批判的頭脳

建設的批判を標榜し、以って批判的建設と為す。
創造的破壊を希求し、而して破壊的創造を遂げる。

note「経済学・経済論」はこちら↓
https://note.mu/motidukinoyoru/m/m90e376619260


テーマ:
noteにて、「経済学・経済論」執筆中!

「なぜ日本は財政破綻しないのか?」

「自由貿易の栄光と黄昏」などなど……



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金融の仕組みはどのようなものか、金融財政政策とは何のために行われるべきものか確認しておきたい。

もっともシンプルに表現すると以下のようなものになるだろう。


①政府・中央銀行は、通貨発行とその支出を行っており、徴税によって回収している。(通貨は根源的には政府が発行するものだから、その逆(徴税してから支出)はあり得ないということに注意したい)

②通貨は、交換と貯蓄のため、市中に一定量留まり流通する必要がある。


∴政府中央銀行はトータルで見て、継続的に赤字を計上する必要がある。(供給した通貨を徴税ですべて回収してはならないから)

特に、価格に硬直性がある場合(債務が名目値で固定され、物価スライド式でないときや、名目値の調整そのものにコストがあるときなどは特にそうなる)、政府・中央銀行は柔軟に通貨供給をコントロールし、総需要が過少にならないような政策を打つ必要が出てくる。

正確には、通貨供給はここで引用したように、信用創造(銀行融資による新規預金増加)によって増えることから、民間の信用創造によっても行うことができる。
(この民間信用には不安定性があるので、総需要の安定化のために政府信用率を引き上げるべきではないかという見解も成り立つ。その見解については”自由化されすぎた通貨供給”を国家化すべき理由 ―外部経済性を持つ財としての通貨にて紹介した。)





ただし、信用創造が起こるとき、それによって発生し得る銀行間決済のため、金融機関は銀行間決済用通貨を予備的に所有しておく必要がある。この銀行間決済通貨は、政府・中央銀行から直接発行された通貨である。これはベースマネー、マネタリーベースと呼ばれる。(一方で、実際に取引に用いられる通貨は、一般にマネーサプライ、マネーストックと呼ばれる)

BM
MS


(※中央銀行預金の供給方法として国債購入が主に使われる理由は、発行元が金銭営利が不要な政府なので損益に関係なく供給量を調節できる、政府が通貨の法的根拠である以上通貨が存続する限り政府が持続し続ける、国債以外の資産…株や不動産…を購入した際に発生する市場の歪みを避けることが出来る、などが挙げられる。)

(※※少しわかりづらいが、政府支出が国債発行によって行われた場合、政府支出の分だけ預金を純増させるので、政府が間接的な信用創造を行ったことになる)


また、中央銀行が存在しない場合、政府と中央銀行が一体となり、国債発行⇒買いオペという過程を挟まず、直接発行通貨による支出を行い、それが金融機関にベースマネーとして蓄積するものと考えられる。このように”統合政府”で考えると構図がシンプルになり、わかりやすくなる。

こうして、金融面の動きがはっきりしたことで、徴税と通貨発行の構図の相違性と類似性も正確に理解できる。
どういうことか。
政府債務発行による通貨発行(買いオペによるベースマネー発行と信用創造によるマネーサプライ発行の双方を意味する)で行う支出は、会計上は徴税の先送りになる。だが、通貨供給を減らさない限り、政府は永遠に徴税を先送りするし、通貨流通のため先送りすべきとなる。
しかしこの際、政府は実は金銭的な徴税を先送りしているだけで、実物的な徴税は行っているということに注目してほしい。
なぜなら、通貨発行による政府支出の分だけ、民間から財やサービスを受け取っているからである。通貨発行によってその財・サービスを奪っても、徴税で購買力を奪って財・サービスを獲得しても、どちらも等価な「実物的徴税」になるのである。

しかし、経済が通貨供給過剰なインフレにあるときは、通貨発行よりも徴税による「実物的徴税」が(インフレのコストがない分だけ)優位になり、経済が通貨供給過少なデフレ・ディスインフレにあるときは、徴税よりも通貨発行による「実物的徴税」が(総需要を供給し潜在産出力を引き出せる分だけ)優位になる、というわけである。



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追記:2016/3/27

さて、上記で述べたように、貨幣経済は、通貨を永続的に供給する必要性ゆえに、政府が永続的に債務を維持し続けることを要求する。永遠に履行されない債務の維持はなぜ可能か? これに答えを用意するのがネオ・チャータリズムである。

基軸通貨国アメリカが経常収支赤字を維持すべき理由にて解説したが、再説すると、国定通貨は納税機能が認められているがゆえに、その貯蔵価値と交換価値が認められている、という考え方である。
実際、日本円が流通するようになったのは、端的に言って日本円による納税が認められていたからだ。日本の統治下で生活する以上、日本政府に対する納税手段はいついかなるときも価値を持つ。納税を求められたときにしか使えないが、裏を返せば、納税を求められたときなら(通常の債権とは違い)期限も制約もなく、有無を言わさずに執行することが出来る。

こうして、国民が通貨を納税手段とみなし、これを納税のみならず貯蓄・交換に用いる限り、貯蓄と交換に用いる分に関しては、政府債務を維持できるのである。(ただし、政府債務を発行しすぎ、通貨を供給しすぎれば、インフレになるという別の問題がある)
逆に、一方的に通貨を供給するだけでは流通と貯蓄を促せないので、納税という最終需要を設定したのであると見做すことも出来る。この場合納税それ自体は、単に通貨の最終需要を確定させることだけを目的とした措置である。(既に説明したが、実物的な徴税は通貨発行でも可能なので、金銭的な納税にこだわる意味はないのだ) インフレ抑制に使えるというのは、あくまで補助的な機能に過ぎない。(参考:ricky20080221氏のネオ・カルタリズム解説

ただし、統治が崩壊し、徴税がなくなれば、その通貨は交換価値を喪失するだろう。消滅した国家の貨幣は、考古学的な価値しかない。





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