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なくい外科内科胃腸内科クリニックのブログ

2017年5月8日、宮城県岩沼市あさひ野にオープンした「なくい外科内科胃腸内科クリニック」です。
かかりつけの皆様やクリニックに興味をお持ちの皆様に、
少しでもお役にたてる情報を提供できればと考えております。

先日、地域の薬剤師の方々を対象とした講演会があり、

抗血栓薬と消化管障害についてお話してまいりました。

 

抗血栓薬は、心筋梗塞や脳梗塞などのご病気を予防するために処方されることが多く、

血栓・塞栓の形成を予防する薬剤で、

おおまかに、その作用機序から抗血小板薬と抗凝固薬に大別されます。

 

容易に想像していただけると思いますが、

血栓ができにくくなると言うことは、出血が止まりにくくなる作用と同じですので、

潰瘍やがんなど消化管に出血しやすいご病気があると、

容易に出血を来してしまいます。

ですから、これらの薬剤は、

血栓を作りにくく、かつ出血性の合併症を起こさないような

よいバランスを維持していかなければ、

最大の効果を発揮することができません。

そのため、処方された薬剤をしっかり服用していただくことはもちろんのこと、

出血の合併症を起こさないように、

日頃から十分注意する必要があります。

 

出血の合併症で最も重要なものが消化管出血です。

たとえば、内服を開始する患者さんにあらかじめ胃潰瘍や胃癌、大腸癌があれば、

内服開始直後または内服を続けているうちに

いずれ吐血・下血などの症状を起こしてしまいます。

 

さらに、抗血小板薬であるアスピリンという薬剤は、

直接胃粘膜を傷害する作用を有しているため、

長期間服用しているうちにができてしまい、

吐下血を起こしてしまう危険性があります。

同様の作用は、腰痛・頭痛・風邪薬などに使用される解熱鎮痛薬(NSAIDs)にもありますので、

これらの薬剤を長期間服用している方も要注意です。

 

ひとたび抗血栓薬を服用している患者さんが消化管出血を起こしてしまうと、

格段に死亡率が上昇することが知られています。

しかも死亡原因としては、消化管出血による出血多量・出血性ショックを想像される方が多いと思いますが、

実は心筋梗塞や脳梗塞など元のご病気が増悪して死亡する確率が非常に高くなります。

これには様々な理由があるとされていますが、

出血治療のために抗血栓薬を中断することが一因とされています。

 

抗血栓薬で治療している患者さんが消化管出血を起こさないためには

どのようなことに注意するとよいでしょうか?

 

やはり、治療が始まる前に胃癌検診・大腸癌検診を受けること、

そして治療している間も定期的に検診を行うことが大切です。

特に、胃・十二指腸潰瘍の既往がある方、長期間内服している方、複数の抗血栓薬を服用している方、高齢の方、ステロイドを服用している方は特にご注意ください。

治療が始まる前にしばらく胃癌検診や大腸癌検診を受けていらっしゃらなかった方は、

是非、直近の胃癌検診・大腸癌検診をお受けください。

また、すでに腹痛・胃もたれ・食欲不振・黒色便などの症状を自覚している方は、

速やかに主治医の先生か、内視鏡検査が可能な消化器専門医にご相談ください。

 

今後もクリニックでは、地域の薬剤師の方々と連携し、

抗血栓薬を服用している患者さんの消化管出血の予防に努めてまいります。

 

 

 

 

 

 

 

 

先日、クリニックは開業1周年を迎えました。

クリニックの運営にご尽力くださいました皆様に

厚く御礼申し上げます。

 

さて、クリニックは開業1年を迎えると、

厚生局による新規個別指導を受けることになります。

これまでにも診療報酬改定時の集団指導などはありましたが、

開業後の1年の医療機関は、直接厚生局に資料を持参し、

適切な保険診療を行っているか面接しながら確認していただくことになります。

 

当クリニックにも指導約1ヶ月前に通知があり、

指導約10日前までに必要書類に記入し、FAXします。

原本は当日厚生局まで持って来るようにとの内容でした。

さらに、指導約1週間前には診療録の提出が必要な患者さんのリストが送られてきて、

血液検査や検査画像、検査所見用紙などを添付し、

指導当日に持参します。

 

持参した書類は膨大な量となり、

当日は丈夫な手提げ袋や段ボールに入れるなどして、

参加する3名で両手に抱え何とか持ち込みました。

書類を台車で持ち込む方もいらっしゃるそうです。

 

落ち着かないこともあり、

私たちは呼び出し時間の30分前には厚生局に到着してしまいましたが、

厚生局の方のご配慮で、関係者が集まり次第新規個別指導を開始して下さいました。

当施設からは医師1名、医療秘書2名の計3名が参加しました。

厚生局3名、県医師会1名、地元医師会1名の計5名が指導担当者でした。

 

部屋に通されると、早速持参した書類に不備がないかすべて点検されます。

一通りの点検が終わると、参加者が挨拶・自己紹介を行い、指導が始まりました。

医師の指導はもっぱら、持参した診療記録をもとに進められます。

診療内容・カルテ記載と病名記載・診療報酬請求内容との間に矛盾がないか、

細かくチェックしていきます。

不備のあるところは改善を求められます。

途中から、医療秘書は医師とは別に、その他の提出書類について指導を受けます。

 

指摘を受けた主な改善内容としては以下の通りです。

・病名は遅滞なく速やかに整理すること

・特定疾患患者ごとに適切な指導を行い、その内容を記載すること

・電子カルテのパスワード設定8桁以上とし、2ヶ月毎更新すること

厚生労働省 医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第5版(平成295月)

・個人情報保護に関する勉強会を年1回開催する

 

特に、パスワードについてですが、

昨年5月の開業時点では旧ガイドラインでしたから

開業時より4桁で運用しておりました。

8桁を2ヶ月毎にとの指摘は少し驚きました。

確かに厚生労働省のガイドライン56ページに記載が確認できましたが、

日本の総務省「国民のための情報セキュリティーサイト」では、

「IDパスワードが流出した事実がなければ、

パスワードの変更は必要ない」と記載されています。

もちろん医療者として厚生労働省のガイドラインを遵守してまいりますが、

さすがに8桁2ヶ月更新、英単語や固有名詞を避けて、英数字・大文字・小文字を混ぜてなど

かなり大変なことと思います。

今後はガイドラインを遵守しながらもより簡便な生体認証などに変更できないかなど、

電子カルテのメーカーともお話していく予定です。

 

さて、約40分間の指導の後、5~10分間一度指導室を退席します。

指導担当者が指導内容について合議しているそうです。

その後、指導室に改めて入室し、最終的な評価を伺いました。

指導を受けた点について、速やかに改善するようにとのお言葉で終了となりました。

約2週間後、同様の内容で書類が送付されてきますので、こちらに改善内容を記載し郵送します。

 

指導前は先輩先生方にいろいろと脅かされましたが、

実際には、1年間の診療でわからないことや不備について、

一緒に改善していきましょうという前向きな指導との印象でした。

 

新規個別指導では、

クリニックの保険診療が開院以来しっかり行われていることを再確認でき、

「今後、さらにクリニックの診療をより効率的に、

そしてより良質な診療を患者さんに提供をしていこう!」と、

気持ちを新たにするよいきっかけとなりました。

開院以来日々業務改善を行い、

そして新規個別指導の提出書類も

完璧に準備してくれたスタッフの皆さん、

本当にありがとうございました。

これからも末永くお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

 

先日、「機能性ディスペプシア」について講演してまいりました。

「胃もたれ」を感じた方は少なくないと思います。機能性ディスペプシアとは、内視鏡的に見て炎症や腫瘍などのご病気がないのに胃もたれや腹痛を来す疾患で、主に胃の蠕動運動が異常を来していることが多いとされています。

 

数多くの先輩先生方を前に大変緊張しましたが、これまでの食道外科医・内視鏡診療医としての経験をもとに、最新の胃食道逆流症(GERD)診療ガイドラインと機能性ディスペプシア(FD)診療ガイドラインの解説と、その問題点、内視鏡診療を行っていない先生方がどのように取り扱っていけばよいのか、一緒に勉強させていただきました。

 

クリニックでは、胸やけまたは胃もたれの症状があると、改定Fスケールという問診票をご記入いただくようにしています。改定Fスケールでは、胸やけ症状と胃もたれ症状どちらも7項目ずつ質問項目があります。最も気になる訴え(主訴)は胸やけまたは胃もたれのどちらかですが、どちらか一方だけの症状しかない患者さんよりもむしろ、どちらの症状も少なからずあると訴える患者さんの方が多いのです。その場合、どちらか一方の症状に対して治療を行っても、十分効果が得られない場合や、もう一方の症状が残存し、結果的には患者さんの満足度が上がらない可能性があります。さらに、胸やけに対してPPIという制酸剤で治療が始まり症状が改善傾向と判断されると、しばらく食道癌や胃癌などの発見が遅れてしまったり、ピロリ菌胃炎の検査・治療のタイミングが制限されてしまう可能性がありますが、内視鏡検査をもたない開業医の先生方は、まずPPIで症状をとってあげたいという気持ちが強く、内視鏡検査を依頼することに躊躇される傾向があります。

 

今回、地元ではない医師会の先生方とガイドラインの問題点や記載のない領域について和やかに意見交換できたのは、本当に貴重な経験でした。内視鏡診療を通して地域の方々に貢献していく当クリニックでは、近隣の開業医の先生方が少しでも内視鏡検査依頼の敷居を感じないよう、今後も一層検査依頼に柔軟に対応していきたいと考えております。

先日、製薬会社の方を対象として、「慢性便秘症診療の現況と新しい便秘治療薬の展望」について講演してまいりました。

 

平成291127日に掲載したブログ「慢性便秘症診療ガイドライン、ご存じですか?」でものべましたが、便秘診療はどの診療科でも日常的に行われているにもかかわらず、これまで診療ガイドラインはなく、個々の医師の経験に基づいて自由に治療を行ってきていました。消化器診療医は最近の研究結果や新薬の情報を知りうる立場にあるので、それなりに現在最も効果的な診療の進め方にについて改善がはかられていますが、それ以外の診療科の先生方の場合は、その先生が現状で満足してしまえば何十年も改善なく、漫然と同じ診療を繰り返してしまい、新しい治療薬を試すことさえしなくなってしまいます。

 

かつて便秘診療は、排便回数を最も重要視した治療が行われており、回数のみを改善して下痢便のままでも仕方がないと患者さんに納得させていた医師も多かったのですが、今回の慢性便秘症診療ガイドラインでも強調しているとおり、その患者さん一人一人にあわせた「快便」に調節してあげることが最も重要です。

 

今回の勉強会では、前施設において消化器科以外の診療科で行われている便秘診療の実態と、当クリニックで行っている便秘診療の実際について比較しながらプレゼンテーションさせていただきました。ガイドラインを遵守しながら、最近の新しい治療薬の特徴を活かした診療をすると、どのような改善が得られるか、ご理解していただいたと思います。また、同時に製薬会社からの情報提供がいかに重要であるかについてもお話してまいりました。

 

「たかが便秘」とお考えの方も多いと思いますが、「少しでも便秘の調節がよくなったらいいな」とお考えの方がいらっしゃいましたら、遠慮なくご相談ください。当クリニックでは、これからも地域の便秘診療に真剣に取り組んでまいります。

平成30312日より、岩沼市民バスの路線改正・時刻表改正が行われます。これに伴い、なくい外科内科胃腸内科クリニック前に「あさひ野」バス停留所が設置されることになりました。

 

「あさひ野」バス停に停車する路線は、「東西線」と「東西循環線②:大回りコース」の2路線で、平日は反対車線も含めて22便が停車するそうです。

 

東西線は、玉浦小学校前~岩沼駅東口~あさひ野~岩沼駅西口~グリーンピア岩沼の順で停車するため、岩沼駅をご利用の方やその周辺にお住まいの方はもちろんのこと、土ヶ崎・平等・中央3丁目バス停・桜5丁目バス停の近隣にお住まいの方は通院が便利になりそうですし、連携している各クリニックへの紹介の利便性も向上しそうです。また、市民会館北バス停も通るため、総合南東北病院への紹介も便利になりそうです。

 

東西循環線②:大回りコースは、循環路線のため一方通行となってしまいますが、三色吉・竹の里・朝日からの来院、栄町・舘下・中央3丁目バス停・桜5丁目バス停周辺へのお帰りが便利になりそうです。

 

これまで自家用車やタクシーで通院されていた患者さんも数多くいらっしゃいましたので、今回のバス路線・時刻表改正は、きっと当クリニックを利用される患者様にとって朗報と思います。

 

これからもご利用いただいている患者様のニーズを吸収し、職員一丸となってさらに成長してまいります。

 

追伸:以前(2017629日)のブログでも話題にしておりましたが、反対車線のバス停を利用される方のためにも、横断歩道や信号の設置も期待しております!!

年末からインフルエンザが少しずつ発生しておりましたが、

年明けから、インフルエンザの患者様が多くなってきております。

 

今シーズンの当クリニックにおけるインフルエンザ検出状況を見ますと、

A型とB型の比率はおおむね 1 : 1 となっておりました。

例年、年末から2月頃にかけてA型の流行し、

その後B型が流行し始め、卒業式・入学式シーズンにピークを迎えるのですが、

今年はB型が初めからA型と同じペースで流行しています。

A型・B型、どちらかを発症された方であっても、

もう一方のインフルエンザを発症することもありますので、

十分ご注意下さい。

 

比較的症状の軽い患者様も少なくありませんので、

風邪?と思っても、全身倦怠感や筋肉痛、頭痛、関節痛をともなう場合は、

お近くのクリニックでインフルエンザ検査をお受けいただくことをおすすめいたします。

 

予防法は「うがい」、「手洗い」、「マスク」と言われておりますが、

何より免疫力を落とさないよう、「睡眠」、「栄養」、「加湿」もお忘れなく。

それから、風邪症状のある方が周囲に飛散させないようマスクを着用する

「咳エチケット」にも是非ご協力下さい。

 

 

 

 

 

新年あけましておめでとうございます。

2017年5月に開院し、8ヶ月を経過いたしました。

大勢の皆様のご支持をいただき、

大変うれしい限りでございます。

これからも地域の皆様のお役に立てるよう努力してまいります。

今年もなくい外科内科胃腸内科をどうぞ宜しくお願いいたします。

当クリニックは1月4日より診療を開始しております。

 

さて、

今年度のインフルエンザワクチンの供給が遅れていたことは

前回までのブログでご説明させていただきましたが、

これに伴い、岩沼市では、

高齢者のインフルエンザ予防接種の助成可能期間を

12月末から1月末に延長しております。

 

インフルエンザワクチンの接種対象の方で、

ワクチン供給の不足により予約もできなかったという方や、

接種をあきらめていたという方がいらっしゃいましたら、

インフルエンザが本格的に流行する前に

接種していただくことをおすすめいたします。

 

特に高齢者はインフルエンザ感染が肺炎にまで増悪する危険性があります。

ワクチンは感染を完全に予防することはできませんが、

インフルエンザの重症化を抑える効果は確認されております。

「今までインフルエンザにかかったことないから・・・」

とお伺いすることも少なくありませんが、

高齢になるにしたがい、

生命に関わる重篤な肺炎を発症する危険性は確実に増加しますので、

是非可能な限り万全の対策をおすすめいたします。

 

岩沼市は宮城県内でも特に温暖な地域ですが、

今日は開院以来、初めての積雪でした。

朝早めに出勤すると、

受け付け開始1時間以上前にもかかわらず、

職員みんなで雪かき・融雪を始めていました。

 

さらに、心配した地元でも有名な地主さんが

雪かき・竹箒をもって駆けつけて下さいまして、

玄関・駐車場とも、あっという間にきれいになりました。

 

「雪が降ったら雪かきしましょう!」

というような申し合わせはしておりませんでしたが、

職員・地主さんがクリニックを気にかけて

自らの判断で行動に移してくださいました。

 

私以上にクリニックを好きでいてくれる皆さんに

深く感謝申し上げます。

 

クリニックの冬期休業は12月29日~1月3日です。

 

 

今月に入り、インフルエンザワクチンがたびたび在庫切れとなっていましたが、

ようやくワクチンが再び入荷するようになってきました。

近隣のワクチン接種希望の皆様には、

大変ご迷惑をおかけしました。

 

最近になって

クリニックにもインフルエンザを発症して受診される方が、

少しずつ増えてきております。

 

インフルエンザは

年末年始のお休みで帰省されるなど人の動きが多くなり、

それに伴って感染が広がり、

さらに休み明けに職場や学校に再び集まり感染が広がることで

本格的な流行につながることが多いようです。

 

冬休み明けの流行を控え、

お早めにインフルエンザワクチン接種を済ませることを

おすすめいたします。

 

 

これまでのブログでもご紹介したとおり、

今年はインフルエンザワクチンの入荷が遅く、

ときどき在庫切れとなっています。

クリニックをご利用の皆様には大変ご迷惑をおかけしております。

 

薬品卸の方々も、

これまでの取引先にも十分供給できていない中、

新規開業の当クリニックにもがんばって少しずつ供給してくださっています。

明日も少しですが入荷がありますので、

受験生などでお急ぎの方は、ご連絡ください。

それほどお急ぎでない方は、

月末には十分な供給があるそうですので、

今しばらく落ち着いてお待ちください。

十分な入荷が決まりましたらブログやホームページでお知らせしますので、

定期的にご覧になってください。

 

なお、当クリニックでは12月に入り

少しづつインフルエンザ陽性患者が発見されておりますが、

特に増加している傾向はありませんので

岩沼市近隣の皆様はご安心ください。