当座預金口座の説明 / 超過準備への付利批判 ~既得権益よりも危険な(緊縮)思想~ | 批判的頭脳

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建設的批判を標榜し、以って批判的建設と為す。
創造的破壊を希求し、而して破壊的創造を遂げる。

記事紹介第11段として、上記二つを紹介したい。



当座預金口座の説明 by ののわさん(@nonowa_keizai)

日銀当座預金に関して、おそらくもっとも平易に説明している文章(togetterなので、文章と呼べるかどうかという問題はあるが)である。

重要と思われた部分を特に抜粋する。


まず抑えるべき点は「貸し出しをしても当座預金は減らない」ということ。前にもツイートしたけど当座預金はあくまでも中央銀行と銀行の間でしか増減しません。

金融機関間で何らかの資金決済が発生しても、一方の当座預金の変動はもう一方の金融機関の変動により相殺されるため、当座預金全体で見れば中立になります。

貸し出しの前と後でベースマネーは変化しません。

例えば、七六五銀行が株式会社346プロダクションへとお金を貸し出すとします。そのとき、七六五銀行は余資として運用している日銀の当座預金からお金を引き出して346プロへとお金を渡すのではなく、七六五銀行は346プロの銀行口座残高を直接増やします。これを信用創造と言います。



(イングランド銀行『Money creation in the modern economy』より引用)

※このことはマイナス金利再考 ――マイナス金利の"緊縮"性でも指摘したが、理解していない『経済学者』↓↓もいるみたいだ。




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追記:2016/2/18

似た勘違いをした人々は多くいるらしい。詳細は以下参照。

マイナス金利に関する“?”な記事

マイナス金利と「識者」の錯誤


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超過準備への付利批判~既得権益よりも危険な(緊縮)思想

このブログでは、超過準備付利を批判する向きを痛烈に批判している。重要と思われた部分を抜粋する。


準備預金額を決めているのは銀行ではなくFed⇒超過準備が巨額なのは銀行が退蔵した結果ではない
Fedは必要以上の財務省証券を銀行から買い入れている⇒銀行の財務省証券からの利息収入が失われる⇒補償措置として超過準備に利息(IOER)を付けることは正当

※引用註:上記はイエレンの声明の要約だが、Fedを日本銀行と読み替えても当然あてはまる。

「そもそも当座預金に利息が付くことがおかしい」という批判がありますが、当座預金への付利という異例のことは、日銀が必要以上に当座預金を供給するという異例のことの反映です。超過準備をなくせば付利の必要もなくなります。

「銀行はリスクを恐れずにもっと貸し出せ」という人は、日本振興銀行と新銀行東京の失敗を知らないのでしょうか。そもそも1980年代にリスクを恐れずに貸し出したことが、不良債権の山と1997-98年の金融危機を招いたのですが。






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