ある日の昼休み。
「こんにちはー」
「お?華ちゃん」
「華、久しぶりだな」
「お姉さん、初めまして。二宮です」
「姉ちゃん、陽縁と縁翔も来たか!」
「ほぉーら。ここが診療所だぞー」
姉ちゃんが陽縁と縁翔を連れて診療所に遊びに来た。
タクシーが到着するとすぐに潤が迎えに行き、潤が陽縁を、姉ちゃんが縁翔を抱きながら診療所に来たんだ。
寝返りの練習だと言って2人をうつ伏せにしてあげると、腕を突っ張って懸命に頭と上半身を支えようとする姿が可愛らしい。
「こっちの眉がしっかりしてる方が陽縁だな」
「縁翔、ちょっとアタフタしてるな」
「すげぇなぁ。生きる力って」
「めっちゃパワーあるなぁ」
智くんやニノ、斗真とオレは2人の姿を見ながらそんなことを話していた。
姉ちゃん曰く、双子はめちゃくちゃ大変だけど、ミルクを欲しがるタイミングもほぼ同じだし、2人で一緒にさせておけばなんとなく寄り添って遊んでるからそんなに大変ではないらしい。
…とは言っても大変は大変なんだけど(もちろんお袋の手を借りたり、潤のお母さんにも手伝ってもらってる)、2人一緒の生活のペースでもあるし成長にも時差がないから思ってたよりは楽だと言っていた。
よろよろ…と縁翔がバランスを崩しかけると、どことなく心配そうに陽縁が見守る構図が面白い。
「なんかさぁ。これって翔ちゃんと華ちゃんみたいだな」
「あー、わかるぅ。陽縁はビジュアルは潤にそっくりだけど、性格は潤と華を足して2で割った感じだな」
「縁翔は翔やんそのものだな」
「は?そーなのか??」
智くんと斗真、ニノの言葉に思わずオレが突っ込むと、後ろで潤と姉ちゃんが大爆笑してる。
「ぶははははは!だよなぁ!俺もそう思ってたもん!」
「そーよねぇ??やっぱりよねぇ??」
「いいもんなぁ?弟ってそういうとこで得できるんだぜ?オレと一緒だなー♡」
「んーぁ」
縁翔を抱き上げてそう言うと縁翔の左手がオレの頬に触れた。
なんだろう。
懐かしい記憶が蘇る。
そう。
遠い遠いあの日、姉ちゃんが快翔を産んだオレを見送って旅立ちの日を迎えた時のことだ。
あれからずっと時空を超えて繋げられてきた命のリレーがまだこれからも続いていくんだと改めて感じた。
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覚えている方、多いかと思いますが。
華ちゃんの旅立ちの日のお話はこちらです。
お時間のある時に読んでみてください。
そしてこの画はひろちゃんが贈ってくれた大切なものです。スクショ等などのお持ち帰りは御遠慮くださいね。最低限のマナーを守ってください。