そして今は雅紀んち。
雅紀の部屋。
家庭教師の時間なんだけど。
勉強なんてしてない。
ごめんだけど。
ごめんなさいだけど。
今日は奇跡的におばさんは遅くまで仕事だということで留守。
しっかり玄関に鍵をかけたオレたちは産まれたままの姿で雅紀のベッドで抱きしめあっていた。
おかしい。
ほんの少し前まではちゃんと勉強してたよな。
雅紀が分からないと言ってきた方程式の解き方を教えてたよな。
息を乱しながらオレに向かって手を差し伸べている雅紀の中に白濁をぶちまけた。
いや、直接じゃなくてコンのドームさんを装着してからだけど。
ここまでしっかり抱き合ったのはゴールデンウイークの箱根旅行以来か。
「ごめん。ちゃんと勉強しねぇとな。おばさんが帰ってくると怒られるだろ?」
「だよね?俺も翔ちゃんも怒られちゃうし、最悪の場合は出禁くらっちゃうかもよ?(笑)」
「いやいや、マジで悪い冗談はやめてよ。シャレになんねぇわ」
「くくく。そうだよね?」
慌ただしく体を拭いてから下着を履いてジーンズを履いた。
そこでふと、雅紀が瞬きもせずにオレのことをじーーーーっと見つめていることに気づいた。
「なによ」
「んん。めっちゃカッケェなぁって。こんなカッケェ人が俺の彼氏なんだなと思ってさ…」
「ふはは。何言ってんだ。そもそもはオレがお前に一目惚れしたことから始まったろ?自信持てよ。お前はオレにもったいないくらいだなって思うことあるんだぜ」
「ばあああーーか////」
オレの言葉に真っ赤になった雅紀がオレに飛びついてきた。
そして。
ちりっ。
首筋に雅紀が噛み付いたかと思った次の瞬間、オレの首筋に真っ赤な華が咲いた。
雅紀の気持ちが込められた色だ。
少し黒っぽい愛の華。
「翔ちゃんは一生俺だけのもんだよね?」
…ぞくっ…
オレが初めて見た雅紀の表情。
それは嫉妬心に満ち溢れた顔だった。