著者:Kazu Langages(カズ・ランゲージズ)

 2000年3月4日生まれ。愛知県出身。スペインの音楽に関心を抱いたことをきっかけ 

 として、外国語学習を開始。以降、5年間で12ヵ国語を習得(スペイン語、英語、フ

 ランス語、アラビア語、インドネシア語、ロシア語、ポルトガル語、ドイツ語、ト

 ルコ語、中国語、タイ語、韓国語)。YouTube、TikTok、instagram、Facebookの総

 フォロワー数は現在、のべ200万人となっている。

 

 

はじめに

 ・外国語習得を難しいと感じるのは、それを「勉強」として捉えているから。しかし、スペイン語を

  はじめとする12ヵ国語の習得は、「勉強」ではりませんでした。自在に使えるようになりたい一心で

  学び方をゼロから見直したことで、すべてがワクワクに満ちたものになりました。

 ・本書では、学校の教科書や語学教材どおりに学ぶ「勉強」とは別のアプローチで、楽しくかつ効率

  的に外国語を習得する秘訣を紹介します。

 

第1章 たった5年で「12ヵ国語マスター」

    ・・試行錯誤してたどり着いた超効率外国語習得法

 最初の習得言語は「スペイン語」

 ・スペイン語を学ぶ大きな動機となったこと、それは、「スペイン語話者の多さ」です。話者数では約

  5億人。私の経験上、「その国に興味があること」「その国を好きであること」は、上達を早める一

  番の推進力になります。

 ・フランス語を公用語とする国は28、話者数は約2億人、私にとって重要な指標である「話者の数」の

  点でも申し分のない言語でした。

 ・アラビア語は、中東やアフリカの25ヵ国ほどで公用語になっており、話者数も約3億人に上り、世

  界中の言語で、最も習得が難しいとも言われています。同じアラビア語を公用語とする国でも、サ

  ウジアラビアで話されているアラビア語と、エジプトで話されているアラビア語は違います。

  スペイン語も国や地域によって違いますが、アラビア語はその比ではありません。方言のような

  「少し違うけど理解できる」というレベルではなく、「別の言語じゃないか?」というくらい違うの

  です。標準アラビア語は、昔の形からほぼ変わっていない数少ない言語です。たとえば712年に編纂

  された『古事記』の日本語は、現代に生きる私たちからすると、ほとんど理解できない「古語」で

  す。一方、アラビア語は基本的に昔の形のままなので、標準アラビア語を習得すると、7世紀に編纂

  されたイスラム教の聖典『コーラン』の原文を読む事ができるのです。

 ・インドネシア語は、世界4位を誇る人口を要し、約2億人もの話者がいます。

 ・「ブラジルの公用語はポルトガル語」というのが一般常識ですが、厳密にいうと、ポルトガルのポル

  トガル語とブラジルのポルトガル語は違います。コミュニケーションが成り立たないわけではあり

  ませんが、文法、発音、表現、話し方などさまざまな点で明確な違いがあるのです。

 ・ドイツ語はドイツ、オーストリア、ベルギー、ルクセンブルク、リヒテンシュタインの公用語であ

  り、ドイツ語の話者数は約1億3000万人だそうです。

 ・韓国語の文法は日本語とほぼ同じですし、単語も漢字語は発音が似ているものが数多くあります。

 外国語を学ぶと、人生が豊になる

 ・外国語を学べば学ぶほど、「努力してきて本当によかったな」と思うことがあります。それは、相手

  の母語で話すと、言語の壁を一瞬で乗り越えて一気に打ち解けてしまうことです。たとえカタコト

  であっても、相手の母語で一言、二言、何かを言うだけで言葉の違いという壁が消えてしまう。

 ・街中で周囲を見渡してみると、外国語を多く目にすることに気づくでしょう。たとえば、マンショ

  ンやアパートの名称で「メゾン」はフランス語、「ハイム」はドイツ語、「カーサ」はスペイン語

  で、いずれも「家」という意味です。他にも「パティスリー」(ケーキ屋)、「ブーランジェリー」

  (パン屋)、「ビストロ」(食堂)など、フランスが目に入ってきます。

 得られる情報量が劇的に増える

 ・インターネット上に流れる情報のうち、英語と日本語で書かれたものの量的な差がどれくらいか、

  ご存じですか。実は「ネット情報の6割は英語」と言われており、日本語の情報と比べると約26倍

  も上るようです。英語話者はネットユーザーの約25%を占める一方、日本語話者は2.6%に留まるこ

  とからも、ネット空間は「英語が分る人ほど多くの情報を手にしやすい」世界であることが窺い知

  れるでしょう。

 

第2章 外国語習得がはかどる最強ツール

    ・・デジタル時代の恩恵をフル活用する

 心強い相棒になる「メインツール」

 ・私がいつもセットで活用しているものなので一緒に紹介します。まずPimsleur(ピンズラー)は、

  「聴く」「話す」「理解する」に特化したアプリです。1レッスン30分間×30レッスン・・1日1レッ

  スンとすると約1カ月で言語の音に慣れ、発音と文法を無理なく身に付けることができる優れたツ

  ールです。各レッスンに登場するのは、主に実用的な頻出フレーズ、私は、新しい言語を学ぶはじ

  めの一歩からPimsleur(ピンズラー)を使います。Assimil(アシミル)は、ストーリーを読みなが

  ら文法や頻出フレーズを学べる教材です。1日1レッスンで、週に一度、文法の復習パートがあり

  ます。リアルなコミュニケーションに役立つフレーズ、文法、発音を同時進行で学べるようになっ

  ています。

 外国語習得がはかどる「補助ツール」

 ・私は紙の辞書をまったく使いません。知らない単語や意味を理解できない文章に出会った時は、も

  っぱらGoogle翻訳やDeepLを使います。

 会話力を伸ばす「コミュニケーションツール」

 ・本当に使える表現や正しい発音は、ネイティブに学ぶのが一番の近道です。そこでオンラインでネ

  イティブと話す機会をもてるツールを紹介しておきましょう。italki(アイトーキ)は、オンライン

  でネイティブと会話できるプラットフォームです。

 

第3章 最も効率的な外国語習得のステップ

    ・・「聞く・話す」「読む・書く」を速学する

 一言語の習得に、どれくらいの時間が必要か

 ・基本的には日常会話レベル・・たとえば「ネイティブとコミュニケーションを取りたい」「映画を字

  幕に頼らず言語で楽しみたい」といった目標であれば、半年~1年で習得できるでしょう。本書で紹

  介するのは、あくまでも「コミュニケーションツールとしての言語」を習得する方法です。

 ・「大人の言語習得の最も効率的な順序は、実は赤ちゃんが母語を学ぶ過程と同じなのではないか」と

  考えている。

 言語学習のステップ①:ネイティブの発音を真似る

 ・本書で紹介する言語習得のメソッドは、大きく①「ネイティブの発音を真似る」②「実践的な文法

  を学ぶ」の2ステップに分かれています。まず「実践的なフレーズを、ネイティブの発音を真似し 

  て声に出す」というのを、徹底的に積み重ねます(ステップ①)。そこでフレーズを頭の中にストッ

  クしつつ、リスニングとスピーキングの素地を作ってから、文法を学んでいく(ステップ②)とい

  う順序です。

 ・その言語の発音に慣れながら「聞く・話す」の感覚を身につける。まずそこから始めるという意味

  で、この外国語学習法を私は「感覚的な学び方」と呼んでいるのです。ステップ①で一番大切なの

  は、無理なく継続すること。「ネイティブが発するフレーズをたくさん聞いて、ひたすら真似する」

  という方法です。

 ・自分が正確に発音できる音は、正確に聞きとれるものです。つまり、「耳を鍛えること」と「正しく

  発音できるよう訓練すること」はセットです。リスニングが向上すれば、さらにきちんとネイティ

  ブの発音を聞き取れることで、よりいっそう発音が向上するという好循環が起こるのです。

 ・ステップ①のポイントは、「ひたすらネイティブが日常会話で使うフレーズを聴いて、発音を真似す

  ること」。つまり、「単語を単体で機械的に覚えていくのではない」ということも、しっかり頭に入

  れておいてください。「単語の集合体」であるフレーズを覚えれば、最低限の基本的な語彙は自ずと

  身に付きます。単語帳などで機械的に語彙を増やしても「どんな場面で使えるのか」がわからなけ

  れば、覚えても意味がありません。

 

  Kazuがすすめる覚えるべきフレーズ30

   ①お名前はなんですか ②出身地はどこですか ③どこに住んでいますか

   ④元気ですか ⑤あなたはどうですか ⑥はじめまして ⑦何をしていますか

   ⑧〇〇語を話しますか ⑨なぜ〇〇語を勉強していますか ⑩なぜなら〇〇だからです

   ⑪どれくらい〇〇語を学んでいますか ⑫趣味は何ですか ⑬○○したことはありますか

   ⑭〇〇してもいいですか ⑮いつ〇〇しましたか ⑯〇〇が好きですか

   ⑰〇〇はどういう意味ですか ⑱〇〇ができますか ⑲〇〇がありますか

   ⑳もう一度言ってください ㉑〇〇はいくらですか ㉒〇〇に行きたいです

   ㉓〇〇まではどうやっていきますか ㉔どの〇〇ですか ㉕あの方はどなたですか

   ㉗おすすめの料理は何ですか ㉘これをください ㉙お会計をお願いします

   ㉚○○していただけますか

 ・最低でも、この30フレーズをスラスラ言えるようになったら、基礎固めはとりあえず完了と見な

  していいでしょう。

 

 言語学習のステップ②:実践的な文法を学ぶ

 ・「ステップ②に進む段階になったらステップ①はおしまい」ではなく、ステップ①は継続しつつ、ス

  テップ②を採り入れるということです。

 ・実践的な文法を学びつつ頻出単語1000~3000語を覚えてしまえば、それらを自由に組み合わせて、

  日常会話くらいは不自由ないレベルに到達できるということです。

 「まずは英語を学びたい」人へ

 ・「まずは、英語を習得したい」という思いで本書を手にとってくださった人も多いかと思います。

  日本語話者にとって「日本語とまったく異なる英語」は難易度が高い言語なのです。さらに、英語

  には日本語にはない音があるため、日本人は英単語を正しく発音するだけでも苦労します。

 ・ひとつ問題となるのは、本書でおすすめしているPinsleurは基本的に、英語で外国語を学ぶためのア

  プリであるという点です。2024年2月現在、日本語で英語を学ぶコースはありません。英語を習得す

  るためにステップ①②を踏んでいくには、自分でちょうどいい外国語学習アプリやテキスト教材を

  探す必要があります。まずおすすめしたいのは、ケンドラ・ランゲージ・スクールです。

 外国語学習で気をつけるべきこと

 ・カタカナ読みでフレーズや単語を音読するのはおすすめできません。「自分で発音できる音は、聴き

  取れる」というのが、本書における外国語学習法の考え方です。では、なぜカタカナ読みがよくな

  いかというと、正しく発音できることがリスニングの向上につながるからです。ネイティブの発音

  を聴いて真似しているうちに、ネイティブと同様に発音できるようになります。そしてネイティブと

  同様に発音できるようになると、その音が自分の耳に入るため、さらにネイティブの発音を聴き取

  れるようになります。

 

第4章 外国語習得を加速させる習得術

 一継続のコツは「勉強」を「遊び」に変えること

 ・効果的な方法を効率的に実践していけば、日常会話レベルなら半年~1年間で習得できるでしょう

  ここで大切なのは、「勉強時間」ではなく「勉強量」であることです。無理のない時間配分で学んで

  いくのがベストだと思います。あまり上を見すぎず、焦らず、「とにかく、やめないこと」「毎日、

  その言語に触れること」を意識してください。

 ・本書で言う「効果的な方法を効率的に実践する」プロセスとは、ネイティブの発音を聴いて真似し

  つつ、先に頻出フレーズのストックを作ってから文法を学び、さらにフレーズと語彙のストックを

  増やしていくことです。最初はPinsleurなどの音声教材を使って、ひたすらネイティブの発音を聴

  く、真似て発音する、こうして頻出フレーズのストックを増やしていく。

  やがて文法的な知識を補ってからもなお、この練習は続けます。さらには、身につけた文法知識の

  もとでたくさんのテキストを読む、そして自分で文章を書いてみる。この繰り返しにより、着実に

  リスニング、スピーキング、リーディング、ライティング、そして語彙力が総合的に上達していきま

  す。

 歯磨きするように語学を学ぶ一習慣化のコツ

 ・継続の最大のコツは習慣化です。そのためには、1日のうちの「どのタイミングに勉強するのか」

  を予め決めておくことをおすすめします。また、1日にどれくらい勉強するのかを「時間の長さ」

  でははく「量」で決めることも大切です。毎日、決まった時間に、決まった量を勉強する場合、外

  国語学習が一気にはかどることはありません。その代わりに、突然、失速するリスクも限りなく低

  くできます。毎日、一定のペースで学んでいくことが、結局のところ最も確実なのです。

 学習中の言語を「日常生活に組み込む」ステップ

 ・毎日、頻繁に触れているスマホの言語設定を学習中の言語に設定しておくと、その言語に触れる時

  間が格段に増えます。これも、なるべく「その言語が頭から離れてしまう時間」を減らすための工

  夫です。

 ・ライティングを上達させるには、やはり実際に文章を書いてみるのが一番です。短文を書く事に慣

  れてきたら、次は、もう少し長めの文章を書く練習として、その言語で日記をつけます。言語は日

  常的に使用しないと、徐々に忘れてしまうものです。色々な方法を試して気づいたのは、1日たっ

  た5分でも言語に触れる時間をつくるだけで、大きな違いが現れるということです。

 

第5章 絶対に挫折しないマインドセット法

 一「完璧主義」「苦手意識」「恐怖心」を取り除く

 語学に「完璧はありえない」と割り切る

 ・文法や文字、発音が難しいと感じたら、とりあえず文法そのもの、文字そのもの、発音そのものに

  は注力せずに、いったん脇に置く。フレーズや単語にたくさん触れることを通じて、徐々に体得し

  ていけばいいか、くらいの気楽な感じです。

 自己暗示をうまく活用する

 ・私がネイティブを話すときに意識していることを、2つほど共有します。

  1つめは、「フィラー」を言う時も、ネイティブと同じように、その言語で言うことです。フィラー

  とは、次に言うことを考えている間や、話し始めの取っ掛かりとしていう言葉のこと。英語だと

  「Well...」「Um...」「You know...」[So、」などがフィラーに当たります。ほんの1語、2語から成る

  フィラーなど、取るに足らないと思ったかもしれません。しかし、それくらい小さな言葉すらもネ

  イティブのように言うことで、「日本語話者としての自分」を静かにさせることができるのです。

 外国語習得の道は「螺旋階段」

 ・自分の実力値は「どこまで進んだか」という教科書的な指標ではなく、あくまでも実践を通じて確

  認していってください。その言語の映画やドラマを観る、ネイティブが話しているYou Tubeチャン

  ネルやPodcastを視聴する、ネイティブと話す機会を積極的にもつ、本や漫画、ネイティブが発信し

  ているSNSやブログを読む。

 

●● ピークパフォーマンス方程式 ●●

 ①「勉強」ではなく「使うために学ぶ」

  外国語は試験のためではなく「話したい・使いたい」という目的で学ぶと、継続力と吸収力が大き

  く変わる。興味のある国や文化と結びつけるのが鍵。

 ② 最初は「発音マネ」から入る

  単語暗記より先に、ネイティブの音をそのまま真似することが重要。聞く力と話す力はセットで伸 

  び、ここが土台になる。

 ③ フレーズ単位で覚える

  単語単体ではなく、「そのまま使える会話フレーズ」を覚える。これにより、実際の会話で即使える 

  力がつく。(例)「もう一度言ってください」「いくらですか」など、すぐ使う表現から覚える

 ④ 文法は後から実践的に学ぶ

  最初から細かい文法にこだわらず、フレーズに慣れた後に整理する。使いながら理解することで効 

  率が上がる。

 ⑤ デジタルツールを活用する

  音声教材(Pimsleurなど)、翻訳アプリ、オンライン会話(italki等)を使い、インプットとアウト

  プットを同時に回す。

 ⑥ 毎日少しでも触れる(習慣化

  長時間より「毎日継続」が重要。5分でもいいので、生活の中に組み込む(スマホの言語変更、日記

  など)。

 ⑦ 完璧を目指さず、とにかく使う

  間違いを恐れず話すことが上達の近道。カタコトでも母語で話すことで一気に距離が縮まり、実践

  力が伸びる。