平成19年6月 世田谷区議会定例会06月14日(介護・福祉・医療) | 世田谷区議会議員 中塚さちよオフィシャルブログ「世田谷の介護・福祉関係で交流!」Powered by Ameba

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世田谷区議会議員・ケアマネジャー中塚さちよの活動報告、議会報告、ケアマネのお仕事、日常など

中塚さちよ  議員 質問通告に基づき、順次質問させていただきます。


 最初に、要支援高齢者のケアマネジメントについてお尋ねいたします。
 昨年度から、改正介護保険法が施行されております。本区では、この法改正の趣旨に則して予防重視を打ち出し、要支援の方のケアプランを民間の居宅介護支援事業者から引き上げて、あんしんすこやかセンターで一括受託してケアマネジメントを行っております。
 そういった中で、現場のケアマネジャーや利用者の方からは、ケアマネがかわって、これまでの利用者やご家族の状況、状態が把握されていない、引き継ぎがしっかり行われていないと心配、不満の声をお聞きしております。区のあんしんすこやかセンターといっても、現実には社会福祉法人、医療法人等に委託をしている中、予防の効果やサービスの質、サービス抱え込みの問題など、これまでの課題も十分解決されたとは言えない現状だと思われます。
 法律上では、ケアプラン作成の過程の部分については、民間の居宅介護支援事業者に委託できることになっております。他の区では、これまで担当していたケアマネジャーに委託をして、継続して利用者にかかわっていただいているところもあるようです。安心して切れ目のないサービス利用が行われるよう、どのような対策を講じるのか、委託ということも含めて区の考え方をお聞かせください。
 続いて、地域密着型サービスの指定についてお伺いいたします。
 改正介護保険法で新たに創設された介護サービスに、地域密着型サービスというのがあります。このサービスを計画的に整備していくために、区では昨年、地域密着型サービス事業者を募集するとともに、交付金を活用するプロポーザルを行いました。
 しかし、このプロポーザルですが、三十カ所の募集に対し、一カ所しか応募が来なかったとお聞きしております。プロポーザルについて区では周知をしたと言いますが、ホームページで二カ月お知らせしたと言われても、ホームページを見てからでは準備が間に合わないというのが現実です。プロポーザルには建物の審査も入りますし、地域密着型サービスに参入するためには東京都の管理者研修等々を受講しなければならないなど、段階を踏んでいかないといけません。最低でも半年から一年は準備の期間が必要です。
 地域密着型サービスは、認知症の方のためのデイサービス、グループホーム、そして泊まりのサービスも利用できる小規模多機能、そして、今回はプロポーザルの対象ではありませんが、小規模特養、夜間対応型訪問介護など、介護度の比較的重たい方、そのご家族など、今困っている人にとって本当にありがたいサービスです。我が会派の重政議員も申し上げましたが、介護予防ももちろん大切ですけれども、今切実に困っている方を支えるサービスを迅速かつ計画的に整備していかなくてはいけません。
 一千万から最高四千万の補助金が出るなら、やってみようという事業者は、真剣に募集をかければ一カ所ということはないのではないでしょうか。新しいサービスということで、昨年は国の方のスケジュールの関係もあり、やむを得ない部分もあったのかと拝察いたしますけれども、今後このプロポーザルの要綱、審査の中身や結果などについてどのように周知していくのか、お聞かせください。
 次に、下北沢駅周辺地区計画における上部利用について、幾つか質問させていただきます。
 小田急線の連続立体交差事業に伴い、駅周辺が大きくさま変わりしている中、昨年は下北沢駅周辺地区計画が策定されました。計画策定に当たっては地元の提言を踏まえたとのことですが、我が会派代表質問でも申し上げましたとおり、まちづくり懇談会、協議会のあり方など、まちづくりへの住民参加を保障する仕組みづくりにまだまだ大きな課題が残っております。
 これに関連して、現在進められている小田急線の東北沢駅~世田谷代田駅間の地下化の工事が平成二十五年度に終了する予定となっています。そういった中、今年度の予算において、この区間の小田急線の上線・上部利用に関する基礎調査を行う予定とお聞きしております。この調査の企図するところと調査項目、方法等について具体的にお聞かせください。
 昨年出された上部利用方針では、区が優先的に整備を検討したり鉄道事業者に要望していく施設として、駅前広場、ポケットパーク、自転車等駐輪所が挙げられておりますが、そのほかにも住民の視点から見て必要性のある施設等について、区として住民のニーズを聴取し、事業者側に要望していく意向はあるのでしょうか。
 現在、私の方では、北沢地域の高齢化、独居高齢者の増加、小中学生の遊び場不足などの問題を地域住民、PTAの方々など関係団体からお聞きしております。熊本区長が力を入れておられる区民が主役のまちづくりを進めるためにも、あらゆる手法を用いて区民のニーズを聴取していかれることと思いますが、具体的にどのような手法でニーズを聴取していくのか、住民参加の仕組みづくりをご検討しておられるのでしょうか。鉄道事業者への対応についての見解とあわせてお聞かせください。
 以上で壇上からの質問を終わりにさせていただきます。(拍手)

◎秋山 保健福祉部長 要支援者のケアプランの委託についてでございます。
 平成十八年四月に施行された改正介護保険制度では、予防重視型システムへの転換を図ることから、軽度者を対象とした予防給付の制度を新たに設け、区は、介護予防ケアマネジメントは基本的にあんしんすこやかセンターで行うものとしたところです。この転換は、これまでの居宅介護支援事業者のケアマネジャーのケアプランなどが要望型のプランになりがちで、真の自立支援につながっていないと国が判断したことによるものです。
 区では、あんしんすこやかセンターの職員やケアマネジャーに対する研修の充実を図り、自立支援のケアプラン作成に取り組んでおります。あんしんすこやかセンターでは保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員等の三職種を配置することにより、アセスメントからケアプランの作成、さらに事後評価といった一連の介護予防ケアマネジメントを行い、介護予防の効果を最大限に発揮できるよう、丁寧な説明とともに体制を整備しているところです。
 介護保険制度の趣旨にかんがみ、要介護状態の方は居宅介護支援事業者のケアマネジャーが、要支援者の予防プランはあんしんすこやかセンターが実施することとしておりますが、利用者ご本人の希望や指定居宅介護支援事業者の体制も加味し、限定的なケースにつきましては、柔軟に適切な対応を図っております。
 もう一点が、地域密着型サービスのプロポーザルについてでございます。
 地域密着型サービスにつきましては、区は、国の交付金や東京都の補助金を活用して民間事業者による整備を進めております。昨年度に引き続き、今年度もこの夏に事業者募集を実施する予定です。事業者の選定に当たりましては、施設整備や事業運営方法などについて総合的に判断するプロポーザル方式を採用しております。プロポーザルの公募要綱には、提案書の着眼点など審査のポイントを記載するとともに、ホームページにも記載し、だれでも見ることのできる環境となっておりました。
 今年度は、五月一日からホームページで公募予定を公表するとともに、昨年度説明会に出席をした事業者に直接郵送で案内をお送りいたしました。また、説明会から応募締め切りまでの期間を二カ月以上とるなど、事業者の準備期間を持たせる予定でおります。
 今後とも、できる限り応募しやすいプロポーザルによって、整備事業者の誘導を図ってまいります。
 以上でございます。

◎真野 生活拠点整備担当部長 小田急線の上部利用につきましてご質問がございました。私からは、まず調査についてにお答えいたします。
 小田急線地下化に伴います上部利用につきましては、区としての上部利用方針を平成十七年三月に策定し、鉄道事業者など関係機関に提案をしているところでございます。
 ご指摘の調査につきましては、上部利用方針において位置づけました通路やポケットパークなどの施設につきまして、沿線の道路や建物状況、宅地の地盤高さなどの調査を行い、効果的な配置や適正な規模等について検討するものでございます。区といたしましても、これらの調査結果をもとに、今後区の上部利用方針の具体化に向けまして、鉄道事業者等の関係機関と協議を進めてまいりたいと考えております。
 次に、鉄道事業者への対応についてにお答えいたします。
 上部利用方針では、東北沢駅など三駅の沿線のまちづくりとして、交通結節点機能の強化や各駅間の歩行者動線の確保など、まちづくりの観点から駅前広場や通路、自転車駐輪場などの、公共利用が特に必要な施設を方針に位置づけたものでございます。
 上部利用方針は、施設整備の優先性から三つの類型別にしております。区が優先的に検討、整備する施設の整備に必要な利用面積で、既に公租公課相当面積を上回っている状況でございます。区はこの方針に示した施設の実現に向け、鉄道事業者等の関係機関と協議をしているところでございます。
 議員のご質問につきましては、鉄道事業者側の上部利用計画にかかわるものであり、公租利用の考え方を示した上部利用方針とは別の視点からのご提案と理解しております。今後、こうした議会の議論につきましても、鉄道事業者等関係機関に伝えてまいりたいと考えております。
 また、住民参加につきましては、懇談会や説明会、ワークショップなど、さまざまな手法を柔軟に取り入れながら進めてまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。


中塚さちよ  議員 ありがとうございました。周知の問題についてですが、プロポーザルについては、サービスの中身や質で競い合って落札するのがプロポーザルのいいところなので、一カ所しか応募がないということでは意味がないということになってしまいます。多額の補助金が出されるわけですから、区が責任を持って質の高いサービスを指定していけるよう、しっかりと取り組んでいただくよう要望させていただきます。
 上部利用についてですが、北沢地区全体のまちづくりにとって、この上部利用というのは大きなウエートを占めるものですので、ワークショップやPIなど、もっと踏み込んだ手法についても検討していただくよう、ぜひ世田谷区の先進的な町として取り組んでいただきたいと要望させていただきます。
 以上です。