「あっ、あっ、うー」
「うー、あっ、うぁー」
毎日のように陽縁と縁翔はくっつきあいながら何か喋ってはケラケラ笑ってる。
寝返りができるようになるために自分の腕で体を支えられるようになる練習がてらうつ伏せにしてあげると、2人で顔を見合せては楽しそうに喋ってるんだ。
そしてそんな2人に向けて夢中で超絶至近距離でスマホを向けて動画を撮りまくる俺を見て華もケラケラと笑ってる。
「潤って甘やかすタイプの人だとは思ってたけど、そこまでだとは…。さすがにスマホのストレージもパンクしそうよねwww」
「ご心配なく。ちゃんと整理整頓してっからな」
「はいはい。スマホ越しに見るばっかりじゃなくて、ちゃんと直に見てあげてよねぇー。2人が大きくなった時に『いつもパパはスマホを向けてた』なんて言われないようにしてよー」
「はぁーい」
確かに華の言う通りだよなぁ。
グサッとその言葉が刺さるわ。
スマホをテーブルの上に置いてから陽縁と縁翔を腕に抱き上げた。
2人とも確実に大きくなっていくなぁ。
縁翔は取られてたまるかと言わんばかりに哺乳瓶にがっつくから勢い余って自分でミルクに溺れてはむせてる。そういうとこも翔にそっくりだなって華と爆笑するとむうううーって上目遣いで睨んできたりしてる。
縁翔はそんな陽縁をじーーっと見つめてニヤニヤしてるんだ。そんな陽縁を華は俺にそっくりだと笑う。
面白いな。
一卵性双生児なのにこんなに性格が違うんだもんな。
ラグの上であぐらをかいて2人を抱いていると、ぽすんと背中に華がもたれかかってきた。
「どした?」
「んー。来年の夏はさ、どっか旅行に行こ?今年は2人が小さいから泊まりってのは難しいけどさ」
「そーだなぁ。どっか行きたいとこリストアップしとこーな」
「ん」
2人を抱っこしたままユラユラしていると、陽縁も縁翔も眠りに落ちた。
再びラグの上に2人を寝かせてからおいでって腕を広げるとにぱって笑った華が胸に飛び込んできた。
「母親業お疲れ様。たまにはこうして甘えるのも悪くねぇだろ」
「うん。もっとぎゅってして?」
素直に甘えてくる華をめいいっぱい抱きしめた。
なんでもない日が幸せだ。