股旅舞踊・三度笠 | 中杉 弘の徒然日記

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僕が最近注目している舞踊があります。『股旅舞踊』といいます。「流れ者、渡世三度笠」をテーマにしてつくられた舞踊です。これを股旅舞踊といいます。

舞踊というと女の子が踊る舞踊が多いのですが、この舞踊は変わっていて、長ドスを指して三度笠で踊ります。北島三郎や杉良太郎の歌で踊るのですが、非常によいと思います。僕は非常に新鮮で驚きをもって見ているので、是非皆さんにも紹介しようと思います。

今回紹介する『股旅舞踊』は、中学3年生の槻木澤霞(つきのきざわかすみ)さんという女の子が特別賞をもらったときの踊りです。非常に剣さばきがキレイです。素人とは思えません。この子は、剣を持った舞踊をやっていますが、「居合をやっていたのかな?」と思うくらい、非常によくできています。

僕は旅人さんに非常に関心を持っています。何故、感心を持っているのかというと、旅に出るのに、行く先もないのに3年間も旅をするのです。大変、心細いと思います。悪いことをすると「3年間江戸処払い」になってしまうのです。

3年間は江戸に帰れません。まあ、刑としては軽いのですが、その間は江戸にはいられないのです。親戚もいない場所を旅して歩くのです。旅をして泊まるところはヤクザの親分さんのところです。そこで仁義を切るのです。「自分はどこの生まれで、どういう刑をもらって旅をしています。どうか一宿一飯をよろしくお願いします」と言うのです。

すると言われたヤクザの親分は、「どうぞ、旅人さん。上がってください」と言うのです。それで何日間かお世話になるのです。一月いる奴もいれば、1日で出る場合もあります。ヤクザの親分さんに泊めてもらうのですが、仁義があって絶対にご飯は一膳しか食べません。これは旅人の作法として決まっているのです。

ご飯一膳と味噌汁とたくあんだけです。ご飯は二回くらい出て、「どうぞ、もっと食べてください」と言われても絶対に一膳しか食べません。

寝るときは布団部屋の中で寝ますが、1枚の布団しか使いません。1枚の布団を2つ折りにして、その中にくるまって寝るというのが作法です。着ている着物は脱ぎません。背中の帯はクルッと前に回して、着の身着のままで寝ます。このような生活です。

景気のいい親分なら小遣いくらいくれるでしょう。それで、何日かお世話になるのです。また、喧嘩に備えて旅人さんを集めている親分もいます。万が一その親分が喧嘩に巻き込まれたときは第一番に戦います。こが一宿一飯の恩義です。

旅人さんはこのように旅をして親分さんのところでお世話になるのですが、親分さんが見つからない場合もあります。その時は野宿をするのです。自分の道具は三度笠と廻し合羽(まわしがっぱです。持ち物はそれだけです。あとは長脇差(ながどす)です。

長脇差は旅人さんの頼りになったと思います。長脇差を抱いて寝るのですが、山にはオオカミもいれば熊もいます。ともかく、その中を長脇差一本で旅をしていくのですから大変です。

旅人さんが廻し合羽を着て、長脇差を差している姿を見ると、なんとなく哀愁を感じるのです。それを女の子が演じると、またカッコイイのです。すごくよくできているから、是非皆さんに見てもらいたいと思います。

この女の子は天才です。中学3年生でこれだけできるのです。この子は青森の子ですが、今はもう大学生です。多分、弘前大学だと思います。これは中学3年生のときの演技です。

高校3年生のときの股旅舞踊もありますが、大学生になってもやっています。探すと面白いですよ。この子は優れた子で、こんな格好をしていますが、高校生の時は生徒会長です。バレーボール部の副部長で受験勉強もちゃんとしていた大変真面目な子です。

何故、舞踊を始めるようになったのかというと、お婆ちゃんが舞踊を習っていて、その先生が踊るとカッコイイのです。それを見ていて小学生の頃「自分も習いたい」と思って、今日まで続けてきたのです。

非常にこの子は長脇差の使い方が上手いのです。良くできているし、顔もいいのです。観客をパッと見て見えを切るのですが、それを見て観客から「ワーーー!」と拍手がくると、「ニヤッ」と笑うのです。その顔が実にいいのです。今後も楽しみな子です。是非皆さんもご覧ください。なかなか長脇差もよいものを持っています。


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