軍事評論家 小川和久について | 中杉 弘の徒然日記

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毎日・毎日起きている事件について
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 静岡県立大学特任教授、軍事評論家という肩書を持つ元自衛官出身の小川和久さんは、なかなか面白い人間で嫌いではないのですが、集団的自衛権を擁護するということで、衆議院に参考人として出廷しました。

 発言している点に少しおかしな点があるので、正しておきたいと思います。このような理論から入っています。「今と同じ安全を保障するために、日本独自でやったら27兆円かかります。日本には米軍がいるから5兆円の防衛費ですんでいます。非常に格安で日本の安全保障は得られているのです。これは米軍と仲良くしているからそのようなことが言えるのです。」これが一つです。

 それから、日本には米軍の本社機能がきています。あちこちにある基地は支店規模で、本社の機能(厚木)が日本にきているのだと言っています。アメリカは非常に重要な軍を日本においているのです。

 例えば日本には米軍の基地が82あります。その他、自衛隊と共同で使っている基地が50あります。アメリカ軍の最大の石油貯蔵所があり、約2千トンもあります。自衛隊はもっていてもせいぜい半分くらいの量です。このようなもので「日本は守られている」と盛んに言うのです。

 ちょっと待ってください。小川さんは自分で「キリスト教徒だ」と言いますが、「なるほどな」と思いました。米軍は日本を守るために基地を置いているのではありません。なぜ、そのことを言わないのでしょう。米軍は米軍の極東戦略の一環として日本の基地にただで居座っているのです。日本を守るためではないのです。アメリカはアメリカの極東戦略に基づいて行動するのです。

 日本は関係ないのです。アメリカ軍が作戦を立てて、「中国と戦争する」という作戦があれば、その作戦に基づいて日本の基地がフルに使われるのです。アメリカの本社機能が日本にあって戦うのです。それは日本のためではないのです。小川さんは、そのことを言わないのです。

 日本のためにアメリカがそんな膨大な戦力をもってきて、日本を守ってくれるならば有り難い話だけれども、全然違うのです。何か事が起きれば、アメリカはアメリカの都合で動くのです。自衛隊を助けるなどということは、決してしないのです。

 もう一つ、忘れてはいけないことがあります。米軍は米軍のために日本にいるのです。要するに、アメリカに攻撃を仕掛けてくる国などないのです。いるわけがありません。世界最大の軍備を誇るアメリカに向けていきなり攻撃してくるとか、ミサイルを撃ちこんでくるなど、そんなことはあり得ないのです。

 戦争をしようと思ったならば、アメリカは必ず自作自演をやるのです。9.11もそうです。「やられた!」と言って、あの事件でアメリカの法律を変えてしまったのです。「先制攻撃ができる」、「疑わしい者は罰っする」、「全ての電話は盗聴できる」と、一瞬にして法律を変えてしまったのです。

 「ナインイレブンインサイドジョブ」だということは、皆がわかってきているのです。プーチン大統領も「あれはアメリカの陰謀だ!」と堂々と言い出したのです。アメリカは陰謀を働くのです。

 今ならアメリカ軍が攻撃されても日本は助けなくてもよいのですが、集団的自衛権ができるようになると、1発アメリカ軍が撃たれてら日本は撃ち返さなくてはいけません。同盟関係にあるのですからそうなるのです。この法案はおかしいのです。日本は戦争をしていないのです。「やられた!」と言って、アメリカ軍が戦争をするのです。

 そうしたら、日本は自動的にアメリカの敵国を攻撃しなければいけないということになるのです。例えば、アメリカ軍が中国を攻撃して中国から攻撃を受ければ、自衛隊は中国を攻撃します。すると、「なんだよ、俺たちは日本なんか相手にしていないよ」と言っても、日本が攻撃すれば中国も撃ち返してきます。そのような構造ができてしまうのです。

 そこのところを論じないで力関係だけで「世界最大の米軍と手を組んで、最大規模の安全を担保している」などという小川さんの言い方はおかしいのです。なぜ小川さんは、このようなことを言うのでしょうか。

 第二次世界大戦に負けた日本とドイツは、足かせをはめられて独自の行動ができないようにされているのです。単独で国を守れない仕組みにされているのです。それを利用すればいいではないですか。

 「安保ただ乗り」というのです。要するにアメリカは日本を守り、日本はアメリカを守らないのです。これが「偏っている条約だ」というのです。それでいいではないですか。その代り日本はアメリカに82か所の基地を無料で貸しているのです。膨大な量です。

日本の空も3分の1だけ日本が使用しているのですが、3分の2はアメリカ軍が使っているのです。

 その他、国債を100兆円も買ってあげているのです。思いやり予算では、1兆円も米軍にあげているのです。買う武器は一方的にアメリカです。「アメリカには三重の利益をあげています。その変わり日本を守ってください。日本は憲法があるからできません。だから82の基地を使ってください」と言えばよいのです。

 日本政府は米軍に対して毎年1兆円あげているのです。これも最初は6千億円くらいだったのですが、どんどん増えて今では1兆円近くあげているのです。基地をタダで使わせて、1兆円あげて、さらに武器を買い、アメリカの国債を100兆円も買ってあげているのです。

 アメリカの国債など売れません。「売る」と言えば殺されてしまいます。世界経済が破綻するから売れないのです。「アメリカにお金をあげた」ということなのです。戦闘機、武器などもアメリカから買っています。

アメリカはすごい利益です。1機150億円するF-16を日本は何百機も買っているのです。その他、主な武器はアメリカからしか買っていません。日本が「ドイツ製がいい」と言っても買えません。アメリカは十分利益を得ています。日本の土地をタダで借りられて、1兆円の思いやり予算をもらい、100兆円の国債を買ってもらい、武器はすべてアメリカ製です。最高の待遇です。それに従ってアメリカは日本を守る義務があるのです。日本がアメリカを守る義務などありません。そのように言えばよいのです。

 小川さんは誤魔化して「アメリカ軍と同盟関係を結んで最高の守りになる」などと言い、ウソをついているのです。そんなことをしなくても守れるのです。アメリカはアメリカの極東戦略に基づいて日本に進駐しているのです。アメリカ軍の戦略があり、日本のための戦略ではないのです。アメリカは絶対に日本を離しません。

 日本が中国に侵略されたら極東は中国のものです。この巨大な日本の技術とお金と頭脳が全て中国のものになってしまいます。中国14億人の人口と日本が合体すれば手も足もでません。極東の支配は中国になってしまいます。

 するとアジアに対してアメリカは覇権がなくなってしまいます。だから絶対にどんなことがあってもアメリカは絶対に日本を離さないのです。日本人は安心すればよいのです。アメリカの都合によっても日本を離さないのです。

 アメリカの大統領が習近平に「絶対に日本に手を出してはならないぞ!」と言って釘を刺したのです。「日本に進出したらアメリカは絶対に黙っていないぞ」ということです。現在でもそうなのです。それをなぜ踏み込んで集団的自衛権をやる必要があるのでしょうか。

 日本は国連にも加盟しています。実は国連は集団的自衛権です。日本が侵略されたら、国連に訴えます。事務総長がみなを集めて国連軍を出します。国連に参加しているということは、国連軍に参加していることと同じことです。

 そして、今でも日米安全保障条約があります。82の基地を提供して米軍が自由に使っています。これでいいではないですか。なぜそれを1歩飛び越えてアメリカ軍が攻撃されたら日本の自衛隊が攻撃するのでしょう。日本にそのような条約を押し付けたのは、アメリカですからそれを楯にとってやればよいのです。それが政治家の腹です。そうすれば絶対に日本は侵略されません。

 しかし、本当に日本を強くするためには、日本の自衛力を2倍にすればよいのです。防衛庁の完全な自立の国防は、27兆円かかると言われていますが、それは米軍がもっている施設をすべて自衛隊が運営したらという意味です。そのような膨大な施設は必用ありません。

 ただし、防衛費は5兆円ですから、その倍の10兆円にすれば完璧な守りになるのです。日本はアメリカに「どうぞ極東戦略を進めてください。日本は82か所も基地を提供しています。武器もすべて買っています。思いやり予算もタダであげています。どうぞ、日本を守ってください」と言えばよいのです。

 それがなぜ「アメリカ軍が攻撃されたら、自衛隊が血を流します」と言うのでしょう。そのバカな考え方は何でしょう。小川和久はキリスト教徒です。自分でそう言っています。安倍さんも統一教会のキリスト教徒です。馬鹿なことを考えているのではありません。だまされないようにしていきましょうね。





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