宝塚歌劇団宙組所属のタカラジェンヌが自殺した。
様々な報道が行われており、その信憑性が明らかではない中、外部弁護士の調査結果を宝塚歌劇団が会見で報告した。
会見の個人的な感想を記載してみる。
なお、報告書自体の感想は以下の通り。
・要約
①報告書の内容を全面的に認める
②組織的な問題の存在と責任を認める
③故人に様々な要因によって心理的な負荷がかかっていたことを認める
④いじめやパワハラの存在は認めない
⑤組織的な問題の改善を行うことを約束した
・遺族側や世間の印象と一致しない部分
恐らく「④いじめやパワハラの存在は認めない」ことだと思う。
それ以外は殆ど存在と責任を認めており、一般的な企業や政治家等の謝罪会見で見られる過剰な保身的な発言や考えがあるようには感じなかった。
では、なぜいじめやパワハラは認めないのだろうか?
・宝塚歌劇団がいじめやパワハラを認めない理由
個人的な予想だが、「個人の責任を問う」ことを避けているのではないか?と考える。
仮にいじめやパワハラの存在を認めた場合、「誰がやったのか」という話になる。
必然的に加害者を特定し処罰する、という流れになるだろう。
宝塚歌劇団としては、これを行いたくないのではないか。
・加害者の特定を避ける理由
宝塚歌劇団側の事情から、いくつか仮説が考えられる。
1、情報や証拠不足で加害者の特定が難しいため
2、問題や関係者が多すぎて加害者の特定が難しいため
3、指導とパワハラの線引きが困難で加害者の特定が難しいため
4、いじめやパワハラかもしれない強い指導と自殺の因果関係が証明出来ないため
5、加害者が激しい批判に晒されることを避けるため(自殺を選ぶかもしれない)
6、自殺をしていなくても、同じようなことが過去や現在宝塚歌劇団内で沢山発生しており、同様の対処が必要となると、収拾がつかなくなる可能性があるため
7、メモやLINEを見ても、本人がいじめやパワハラだと認識した証拠が無かったため
正直、どれなのか分からないし、ここに書いていない他の可能性もあるだろう。
完全に個人的な考えだが「5、加害者が激しい批判に晒されることを避けるため」もしくは「6、自殺をしていなくても、同じようなことが過去や現在宝塚歌劇団内で沢山発生しており、同様の対処が必要となると、収拾がつかなくなる可能性があるため」は、非常に気にしているのではないか、と思う。
・今後
遺族側はいじめやパワハラの認定と、加害者からの謝罪を要求している。
示談となるのか裁判となるのか分からないが、今後も世間の注目を集め続けることになると思う。
恐らく、このまま問題が収束することは無いだろう。
いじめやパワハラを認めない方針が、最終的に宝塚歌劇団にとって良い結果を招くのか、悪い結果を招くのか。
何となく、方針を変えなければならない時が来るような気がするが、今後も注視したい。
・最後に
あらためて故人に対して哀悼の意を表します。