平成21年3月世田谷区議会定例会02月25日(雇用対策について) | 世田谷区議会議員 中塚さちよオフィシャルブログ「世田谷の介護・福祉関係で交流!」Powered by Ameba

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平成21年3月 定例会02月25日(雇用対策について)


◆二十六番( 中塚さちよ議員) 質問通告に基づき、最初に雇用対策について質問いたします。


 百年に一度と言われる経済危機の中、派遣切り、正社員切りといったことがメディアで取り上げられ、雇用不安が広がっています。本区では、ハローワークと連携して、さまざまな就労相談、就労支援イベントを展開しているところですが、私も失業者、求職者の方々の実態を少しでも知りたいと思い、去る二月十日に北沢タウンホールで行われた合同就職面接会に行ってみました。そして、会場の外で、出てきた人たちに取材のお願いをしたところ、五十三人の方にご協力をいただきました。


 今回は、おおむね三十五歳から四十歳未満の方が対象のイベントでしたが、四十歳以上の方もちらほら見えていました。また、契約期間が切れた契約社員や派遣社員ばかりではなく、正社員でも会社の業績や財務状況が悪く、先行きが不安で転職先を求める人、中には解雇されたのに自己都合の退職にされたといった深刻な声もありました。今回、この春四年生になる大学生に取材を手伝っていただきましたが、職探しで困っている同世代、ちょっと上の世代の人たちの話を聞いて、とても身につまされる思いであったようです。


 私は、昨年九月の決算特別委員会で、トライアル雇用の制度が余り活用されていないことを取り上げ、そのときはトライアルということに慎重な人が多いのだろうかというやりとりをさせていただいたのですが、このたび求職者の方々の生の声をお聞きしたところ、もちろん、トライアルではその後が不安だ、最初から正社員を希望しているといった声もありましたけれども、よい制度だと思う、ぜひチャレンジしたいという肯定的な意見が七割近くで、目からうろこの思いでした。


 トライアル雇用の活用については、先日、代表質問が他会派からもございましたが、これまでの実績、事業者数、採用人数やどのような職種があったのか教えてください。


 また、トライアルにチャレンジしたいといっても、実際には職種による、つまり希望に合う仕事であればというのが本音のようです。特に、未経験の職種にチャレンジしたいというときに、試用期間があれば働く側も雇用する側も安心できるけれども、このご時世なので、人気のある職種には応募がたくさん来て、未経験の人は書類選考で落とされてしまって、トライアルまでたどり着かないといった声もお聞きいたしました。この制度を活用する事業者がもっとふえてほしいということでした。


 この制度とは関係なく試用期間を設けている企業も多い中、あえて税金を使って事業者に助成をする意味を考えると、若年者、未経験者のチャレンジを後押しできるように助成金が生かされてほしいと思います。区では、今後どのように参加企業をふやしていくのでしょうか、お聞かせください。
 次に、建築紛争について質問をします。
 マンション等の建築をめぐって、都市整備委員会に例年区民の方々からさまざまな陳情が上げられております。そういった中、本区でも、いわゆる空堀マンションについて規制する条例づくりが検討されるなどの進展が見られているところです。


 また、区では、建築業者と住民との話し合いに際し、申し立てがあれば、世田谷区中高層建築物等の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例に基づいて、専門家の委員を派遣して、あっせん、調停を行っておりますが、この制度を利用しても、具体的な設計変更などに反映されず、根本的な解決には至らないことが多いようです。もちろん、違法でない限り建築を中止というわけにはいきませんけれども、紛争をなくしていくためには、近隣住民の住環境が守られ、その地域にふさわしい建築物ができるよう、区の実効性ある指導が望まれるところです。


 そこで、この条例に基づくあっせん、調停について、近年の実績とその動向について区ではどのような見解を持っているか、お伺いします。
 あっせん、調停を行ってくれる委員は、現状、区では四名いて、うち一名は弁護士の先生、あと三名は建築分野の専門知識を有する者ということで、学識経験者一名と建築行政に長く携わってきた本区のOB、東京都のOBという構成になっております。


 この人選については、議会が関与できる仕組みではありませんが、今、公務員のわたりが話題になっている中、報酬が発生する委員四名中二名が元区職員、元都職員というのはいかがなものでしょうか。近隣区では、行政OBは三分の一、五分の一といった比率になっており、半分が行政OBというのは比率的にも高いほうになります。また、弁護士、学識経験者についても、なかなかやり手がいないということで、区のほうから個別にお願いをして委任をしているようですが、他区では、それぞれの職能団体から委員を推薦してもらっているとお聞きしています。


 調停委員の任期は二年ですから、次のときにはできるだけ公務員のOBではなく、本区にも幾つか建築の専門家の団体の支部があるので、そういった団体に委員のご推挙をいただき、区内にいる一級建築士など、民間の専門家の方々にご活躍いただくというのも一つの考え方と思いますが、いかがでしょうか。
 また、住民がこれからこの制度を活用したい、どんなふうに業者との間に入っていただけるのだろうかと思ったときのためにも、あっせん、調停の際の議事録を残すようにしてほしいと思います。委員の人選の仕方と議事録の件についてご答弁をお願いします。
 最後に、外かく環状道路について、お尋ねします。
 東京外かく環状道路については、昨年一月よりPIの手法を導入し、ワークショップ形式による地域課題検討会が本区を含む沿線五区市にて行われ、せんだって対応の方針素案が公表されたところです。対応の方針の策定に当たっては、この本会議場においても、我が会派、西村議員の質問に対し、道路整備部長より、検討会の結果を踏まえ、区議会を初め、また区民等の意見を広く求めた上で、これらを取りまとめる課題対応の方針への反映を図ってまいりますとの答弁をいただいたところであります。


 しかし、去る二月六日に喜多見東地区会館で行われた対応の方針素案についての住民説明会では、これまで地域課題検討会で出された意見が反映されていないという不満が紛糾していました。地域課題検討会の参加者は、全員が全員外環に反対だとか、あるいは賛成だとかということはあり得ません。対応の方針素案について、どういうふうに地域課題検討会の議論が反映されたのか、きちんと納得のいく説明を受けたいという思いは、外環に反対している人たちだけではなく、外環を必要だ、早く整備してほしいと思っている人にとっても譲れないところなのです。


 住民説明会で、国土交通省の課長は、まとまった人数を対象にした説明会はこれが最後で、あとは個別に対応すると言っておられました。しかし、国交省、東京都、世田谷区の連名で出された地域課題検討会の設置方針に、地域課題検討会の成果は、対応の方針を策定するに当たり、できる限り反映し、反映した結果は地域課題検討会に報告すると明記されています。
 昨年行われた地域課題検討会のメンバーの名簿は、区も持っているはずです。検討会が一年近くかけてやってきた成果が素案のどこにどう反映されたのか、これについての説明は、喜多見での広範な人々を相手にした住民説明会、それも一回一時間といったこの短い時間では、とても十分に説明はできないと思います。やはり、この検討会設置のときの方針に書かれたように、一年近く検討会に参加してきたメンバーに対して、書かれたとおり報告する責務が区もあるはずです。地域課題検討会にはいつ報告をしていただけるのでしょうか。明確なご答弁をお願いします。
 以上で壇上よりの質問を終わります。(拍手)

◎田中 産業政策部長 まず、雇用対策について、若年者トライアル雇用促進奨励金につきまして、実績のお話がございました。
 若年者トライアル雇用促進奨励金は、求職者の適性や能力などを見きわめ、常用雇用へ移行するきっかけづくりを目的として、平成十六年度から実施してまいっているものでございます。この間、全体として九件のご利用があり、職種につきましては、一般事務職、サービス業や輸入販売業、物づくりなど技術職などと、いろいろとなってございます。特に、今年度に入りまして、産業振興公社におしごと相談コーナーを開設し、求人の事業者に個別に紹介するなど、積極的に普及に努めてきたところ、六件の申請があり、そのうち、現在トライアル雇用期間内にある事業者一社を除き、五件ともに正規雇用に結びついてございます。


 今後、どのように普及させるのかというご質問でございました。お話のように、これまでのトライアル雇用の制度の運用は、必ずしも就職希望者側の思いに的確にこたえていなかったことからも、今回、区といたしましては、就職希望者側のトライアル就労の意味合いを強めまして、新たな分野でチャレンジしてみる、このような方々を後押しできるよう、昨日もご答弁申し上げましたが、世田谷地域人財マッチングプロジェクトを実施することとし、ハローワークや福祉関係団体、産業振興公社とも連携をとり、カウンセリングなども含め、総合的な仕組みを検討してまいります。


 区といたしましては、二十一年度に緊急雇用対策として、本制度の対象者の拡大を図ることとしていますが、引き続きおしごと相談コーナーの求人開拓などを通じまして、本制度の趣旨を事業者にPRし、人材不足が喫緊の課題でもある福祉サービス事業者等を初めとして、さまざまな事業者において制度利用をいただけるよう努めてまいります。
 以上です。

◎金澤 都市整備部長 世田谷区中高層建築物等の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例のあっせんや調停に関する近年の実績及びその動向についての区の認識をお答えします。
 この条例は、中高層建築物などの建築に伴う

紛争を予防するため、建築計画を事前に標識設置でお知らせし、関係住民の方に計画説明などを義務づけております。また、紛争に発展した場合には、紛争当事者間の話し合いの調整を図るあっせん調停制度を設けております。
 この条例に関する届け出は毎年千五百から千六百件あり、住民の方々からの苦情や相談は重複も含めまして二百から四百件でございます。そのうち、あっせん及び調停の過去三年の実績としましては、あっせんは二十五件、あっせん会の開催は延べ三十三回、調停はございませんでした。そのうち、解決が見られたのは五件でございます。
 建築紛争の調整は、本来、適法な建築行為についての紛争を当事者同士の話し合いの中から解決策を見出していくという大変難しい作業であり、区といたしましては、この条例が建築紛争の予防と調整に一定の役割を果たしてきたものと考えております。困難な点はございますが、さらに適切で効果的な制度の運用について検討してまいります。


 次に、この条例に基づく調停委員の人選を見直し、あっせん調停の議事録の作成についてでございますが、この条例に基づく調停委員につきましては、法律、建築、または環境などの分野に関し、すぐれた知識及び経験を有する者ということで四名の委員に委嘱しております。区といたしましては、委嘱に当たり、専門知識とともに豊富な住民とのかかわりを持ち、また、中立性を担保する必要があることを認識しております。今後とも、適正な方を人選するよう努めてまいります。


 次に、あっせん調停の議事録の作成でございますが、あっせんや調停の場には当事者が出席していることから、情報は共有されていると考えております。また、建築紛争においては近隣の方々の間でも利害が対立することもあり、近隣同士のトラブルを避けるなどから、今後とも作成することは考えておりません。
 以上です。

◎志村 道路整備部長 私からは、外かく環状道路の地域課題検討会にいつ報告をというご質問にお答え申し上げます。
 東京外かく環状道路の地域課題検討会については、東名ジャンクション周辺地域は、昨年の九月七日に五回目を開催し終了し、中央ジャンクション周辺は、十一月十五日に四回目で終了いたしました。この検討会の中で検討すべき課題や課題への対応の方向性と優先度の考えをまとめるに当たって、課題検討会参加者の意見をどのように取り入れたかを参加者の皆様にお示ししながら進めてまいりました。
 この検討会の結果を受けて、このたび国と東京都が作成した東京外かく環状道路、関越道から東名高速間の対応方針の素案については、一月十九日から二月二十八日まで広く意見募集が行われているところでございます。この意見募集に際して、区といたしましては地域課題検討会の参加者だけでなく、広く区民が意見等を言える場として、国及び東京都に住民説明会の開催を要望し、その結果、東名ジャンクション地域においては二月六日、中央ジャンクション地域においては二月九日の二日間、情報コーナーを設け、その中で合計三回説明が行われました。
 今後、国及び東京都が対応方針を取りまとめるに当たって、地域課題検討会の成果を活用

し、反映した結果等については、地域課題検討会の参加者に報告するよう、国及び東京都に働きかけてまいります。
 以上です。

◆二十六番( 中塚さちよ  議員) ご答弁をそれぞれいただきましたが、まずトライアル雇用についてなんですけれども、トライアル雇用は今年度に入り六件ということで、それまでは一件あったりないような年もあったということを考えますと、六件という数は少なく思いますが、所管の努力で急に伸びたんだというふうに考えております。ぜひ引き続き多様な職種や企業でこういったトライアル雇用を取り入れていただけるように尽力していただきたいと思います。
 また、今、福祉人材が足りないので、そういった分野での活用をしていただけるようにというご答弁でしたけれども、今回、五十三人の方にインタビューをとりましたときに、世田谷区では、ヘルパーの養成講座の助成費用全額助成ということを考えているけれども、福祉の仕事はどうですかというインタビューもいたしました。その結果については、予算特別委員会のほうでやらせていただきたいと思いますけれども、福祉の分野というのは、助成金があるなしにかかわらず本当に人が来ない分野ですので、そういったところは、今後福祉の部門とも連携をして、着実に頑張っていただきたいと思います。
 外環道について一件だけ再質問させていただきたいんですけれども、国や東京都のほうにこの報告について働きかけていくという答弁でしたけれども、これはいつというふうにお聞きしているんですが、いつ働きかけていただけるのか。この意見募集が終わって、素案が案になってしまってからでは余り意味がなくなってしまうような気がするんですけれども、この時期について教えてください。

◎志村 道路整備部長 働きかけについては、さまざまな七関連区市もございますので、そういった中で調整をしておりますが、世田谷区としては、これまで住民参加を重視して

きた自治体でございますので、もう既に先頭に立って働きかけをしておりますが、継続してやっていきたいというふうに思っております。
 以上でございます。

◆二十六番( 中塚さちよ議員) 検討会設置のときには役割分担して、区も連名でやっていたのに、まだ事業も始まっていないのに、いつの間にか主体ではなくてお願いする立場になってしまったというのが、ちょっと区民にも……。

○大場やすのぶ 議長 以上で中塚さちよ議員の質問は終わりました