雅紀の大学が夏休みの間は「玄関で待ち合わせね」という傍から見るとめちゃくちゃ恥ずいものの、当人同士的にはめっちゃ萌えることを続けていた。
筋トレや日々のリハビリを積み重ねてきた雅紀はあれよあれよという間に上半身がムキムキになっていく。
一緒に風呂に入りながらぼーーっと見とれていると、片方の口角を上げた雅紀がニヤリと笑って手を広げるからオレは勢いよくザブンと湯船に入るしかないんだ。
ったく。
ずりーんだよ。
年上みたいに包み込んでくれたり、年相応に甘えてくれたりさぁ。色んな顔を持ちすぎなんだよ。
毎日毎分毎秒好きが更新されていくんだよ。
心臓がいくつあっても足んねぇんだよ。
鍛え上げられた胸にもたれかかると、後ろから手が伸びてきてオレのお腹をそっとつかまえてくれる。
オレはいつものようにその手に自分の手を重ねた。
「翔ちゃん、明日はよろしくね」
「ああ。オレも翔さんとおばあちゃんに挨拶したいしな」
そう。
明日は翔さんに借りていた赤い車椅子を返す日なんだ。
事故に遭ってからおよそ半年間、翔さんの車椅子にお世話になってきた。
リハビリ担当の先生やみどさんは雅紀の頑張りと驚異的な回復力に驚きつつも今の雅紀なら大丈夫だと太鼓判を押してくれたんだ。
ちゅ
肩越しに雅紀の頬が近づいきたのが分かったから振り向いてその唇を受け止めた。
「事故から半年経っちゃったね……色んなことあったよね」
「手術もリハビリもお疲れ様」
よいしょって向きを変えて雅紀の足に跨りながらその首に腕を回すと、雅紀の手がオレの頭をロックしてめっちゃエロくて深いキスをした。
「経っちゃったってとこでさぁ…俺のも勃っちゃった♡」
「ばぁか」
「ね、一緒にシテ?」
「オレがダメだなんて言わねぇの知ってるクセに」
ねちっこいキスで応えながら2人の強くて固いのを一緒に握り擦り上げた。