櫻の君 | 愛すべき櫻葉の世界

愛すべき櫻葉の世界

甘々櫻葉と翔ちゃんへの愛を甘くおしゃべりしてます♡




オレはショウ。桜の花の精。

そして横にいるのはマサキ。葉の精。


オレたちは同じ桜の精として世界中に春を届け続けている。

でも一緒にいられるのはわずかな時間だけなんだ。


なぜならば花の精は葉が多くなってくるにつれて散りゆかなければならない。

オレとマサキが一緒にいられる時間は1年の中でわずか1週間程度だ。


だけど。


それでいい。

それでもいい。


オレはマサキを愛してる。

愛してるんだ。

一緒にいられる時間を大切にしてきたし、これからも大切にしていくんだ。






そうしてオレとマサキが春を届けるようになって何百年が経っただろうか。




今年もまた春を届け、南の方から夏の足音が近づいてくる頃、オレは旅立ちの心づもりを始めていた。

また来年。

冬の厳しい寒さを乗り越えるころにまた逢える。

その頃にまた逢いたい。

また必ず逢おう。


そう思いながら、ふとオレの背中を見つめるマサキの視線に気づいたんだ。



「ショウ...」

「ん?」


「もう行くの?」

「ああ。もう夏が来るから...な...また来年だ」


思い詰めたマサキの表情にオレはヒュっと息を飲んだ。

コイツのこんな目を見たことがない。

オレはいつもこんな目で見つめられていたんだろうか。


「ショウ...俺も一緒に行きたい」

「それはダメだろ?自然界の神に背くことになる。神から追放されっ...んんっ...ん...」


オレの言葉はマサキの口の中へ飲み込まれた。

初めてする口付け。

その刺激に目眩がする。

このまま時間を止めたい。

止めてしまいたい。


マサキ。

オレはお前を愛してる...。

許されないかもしれないけど神に背いてでも一緒にいたい...。



マサキ、マサキ...。


マサ、


キ.......。




その瞬間オレたちの周りを光り輝く天使たちが舞い、光のシャワーの中へ吸い込まれた。


ああ、このまま。

神に背いた罰だ。

一緒に逝こう。

お前となら怖くない...。












「翔ちゃん、翔ちゃん!しょーーーちゃーーーーーーーーーん!!!」

「うっせえ雅紀。声がでけぇよ...」


真新しい高校の制服に身を包んだ雅紀が駅の改札口からオレに向かって猛ダッシュする。

当たり前のように雅紀はオレの腕に絡みつき、オレはそのサラサラのミルクティー色の髪にコツンと頭をぶつけた。


オレのとなりにはいつも雅紀がいる。



そんなオレたちを大きな桜の木が祝うかのように桜吹雪を降らせた。


「え...」

「あっ...」




気のせいかな。

オレたちによく似た小さな妖精が桜の木の上から微笑みながら見ていたような気がした。


「雅紀」

「ん?」


「好きだよ。愛してる」

「俺も。翔ちゃんを愛してる」



ちゅ




登校するみんなの目をぬすんで、雅紀の唇をかっさらった。





ショウ...

マサキ...


「「オレたちはこれからもずっと一緒だ」」




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毎年恒例となったひろちゃんのおうちに咲く🌸でのコラボお話。

2017年が最初でいろいろな所でひょっこり登場させてもらっています。

5月初旬に北の大地に訪れる春の知らせが私にとっても楽しみ♡

ひろちゃん今年も素敵な画をありがとう!

もちろんこの画はスクショ等はお断りさせて頂きますのでご承知おきください。