平成21年6月 世田谷区議会定例会06月11日(介護・福祉・医療) | 世田谷区議会議員 中塚さちよオフィシャルブログ「世田谷の介護・福祉関係で交流!」Powered by Ameba

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世田谷区議会議員・ケアマネジャー中塚さちよの活動報告、議会報告、ケアマネのお仕事、日常など

 今定例会では、スポーツの場の提供に関して他会派からもさまざま質問があり、その重要性が再認識されたところと思いますが、私からは、スポーツ振興と子どもの体力・健康づくりについて、地域、現場で活動する人に注目をして質問をしてまいりたいと思います。


 近年の我が国では、子どもの体格が向上する一方で体力低下が問題となっており、現在はその低下スピードも鈍化し、下がるところまで下がったという見方がされています。子どもの体力低下の原因としては、学校外の学習活動や室内遊び時間の増加による外遊びやスポーツ活動時間の減少、空き地や生活道路といった子どもたちの手軽な遊び場の減少、少子化や学校外の学習活動などによる仲間の減少といったことが指摘されており、保護者を初めとする国民の意識が学力重視で、外遊びやスポーツの重要性を軽視するようになった、また、生活の利便化やライフスタイルの変化などが日常生活における身体を動かす機会の減少を招いているという側面があるようです。また、子どもの健やかな成長には食育も重要です。このような時代においては、学校、家庭、地域が連携をして、子どもや親子などでスポーツを楽しめる機会を積極的に提供していく必要があると思います。


 区では、スポーツ振興財団がトップアスリートによる指導などさまざま魅力ある事業を展開し、体育指導委員は地域のコーディネーターとして地域に根差した活動を行っています。しかし、スポーツに関することは、一昨年までは教育委員会、今年度からはスポーツ振興課で、スポーツ振興課長は教育委員会副参事を兼務しているなど、区民、現場担当者としても、どこに聞きに行っていいのかわかりにくい状況です。
 地域が主体となった活動展開の重要性は言うまでもありませんが、子どものスポーツを通した体力・健康づくりについて、区としては、どのような観点から、どのような責任体制で、どう役割分担して取り組んでいくのか、区の役割について明確にし、確実に遂行していただきたいと思います。見解を伺います。


 また、体育指導委員が学校にコネクションがあるかないかなどによって、活動の場が確保できるかどうか差が出てくるということです。体育指導委員が地域で活動しやすいように環境整備すると年次計画で書かれていますが、連絡会の実施や体育指導委員と学校とのつなぎ役など、区は具体的にどういった支援をしていくのか、あわせてご答弁ください。
 次に、たばこ対策についてお尋ねします。
 今回の予算編成では、緊急雇用対策として路上禁煙地区環境美化指導員を配置する予定とあり、たばこ対策について充実が図られることを一瞬喜んだのですが、冒頭から喫煙者のマナー向上のためという文言があり、そもそも禁煙地区なのに喫煙者前提ということで、いささか残念に思いました。
 しかし、現状を見ますと、朝の駅頭演説をしていても、全面禁煙になった駅に入る前の通勤途中でたばこを吸って、駅の前でポイ捨てしていく人が多いです。また、禁煙地区にしたのにたばこを吸う人がなくならないため、灰皿のスペースを設けたりするなど、禁煙の取り組みはイタチごっこの様相を呈しています。
 朝夕指導員を配置するということですが、指導員がいない時間にはいつもと同じというのでは、せっかくの施策も余り意味がありません。ふだんからポイ捨てに関する意識が高まるように、例えば路上禁煙地区であることを知らせる看板などをもっと目立つものにするなど、効果的な方策を考えていただきたいと思います。本区の看板は小さくて景観の中に埋もれていますけれども、みなとみらいの看板などは本当に非常に大きくて目立つように立てられています。また、ポイ捨てや路上禁煙に関して条例で罰則規定を設けているところでは、調査を行って検証し、実際に吸い殻が減ったなど効果があらわれているところもあります。
 私はこれまで罰則導入について提言をしてきましたが、なかなか取り入れていただけず、今回は指導員が配置されるということですが、やはり罰則なしでは効果のほどはどうなのかと思います。今回の指導員の配置についても、ぜひ調査を行って効果検証をしていただきたいと思います。禁煙のPRの方策と調査についてご答弁をお願いします。
 また、受動喫煙の被害については、日本呼吸器学会、日本循環器学会といった専門家の医師の学会からも科学的エビデンスに基づいた指摘がなされているところです。日本で初めての条例として大変注目されていた神奈川県では、この春、難産の末、受動喫煙防止条例ができたところですが、二十三区でも練馬区が検討委員会をつくったものの、条例制定までに行かない結果となり、このような条例を制定するには非常に時間がかかるということを実感しています。体に悪いことが明らかなのに、政府、行政が規制をしないということは、一体どういう圧力があるのかと勘ぐらずにはいられませんが、本区でも、今から条例づくりに向けて検討会、懇談会などをつくって、関係者への意識啓発を図っていただきたいと思います。見解を伺います。


 最後に、補正予算に関連して、緊急に取り組むべき医療政策についてお伺いします。


 今回の補正予算では、新型インフルエンザ対策の予算の補正が行われました。これは防護服とマスクなどの予防物品の追加購入に都の補助事業による補助金を充当するというものです。新型インフルエンザ対策は緊急に取り組むべき重要な医療政策の一つと認識しておりますが、この補助事業については対象となるメニューが都からさまざま例示されており、例えば新型インフルエンザ対策以外にも、今回、他会派の代表質問にもございましたHibワクチンの助成、また、在宅医療関連やがん対策、自殺対策、飼い主のいない猫対策など、いろいろと例示されています。飼い主のいない猫対策などは、私の周りでも、篤志家の方が不妊手術について自腹を切ってやっていまして、本区では、お隣目黒区などに比べても助成額が少ないという現状もございます。
 区民の医療、健康を向上させたり、医療の問題や命の大切さについて啓発する、さまざまな有益な事業に活用できる今回の補助金ですが、今回、区では、予定していたマスク、防護服の備蓄拡充や、これまでやってきた在宅医療電話相談などにこの事業の補助金を活用するということで、一般財源からの支出を節約するということのようです。この根底には医療費抑制という考え方があり、補正予算といっても、もともとやっている事業に対して補助金をもらえるものはもらっておこうというだけで、医療に関する緊急のニーズをとらえて保健医療サービスを新たに創出していこうというような発想は感じられません。新型インフルエンザについても騒動が終息しつつある今、区では、区が取り組むべき医療に関する喫緊の課題についてどのように考えているのか、ご答弁をお願いします。
 また、新型インフルエンザ対策について、世田谷区の発熱相談センターに寄せられた電話相談ですが、この一カ月余りで三千件以上、多い日では一日当たり二百件以上という数の相談があったと、先日の我が党、藤井まな議員の質疑で明らかになりました。ほかにも東京都の電話相談センターでも相談を受け付けているということですが、相談者は、流行地域に滞在していなかった方で発熱があるなど、普通の風邪の方の相談も多かったようです。ここに電話することで危険な駆け込み受診や不必要な受診が抑制されたということであるならば、大変役に立ったと言えると思いますが、短期間にこれだけの数の相談があったということについて、今回の新型インフルエンザ対策に関するメディア報道のあり方や、国民の医療や健康に関する意識のあり方についていろいろと考えさせられるものがあります。
 今回は弱毒性のインフルエンザでしたが、これが強毒性のもっと恐ろしい型のが流行したら、国民はパニックになってしまうのではないかという危険性を感じております。今回の件を次回に生かしていくためにも、日ごろから健康に不安を感じたりしたときに気軽に相談できたり、医療や健康について学習できる機会を提供し、医療リテラシーを底上げしていくこと、啓発をしていくことが重要と考えております。区の見解を伺います。
 以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)

◎山﨑 スポーツ振興担当部長 スポーツ振興と子どもの体力・健康づくりについて二点ご答弁申し上げます。
 初めに、子どもの体力づくり、健康づくりについて、区の所管が複数にまたがっているが、区はどのような体制で役割分担して取り組んでいくのかという質問に対してお答えいたします。
 スポーツや身体運動を通して子どもの健康づくりを進めるためには、スポーツに親しむ機会を提供し、スポーツの楽しさやすばらしさを実感してもらうことが大切であると考えております。ご指摘のとおり、区では、教育委員会の枠を超え、子どもの体力づくりなどスポーツ振興施策の充実を図るため、昨年四月にスポーツ振興担当部を設置いたしました。加えて、引き続き教育委員会や学校と連携して取り組むため、スポーツ振興課長が教育委員会事務局の副参事を兼務する体制となっております。
 子どもの体力、基礎運動能力の向上への区の役割分担でございますけれども、世田谷区スポーツ振興計画に沿っての全体的な調整は当部が担い、実際の事業展開などは、世田谷区スポーツ振興財団により、各種運動アカデミーなどの健康づくりのさまざまな事業の拡充を図っております。また、教育委員会においても、学校教育はもとより、小学校のスポーツ教室や中学校の部活動支援を所管するなど、多面的にスポーツを通した子どもの健康づくりに取り組んでおります。
 今後とも、スポーツ振興財団、教育委員会はもとより、子ども部など他の所管とも連携をさらに強化し、子どもたちがスポーツの楽しさを味わい、心身ともに健やかに育つよう取り組んでまいります。
 次に、子どもが地域の中でスポーツに親しむ機会をふやすため、体育指導委員などの支援についてご質問をいただきました。
 体育指導委員は、地域におけるスポーツ振興の推進役として、区としても大いに期待しているところでございます。区では昨年度より、スポーツ振興財団とともに、体育指導委員協議会の役員の皆様方と、体育指導委員が地域で活躍しやすい環境づくりなどについて定期的な意見交換会を進めております。このたび、その意見等を踏まえ、総合支所や出張所、まちづくり出張所に体育指導委員のPRを行い、活用を働きかけたところでございます。
 今後とも、体育指導委員はもとより、学校や総合支所、出張所の職員、地域活動団体との連絡会を適宜開催するなどして、子どもたちが学校や地域の中で気軽にスポーツに親しめる機会を提供できるよう取り組んでまいります。
 以上でございます。

◎水戸 環境総合対策室長 たばこ対策としての環境美化指導員の配置について、調査を行い、効果検証をというご質問にお答えいたします。
 今年度から配置を予定している環境美化指導員は、路上禁煙地区や乗降客の多い駅周辺に朝夕二回、歩きたばこやたばこのポイ捨てを行わないよう直接声かけを行うもので、これまでの広報紙やキャンペーンでの啓発、表示物などによる周知とは異なる、新しい効果を期待できるものと考えております。
 また、歩道など路面への表示は、昨年度末に試行し、結果も良好なことから、今後も地元の方々のご理解をいただき、設置を進める予定でございます。
 区では、環境美化指導員の配置とあわせ、看板やプレート表示など、これまでの取り組みにつきましても、引き続き強化していきたいと考えております。
 環境美化指導員の効果の検証につきましては、他自治体の例なども参考に検討してまいります。
 以上でございます。

◎上間 世田谷保健所長 初めに、たばこ対策についてご答弁申し上げます。
 たばこは、生活習慣病を初め、肺がんなど多くの疾患の危険因子とされ、受動喫煙による健康への悪影響が指摘されております。区ではこれまで、たばこ対策として、喫煙者に向けての相談、両親学級などでの妊産婦や家族に対する啓発、妊婦への受動喫煙防止ストラップの配布、受動喫煙防止協力店登録制度などの実施に取り組んでまいりました。
 検討会などをつくって意識啓発をという点に関しましてでございますが、現在、区内全体に受動喫煙防止が浸透するよう、普及啓発事業の推進と協力店登録制度の実効性を確保することを重点目標と掲げまして、本年十月の健康づくり推進週間に合わせまして受動喫煙防止月間を設け、たばこの健康被害についての知識の普及や受動喫煙防止キャンペーンを展開するなど、区民に広く意識啓発をしてまいりたいと考えております。
 次に、喫緊に取り組むべき医療政策についてでございます。
 東京都の医療保健政策区市町村包括補助事業は、地域の実情等を踏まえたきめ細かな医療保健サービスを展開するために設けられた補助事業でございます。この事業は、メニューの選択によりましてポイント加算制となっておりますが、総額は人口規模で決められておりまして、世田谷区は三千二百万円が上限となっております。今年度につきましては、医療関係事業としまして医療連携推進協議会や、在宅医療電話相談センター事業、小児救急普及啓発事業、また保健関連事業としまして、喫緊の課題でございます新型インフルエンザ対策事業の申請を予定しております。補助金総額といたしましては、限度額三千二百万円の活用を見込んでいるところでございます。
 今後とも、区では、新型インフルエンザ対策を初めとしまして、区民の健康と安全を守るため、関係所管とも連携し、施策の優先順位を見きわめながら保健医療施策事業を充実するよう努めてまいります。
 以上でございます。

◎佐藤 保健福祉部長 私からは、新型インフルエンザに限らず、区民の医療や健康に関する啓発にどう取り組んでいくのかについてお答えします。
 医療や健康に関する関心が高まっている中で、区民に必要な情報を正確かつ適切に提供することは非常に重要であると考えております。情報の提供に当たっては、どのような情報が求められているかを見きわめ、必要な情報をわかりやすく適切なタイミングで提供することが大切と考えます。
 現在、子どもが急病になった際の対応や小児救急診療所に関する情報などは、乳幼児健診や保育園の保護者会でのパンフレット配布、ホームページへの掲載など、できるだけ多くの機会をとらえ提供しております。また、今年度は医師による講演形式の啓発事業を開催することも予定しております。さらに、平成二十一年度区民意識調査の中で、急病への対応を中心に、今後充実してほしい保健医療情報等についての調査を行っております。こうした調査も参考にしながら、啓発や情報提供の内容、手法について、今後さらに検討してまいります。
 以上です。

◆二十六番( 中塚さちよ  議員) ご答弁ありがとうございました。
 たばこ対策について一点、再質問させていただきます。
 指導員が直接声かけを行うということで、今までにはない新しい効果が期待できるということでしたけれども、声かけをするということも、指導員の側からすると、今はいわゆる逆切れをする方などもいて、リスクもあり、勇気の要ることだと思います。そうした中で、やはり条例で罰則があれば、ポイ捨てしたらいけませんよと言うのではなく、条例で罰金になりますよと言うほうが注意もしやすいですし、されるほうも、ああそうかという気分になるかと思います。やはりこうした今回の効果を見きわめた上で、こうした罰則適用についてどのようにお考えかということをお聞きしたいと思います。
 あと医療については、要望になりますが、小児医療の情報提供や区民の意識調査をやっていただくなど、本当に随分前進したなというふうに思っております。新型インフルエンザについては、本当にメディアの報道のあり方、検疫官からも指摘されています。区民の模範となるような冷静な情報に対する対応、情報提供に努めていただきたいとご要望申し上げます。

◎水戸 環境総合対策室長 たばこに関しましては、世田谷区は住宅都市でございますので、現在の状況ではマナーアップという方向で進めてまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。

◆二十六番( 中塚さちよ 議員) 罰則については千代田区など他自治体でもやっておりますので、ぜひご検討いただきたく、お願い申し上げます。