被害者遺族と宝塚歌劇団が合意書を締結した。

合意書の正確な内容は分からないし、発表から時間も経過してしまったが、個人的な感想を書いてみる。
(概要については↓が良くまとまっていると思った)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240328/k10014403941000.html


・前提

問題に関する今まで個人的な感想は以下の通り。




・合意に関して

合意書の詳細は分からないが、内容はこんな感じだろう。


・劇団側

①パワハラの存在と自殺との因果関係を認める

②パワハラは組織的な問題であり改善を行う

③パワハラを行なった生徒から謝罪文を提出する(全員ではない)

④組織の問題なので、加害者個人に対し目に見える形での懲罰は行わない

⑤慰謝料の支払いを行う


・遺族側

①本件に関する追加の要望は行わない

②宙組公演の再開を容認する

③民事訴訟は行わない


・合意に対する感想(遺族側)

最初に感じたことは、遺族側の宝塚歌劇団へのリスペクトだ。

世の中の宝塚歌劇団を配慮なく批判する人たちとは違い、とにかく嫌がらせが出来れば良い、人の不幸は蜜の味、復讐したい、といった考えの人たちではない。

だからこそ、加害者への罰ではなく、被害者の名誉回復と今後の改善策への理解によって合意したのだと思う。

娘たちが夢見て愛した(もしかしたら遺族自身も)宝塚歌劇団を本当に憎むことは出来なかったのではないか、と思う。


・合意に対する感想(劇団側)

初回の調査結果発表後、猛批判を浴びて方針転換してからは殆ど問題がない対応だったと思う。

というか、初回の調査結果もパワハラの存在と自殺との因果関係を少しでも認めていたら、そこまで悪く無かった。

その証拠に改善策の基本方針は殆ど変わっていない。



今後は改善の実行力が問われる。

上記ブログでも書いた通りだが、監査が正常機能していることを確認出来るように、定期的に改善内容を発表してもらえると良いと思う(やらないと思うけど)。


・宝塚歌劇団は個人の責任を回避出来たか


結論としては、出来なかったと思う。

法的には回避出来たが、実態としては個人の責任は問われることになると思う。

理由として、幹部上級生と何度も名前が上がっている上級生に関しては、ほぼ特定されたと言っても良いからだ。

該当の生徒が批判に晒されることは避けられないだろう。

恐らく、公演再開のタイミングで文春などで批判記事がまた出るだろう。

ここで劇団がどんな対応をするのか、これが次に注目すべきことになると思う。

なお、私は名指しされた人だけを、批判することには反対だ。

これは別のブログを書きたいと思う。


・最後に

あらためて故人に対して哀悼の意を表します。


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