが、そもそも・・出来ない理由を考えないというスタンスに立つ事が重要だ。我思う。


●● ピークパフォーマンス方程式 ●●
・大満足よりも感動を与えること。満足の先にあるのは「大満足」に過ぎない。単に「いらっしゃいませ」では、お客様の表情さえ動かないが、「こんにちは、お久しぶりです。お元気でしたか」という一言があれば、「感情」が「動く」。つまり「感動」が起きるのだ。
・悩みは働く場所があればこそ。しかも悩むほど自分成長に繋がる有り難い機会だ。
・苦言は字の通り苦いが、良薬のように効いてくる。叱責は針のように痛いが、注射のように先からは薬が送り込まれるのだ。