●第四回:【『車椅子でいく世田谷区役所、バリアフリーレポート』の総括編】
今回は『車椅子でいく世田谷区役所、バリアフリーレポート』の4回シリーズ
の第四回目、4.『車椅子でいく世田谷区役所、バリアフリーレポート』の総括編です。
一.【世田谷区役所~第2庁舎~】編
二.【世田谷区役所~第3庁舎~】編、【世田谷区役所~第1庁舎~】編
三.【港区区役所見学ツアー】編
四.『車椅子でいく世田谷区役所、バリアフリーレポート』の総括編
今まで見てきた世田谷区役所のバリアフリーレポートのまとめと新庁舎へ望むこと、
またこの世の中について望むことをまとめてみたいと思います。
世田谷区役所は、長く区民に親しまれる庁舎で愛着のある方が多い建物ですが、やはり古いということで、設備のバリアフリーが整っていないのが現状のようで、限られたスペースの中で、後付けの手すりや設備の配置は、さらにスペースを塞ぎ、車椅子を通せなくしているような印象でした。また、廊下での車椅子動線を考えた際に、車椅子利用者や介助者が通行する際に、プリンターなど設備機器や紙類などの物品が障害になっていたので、こちらもハードの面だけではない、区役所に努めていらっしゃる方々のソフトの面での配慮も必要かと思いました。今後、新しい庁舎の建設に関しては、高齢者、障害者、幼い子供をお持ちのお母さん方など、弱者と言われる視点で、トイレ・廊下・アクセス・エレベーターなど、十分なスペースとユーザーフレンドリーな取り回しができるような配置を考えていただければと思います。そういった意味で、私どものレポートも何らかの参考になればと願っております。
また、今回のレポートの際に、世田谷区役所までのアクセスにおいて、行きは福祉タクシーを利用し、帰りは公共の交通機関の利用(徒歩、松蔭神社ー三軒茶屋(世田谷線)ー(東急田園都市線)渋谷ー田町(JR山の手線)と少し不安もありましたが、チャレンジをしてみました。
しかし思った以上に、電車の乗り継ぎが本当に大変でした。人ごみによる車椅子移動の動線の確保もさることながら、後付けのエレベーター、迂回・迂回を余儀なくされ、情報もつかみにくいし、段差、急なスロープ、色んな危険がいっぱいでした。その中でも、どの駅員さんも本当によく教育されているのか、対応をしてくださり、助かりました。
やはり、障害のある方、高齢の方、妊婦の方、幼いお子さんをお持ちの方など、少し弱者と言われる方々には、きっと大変な道のりになるのではないかと、この経験を振り返ってみて思わざるをえませんでした。
『楽しい外出』『行った先の出会いや目的』がより快適になるように、i-link-uとしても活動で得た情報を世の中に発信していけるように、バリアフリーレポートをツアーにするなどして協力していきたいと思います。より広範囲のバリアフリーが世の中に浸透し、少しでも健常な方とそうでない方の世界の差が少ない『なめらかな社会』が実現しますよう、願います。
今回のレポートはここで終了になりますが、本当にこのような機会を与えてくださいました中塚議員と読んでくださった皆様に感謝いたします。