オレの母校の名前は彼女は知らない。
でも調べればすぐに名前は分かってしまう可能性は高い。
校内で有名なカップルだったオレたちにとって「相葉雅紀」へ辿り着くのは難しくないはずだ。
オレは1限目の講義が終わるとすぐに雅紀へLINEを入れた。
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もしかしたらそう遠くないうちに雅紀の存在が彼女に分かってしまう可能性は少なくない。
相手は自称百戦錬磨の恋愛主義者だ。
風間や松本のそばを離れるな。
1人になるな。
イノッチ先生や多部先生の協力も必要不可欠になる。
だけどオレはお前を守るから。
なんなら滝沢だって協力してくれるから。
オレを信じろ。
そして自分を自分で守れ。
仲間を信じろ。
おばさんにもオレからも伝えておくから、雅紀からもちゃんと伝えておいてくれ。
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高校の昼休みの時間に雅紀から返信が来た。
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大丈夫だよ。
俺は翔ちゃんを信じてるし、風間ぽんや松潤もいるから大丈夫。
翔ちゃんこそ危ない目に遭わないでね。
大好き。
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今すぐ会って抱きしめたい。
でもそれはあまりにも危険だ。
状況が状況だけに家庭教師はオンラインで進めていこう。
会いたいけど今はお互いの安全が最優先だ。
雅紀。
いつか迎えに行くから待ってて。
スマホの中の写真を見ながら胸が張り裂けそうなほど苦しくなった。
『翔ちゃん?大丈夫?』
「大丈夫じゃねぇー」
『え?なにかあった??』
「雅紀に会いてぇー雅紀不足だァー」
『俺だって会いたいよ』
「ん。ごめん。変なこと言ったな…」
『くふふふ。ちょっと今日の翔ちゃんかわいい』
「オレは可愛くなんかねぇー」
『うそうそ。ごめんって。ねぇ、ここの問題の解き方、これで合ってるかな』
「ん?あ、うんうん。そこでその方程式を当てはめてごらん。そしたら考えやすいから」
それから1週間はオンラインで家庭教師バイトだった。顔は見られるし声も聞けるけど、やっぱり雅紀不足になるなぁ。
雅紀不足とオレ不足とそれぞれが戦いながら時間が流れて行った。
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雅紀くんを抱き寄せる翔ちゃんの画はひろちゃんが素敵に仕上げてくれました。
スクショ等のお持ち帰りはお断りします。
この部屋でお楽しみくださいね。
ひろちゃん、優しく甘い2人の空気感をありがとうねー♡