Sounds of joy402 | 愛すべき櫻葉の世界

愛すべき櫻葉の世界

甘々櫻葉と翔ちゃんへの愛を甘くおしゃべりしてます♡



次のワガママを言えというオレの要求に対して雅紀が腹を立てていた。

そりゃそうかもしれない。

オレだって毎日手の届くところに雅紀がいるだけでこんなにも幸せなんだから。

ワガママを出せと言われたら正直困る。


言いすぎた。ごめん。

なんでこんなに嬉しい日にこんな気持ちにさせてしまったんだろうか。

そんなことを思いながらなんとなく車を走らせていたら鎌倉あたりに着いた。

そういえば夏の千葉の海に行った時にまた2人で海に行きたいと、一緒に歩きたいと言ったななんて思っていたら、雅紀もオレと同じことを言い出したんだ。


そうとなったら…いいよな?



松葉杖をつきながら歩く雅紀の腕に自分の腕を絡めた。

雅紀を支えているようでそうではない。

オレが雅紀と腕を組みたかったんだ。


夏の千葉の海でいつか並んで歩こうと約束をした。

まだその約束には届かない部分もあるけどその約束を守りたい気分になってたんだ。


そしたら雅紀はそんなオレの気持ちを察してくれたのか、腕にキュッと力を入れてオレの手が雅紀の体につくようにしてくれたんだ。



「雅紀。さっきはごめん。言いすぎた」

「俺こそごめん。イライラしてた」


「せっかくの誕生日なのにさ、怒らせて何やってんだろな、オレは」

「くふふ。ワガママを叶えるって訳の分かんないことに必死になってやんの」


「だってオレの方が雅紀を愛してるって実証したかったんだもん」

「実証って…そういうとこが真面目な翔ちゃんらしいけどさ、そもそも俺の方が愛してるもん」


「いやいや、オレだし」

「何言ってんだよ。生まれ変わる前の記憶を思い出すのが早かったのは俺だぜ?その時点で翔ちゃんは負けーーー」


「…ぐっ…」

「ひゃひゃひゃひゃひゃー!!!」







分かりやすい程に負けず嫌いな翔ちゃんは言葉に詰まった。

可愛い。

めちゃくちゃ可愛いじゃん。

スタイル抜群でめっちゃかっけぇスーツ着てんのに、究極の童顔で可愛すぎる翔ちゃんが固まってる。


ちゅ


俺は素早く翔ちゃんの唇を奪った。


「ここで!?」

「ダメ?」


「ダメじゃねぇけど…」

「いいじゃん。恋人同士のベタなやつ、やろうぜ」


「は!?うっわ!!」

「よいしょっと」


松葉杖をポトンと落とした俺は翔ちゃんを抱っこした。まだ姫抱きには出来ないけど、俺の目線より上に翔ちゃんがいる。

俺に持ち上げられた翔ちゃんは俺の肩に両手を乗せてふっと笑った。



その目には涙が浮かんでるんだ。

そして優しく唇を重ねてくれた。




「まさ。誕生日おめでとう。産まれてくれて、オレを見つけてくれて、愛してくれてありがと」

って言いながら。