誰でもできます。でもあまり稼げません。(終わっちゃった)
 


今日は日曜日なのに雨がシトシトと降っています。

 

こんな日は家の中でのんびりと過ごすのが吉ですね。

 

仕事の日に雨だと憂鬱になるけれど、お休みの日や寝ている時の雨って嫌いじゃないんですよね。

 

安全な屋内で聞く雨音は、心が落ち着きます。

 

 

さてさて、今回の記事はタイトルの通り民間救急の内情についてです。

 

多分ニーズはないと思うんですけど、今日はこの記事を書きたい気分でした・・・。

 

情報量が多くなりすぎるので、前編と後編にわけて投稿予定です(後編は来週のどこかで)。

 

 

民間救急や介護タクシーをはじめ、その他諸々の目立たない仕事って色々ありますが、よそから見ると「一体どんな仕事をしているのか謎な存在」だと思うんですよね。

特に我々の業界は歴史がめっちゃ浅くて、多分ここ15年くらいに出来た業界なんだと思います。

10年やっている私もだいぶ古株になってきました。

なので実態を知ってもらうべく記事にしてみました、誰向けだよって感じですがもし興味があればご参考ください。
 

  仕事内容


仕事内容は主に病院関係です。

病院からの依頼で入院中の患者さんを退院、転院等しています。

特に病院側と契約を交わしているわけではなく、必要に応じて呼んでもらう感じですね。

 


次に同じくらい在宅の患者さんから依頼があります。

自宅から病院に入院、通院する場合です。

当然こっちも契約を交わしているわけではなく、必要に応じて呼んでもらうって感じです。

コロナ禍前は里帰りとか、旅行とか、冠婚葬祭の仕事もありました。

施設から花見の依頼なんかも・・・。

今はあってもお葬式です、あの頃が懐かしい。


何にしても介護保険外の仕事になるので、特に規制とかはほとんどなく、皆自由にサービス料金を決めて自由に仕事をしていますよ

国土交通省的には歩行困難者専用のタクシーみたいな位置づけなんだと思います、だからタクシーメーターより安くしないこと、一般的なタクシーの客層(健常者のみ)は乗せてはいけない事が唯一の条件です。

介護保険外ということは全額自費を意味するので、当然料金は高くなりますが、その分自由が利くので介護業界の何でも屋みたいな側面も持っています。

 

  必要な資格

 

実は自動車2種免許だけでスタートできます。

医療・介護・救命系の資格を持っている人が多いですが必須ではないんです

何かの講習に参加しなければいけないとかもないです(講習自体は色々ありますが参加義務はない)。


こう考えると、入口はかなり広いんですよ

でも入口が広いということ、それはつまり仕事をスタートした瞬間から、中身が素人でもプロと同等の働きぶりが求められるということ。

 

周りには救命士や看護師、元消防の職員などがゴロゴロいます。

 

そんな中に、いきなり肩を並べてスタートするってこと、

 

 

これ、結構怖いことです

 

 

 

この業界、全てが信用だけで成り立っていると言っても過言ではないので、仕事が出来なければ大事な信用を失います。


ですから始める場合には、まずは同業者の先輩方に相談して、研修をさせてもらうことをオススメします。

私のところにも過去何度か「研修させてください」って新規参入される方がきました。

 

行政が寛容な分、自分自身で実力を把握して、しっかりと安全マージンを管理しなければいけません。

 

  売上や手取り


では気になる(?)売上について。

 

介護タクシーで軌道に乗りフル稼働した場合の売上は月40-50万円くらい。

民間救急では月50-70万円くらいだと思います。

これ以上稼いでるところもありますが相当やり手ですし、少なくとも私のような午後6時にはお風呂に入ってゴロゴロしたいタイプの人間には無理です。

あと地域差もありますから、人口の少ない地域だと、もっと落ちると思います。

 


次に、上の売上から経費類が差し引かれます。

スタッフ1名、車両1台あたり(月)

・各種保険料1万5千円
・ガソリン代4万円
・車両の維持管理費2万円
・消耗品費5千円

ここに車両のローンやリースをしている方は5~12万円くらい。

その他で借入がある場合は返済金。

事務所を借りている方は賃料と水道光熱費、等々。


小規模でも事業をするとなると結構お金がかかります。


で、肝心の手取りについてですが、分かりやすくざっくり言うと

雇われドライバーさんの場合→月15~30万円

事業主さんの場合→月25~50万円

くらいの給与所得になるイメージです。


とは言っても働き方は皆さんそれぞれです。

例えば仕事はほどほどにしてプライベート優先の事業者さんもいると思いますし、プライベートよりもお金を稼ぐ方が優先だという事業者もいると思いますから、一概には言えません。

 

でも平均すると、平均的なサラリーマンと同等くらいなんだと思います。


少なくとも、就職先として一般的にオススメできる職業ではないです。

 

雇われの搬送ドライバーさんは給与は低いですから、色々な条件がマッチしない限り働けません(雇う側も雇われる側も)。

 

  稼ぐポイント(←誰向けだよ)


個人で起業する場合、どの仕事にも当てはまりますが、とにかく最初は費用を抑えることです。

特に最初の車両は中古で十分

自己資金内で収めること、収められなくても借入は最小限に、がポイントです。

お客さんからすれば新品ピカピカのほうが気持ちが良いのは間違いありませんが、例えば旅行でどこかに宿泊する時に、新築のホテルも築50年のホテルも、きちんと手入れが行き届いていればどちらも良くないですか。

結局目的は宿泊することと非日常なので、民間救急の場合は必要な設備が整っていて安全に移動できることです。

つまり新品ピカピカは、事業者側の見栄が大部分をしめるような気がしています。

それに新品でも時間が経てば古くなりますからね。

お客さん側はそこまで細部を気にしていません。
 

  介護タクシーと民間救急の違い


実はこれ、明確な違いはありません。

法的な違いも無いです。

その前提で読んでください。


民間救急には医療用酸素が必須だと思います。

屋号に民間救急とついているのに酸素が無いってなると「なんだそれ??」ってなる感じですね。

でもこれ、多くの介護タクシーも医療用酸素を持っているので、やはり明確な違いというわけではないんです。


傾向としては、民間救急と名前がつく限り重度の比率は高くなります。

あと精神疾患患者とコロナ患者対応が付き物です。

介護タクシーでも精神疾患患者とコロナ患者対応をしているところも数多くありますが、何となく民間救急の方が相応しいという世間の風潮により、この傾向にあります。

重度の方や危険の伴う仕事ほど単価が高くなる為、民間救急の方が少し売り上げがあがる感じです。


これらの理由から、多くの民間救急さんは介護タクシーとの差別化をはかるために、色々工夫をしています

 


代表的な例が救急車。

 


引退した救急車を買い取って、民間救急車に改造して運営しているところが結構あります(私は何となく恥ずかしいからやらない・・・)。

何も知らない人から見たら完全に救急車です。

ただ、赤色灯やサイレンはつけることができないので、無音の青色灯になります。


それ以外にも看護師や救命士の添乗サービスなんかも、民間救急さんっぽい付加サービスなのだと思います。


補足:
一応陸運局では「民間救急」という許認可があるのですが、これはあくまで時間貸運賃で運航する為の許可であって、特段取る必要はありません。

これを取るとタクシーメーターを取り付けしなくても営業できるようになるメリットがありますが、そもそもタクシーメーター制の方がお客様にも分かりやすいから、私の地区では皆さんタクシーメーターで運営していますね。

だってメーター無しで時間貸運賃制って、要するに言い値ってことですから


そういえば福祉タクシーという名称もあります。

Googleで検索してみたら介護タクシーと福祉タクシーの違いについて何やら書いてますが、結局はひっくるめて介護タクシーです。

福祉タクシーと名乗ったところで

お客さん「介護タクシーさんですか?

福祉タクシー「は、はいそうです

ってなるのが関の山ですからね。
 

  民間救急は救命士の受け皿になっている


毎年、たくさんの人が学校を卒業して晴れて救命士になっていますが、そのすべての人が消防に就職できるわけではないのです・・・。

消防で働きたいから学校に行っても、そのひと握りしか消防に就職できないって、残酷な現実ですよね。

その溢れてしまった救命士たちの受け皿の一部を担っているのが民間救急です。

1つ前の項目で説明した、救急車風の車両にするところが多くなっているのも、こうした背景が関係しているのかもですね。
 

  救急車があるのに搬送ニーズがあるの?


これは多くの方が勘違いしていると思いますが、重度だから救急車というわけではありません。

緊急度の高い人が救急車なのです。

例え話はたくさんありますが、一つあげると、見取りで病院や施設から自宅に行くような患者様の場合は、基本的に搬送全般が民間になります。

ご本人がいよいよ急変すると家族が心変わりして「やっぱり病院に」なんてこともありますが、病院の担当者は多くの場合「介護タクシーさんや民間救急さんにご依頼ください」って言います。

救急車で来られても特に処置が無いためです。

死にそうだから救急車なのではなく、1秒でも早く病院に連れて行けば命が助かる(逆に言えば早く病院に行かないと命が危ないかもしれない)という状態の人が救急車ってイメージですね。

いくら重度でも手の施しようがない場合は病院側も「救急車で連れてこられても・・・」と難色を示されます。

病院によっては救急の医師に𠮟られることもありますのでご注意を。

 

  前編まとめ

 

こんな感じで、仕事内容と稼ぎについて書いてみました。

 

普段とは全然違う趣旨の記事になりましたが、大丈夫でしたか?('Д')

 

 

ってか、これだけ見るとあまり魅力的な仕事には見えませんねw

 

でもちゃんと働くメリット?仕事としての魅力?がたくさんあるんです。

 

本当は1つの記事にまとめようと思ってたのですが、魅力について書き始めてみたところ情報量が増えすぎてしまい前編後編に分けることにしました。

 

それだけ私がデメリットよりもメリットを多く感じているということなのだと思います。

 

次回は来週のどこかで投稿しようと思っていますが、私はその日その日の気分で記事を書いちゃってます・・・。

 

なのでいつ投稿するかまでは明言しませんが、まぁいつも通り適当に読んでやってください。

 

では素敵な日曜日を!

 

 

良かったらイイネとフォローをしてまた来てくださいね。コメントもお気軽に。

 

2022/8/29追記→結局翌日に後編を投稿しました!